エルフ(神族)
古代に存在していた神々の末裔。
エルフに限らずそう呼ばれる種族はいくばくか存在し、上位巨人族、鬼族(妖魔や巨人などと同一視され、存在に疑問を抱かれている)、ケンタウルス。精霊たち、妖精や妖魔、ダークエルフたちが該当します。
この世界のエルフは特別な存在です。
民間信仰では神様と同一視されており、彼らの守護を受けている、彼らを主神とする村は少なからず存在し、彼等との縁を示す古びた石などはご神体として尊重されます。
実際にある程度のご利益もある模様で、とても尊敬され、親しまれています。
村人たちは季節になるとエルフを讃えてお祭りを興し、エルフたちも死者たちと混じって村人たちと友誼をかわすと伝えられています。
お祭りに関してはディーヌスレイト曰く、『その通りだ』なので間違いなし。
ただし、加護についてはディーヌスレイトは懐疑的で、人間の世界には関わらないのが不文律とのこと。
人間と交配できると認識されていますが種としては絶対に子供は出来ません。
そもそも種の概念が当てはまらない存在です。
エルフたちは精霊と同じく同じ世界では或るものの世界の線引きの外側の世界の存在であり、妖精の世界に普段存在しており、精神生命に近い存在でありますが、人間世界に必要があって降臨(光臨)する場合、こちらの世界側の記憶装置も兼ねる『兄弟の木』なる彼らと同年齢の木々の身体から生み出したニンゲンそっくりの身体を用いて顕現します。
その際、神族としての力は大幅に減退する代償に、人間と同じく無限の可能性を得ると言われています。
兄弟の木のある森は人間たちから神聖な森とされ、また薪はエルフの恵みとしてとても大事に扱われます。
実際、薪を燃やして得る炎は顕現すらできぬ夢魔たちから旅人の夢を守り、安らかな眠りを保障してくれます。
人々はエルフに感謝して薪を扱いますが、エルフがいるから薪をたくさん使えないという考え方も出来なくはありません。
彼らの身体は本来性別を持たないのですが、人間に恋をすると性別をもち、本来行わない肉食を行ったりして人間との繁殖に適した成熟した身体を持つことがあり得ます。
ある種の『呪い』であり、死の穢れを受け入れることになるため、無限の寿命と若さを持つ彼ら的には忌避すべきことであり、人を愛することはその寿命の差による悲劇のみならず、死より辛い『追放』を覚悟せねばなりません。
文化的には身振り手振りを使いません。
彼等の使う精霊の言葉は一種のテレパシーとして機能します。
同じ精霊の言葉を解する魔族とされるダークエルフは身振り手振りを積極的に使います。
両者は敵対関係にはありますが、ニンゲンからみた魔族ほどの脅威をお互い感じていません。生活の場が違いすぎるので遭遇することはまれです。
命名法則的には『歌』がそのまま本人の本質をさします。
作中では『歌のタイトル』をひらがな表記で統一。
ウインド曰く『長すぎる』ので、『歌のタイトル』もしくは人間が勝手につけた名前を名乗ります。
あまり自らの仮の名前にこだわりを持たない模様で、ディーヌスレイトなどは自らが飼っていた犬(狼?!)の名前を名乗っている模様。
コドモは耳が動きます。
ぴょんぴょんと感情に合わせて動くのはあまり品のいいようには思われていません。
しかし、自覚して動かすわけではなく、自制して動かないようにはできるようになるため、森から出たばかりのエルフの区別は容易につくようです。
ディーヌスレイトは例外的に頑なに自らの耳が動く事実を認めないためいまだ動き続けています。
魔法の力が強く、淡く発光しているので『ひかりかがやくひと』などと呼ばれることもありますが、本人たちは遠慮して名乗りません。
そもそも『個人』の概念が薄く、自らの美醜を気に掛けることもありません。
感情は彼らにとっては感情の精霊たちを用いる『術』であり、普通に感情を表に出して豊かな感情を見せる人間は興味の対象になるようです。
それが恋愛感情に発展するか否かは、人間側の努力に依存します。