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お姉ちゃんは、ベッドの下。  作者: 紗楽
其の讀 闇鍋は、一生するものじゃありません。
18/19

鍋奉行は囁く

つぐみんが脱落し、私、雪葉、一条君しかいなくなってしまった。

「何かもう、この闇鍋パーティー終わらない気がしてきたよ……」

「あはは………… 楓も一条君もこういうのに強いもんね。私、そろそろ脱落しようかな」

苦笑しながら雪葉が言うが、それはわざと脱落してあげうってか……? 上から目線か……?

「雪葉のバカーっ!」

「え、え、どうしたの楓!?」

雪葉がそんな子だなんて、お姉ちゃん…… じゃなくて、お友達ちゃん、思わなかったよ! 優しくて良い子だと思ってたのに!

「………… 楽しみのところ悪いが、もう食べつきたぞ」

カタン、と箸を置く音がして、一条君がボソッと口を開く。

鍋の中を除くと、言われた通り具材はもうなくなっており、汁だけがポツリとあった。

「ええー、どうしよ。楓さん、考えてなかったよ。引き分けなんて考えてなかったよ」

「引き分けは引き分けじゃないの?」

「1位のご褒美だよ、雪葉…………」

1位はこの中で1番頭良い人に3日分の宿題を代行してもらうって事だったのに……!

お姉ちゃん、1位になれると信じて生きてきたのぃ!

「えーと、とりあえず勝敗だけ発表するので、皆ー、起きて下さーい!」

大声を張り上げるが、皆、死んだように動かない。そんなに酷かったっけ?

仕方ない、この私が皆を起こしてあげようじゃないか!

「よっこいしょういち」

「楓、仮にでも女子高生なんだから、それはないんじゃないかな……」

いやいや、皆普通に使ってるじゃん! お父さんとかお祖父ちゃんとか伯父さんとか!

そんな若干引いてる雪葉を尻目に、立ち上がり1番近くにいた夕君の耳元に口を近づける。

「………… 今から0秒以内に起きたら、奏の好みを教えてあげよう。そして、つぐみんに教えてあげるがいいのさ」

「お願いします、楓さん!」

耳元でそんなことをつぶやくと、夕君がさっきの気絶は演技だったのかというくらい素早く飛び起きる。うんうん、それで良いそれで良い!

「………… 今から0秒以内に起きないと、えなちーには東雲君とのちょっとえっちなラブコメの呪いをかけちゃうぞ」

「っ!? 月雲さんそれはやめてくれないかしら!」

えなちーまで何なんですか、すぐ起きて! これは、うん、若干起きないでほしかった。

「………… 今から0秒以内に起きたら、奏にたくさん甘い言葉を囁いてもらえるよ」

「お願いします、お義姉さん!」

よしよしよし! 順調順調。

「………… 今から0秒以内に起きないと、お姉ちゃんがチューしちゃうぞ」

「やめろ楓!」

うん、それでよし! 奏はつぐみん一筋だもんねー。結婚式が今から楽しみだよ!

「………… 今から0秒以内に起きないと、超絶マッチョなムキムキおじいちゃんが襲っちゃうぞ」

「お願いだから月雲ちゃん、それはやめて!」

東雲君はキャラが弱いから、何を言うか迷っちゃったよ。まあ、これは腐ってる人達以外は嫌だよね、うん。

「………… 今から0秒以内に起きないと、夏目は………… ええと、夏目は死にます」

ごめん、夏目の苦手なものとか好きなものが分からない! 結構付き合い長いはずなのに! ごめんよ、夏目!

まあ、これで全員起きたからね! よし、今から発表するよ!

「月雲さん、何なのかしら先程のは」

えなちーの言葉に、全員がうんうん、とうなずいた。

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