慈愛神殿について
慈愛神は母なる女神とされます。
その神像は豊満で慈愛深そうな表情を浮かべた美女となっています。
その慈愛ゆえ、『混沌すら容認する邪神』と一部の苛烈な正義信徒から信じられています。
主に、結婚、出産、恋愛、豊穣を守護し、狩人や農民の守り神といわれています。
その使途たちは優れた癒しの技を持ちます。
あるものをあるとして肯定的に捉えるため、汚物処理も信徒たちの重要な仕事となります。
また、他宗派や異端にも比較的寛容に接するようです。
『車輪の王国』におけるその組織。
信者……一般人です。布施を神殿におこなったり、お祈りにきたりします。
サウナなどの施設を利用できます(薪代金は自腹です)。読み書きも学べます。
特に明文化された義務はありませんが、大きな祭事や儀式にには参加します。
慈愛神殿は王国に代わり徴税の仕事を代行することがあります。
そのため、慈愛神殿は信者の保護に力を入れています。
信者の中でも「鍛冶屋」などは結婚の儀式を行う権利を持ちます。
(他国から駆け落ちしてきたカップルが馬具の修理を行うと同時に既成婚を行うため)
下級神官……住み込みで働く神官見習いの信者です。各種奉仕活動を通して女神の教えを学びます。
読み書きに加え、医療技術、化粧、裁縫、料理、格闘技などを学びます。
ミズホ、ミナヅキ、レティ(レティシア)がこの地位です。使途としての力はありません。
ただし、女神の加護を得ることができるかどうかは「神のみぞ知る」ため、下級神官の修行なくして使途になってしまうものもいます。
例としてチーア、アンジェは司祭、侍祭クラスの力を持っています。
チーアは冒険者なので本来地位は関係ありませんが、一応「下級神官」になっています。
この二人は素行に問題がありすぎること、下級神官を経験しないまま一足飛びに使途の力を得てしまったため、この地位にあります。
一応、このクラスの神官も乞われれば結婚の儀式を承認する権利を持ちますが、行使されることはまずありません。
冒険者……基本的に俗世や神殿の地位を返上している名目になりますが、高司祭や最高司祭(!)が冒険者に参加することもあります。
基本的に届出のない闇神官(闇医者)と同一視されるのであまり神殿内で良い顔はされません。
『不良娘』と思われても致し方ない。
神官……女神の加護を得た存在です。
治癒の力を女神から与えられた使途です。
とはいえ、一日に一回傷を治すことができたら良い程度の力です。
(個人の精神力=根性次第では三回使える者もいます)
ミズホやミナヅキやレティシアの目標です。
仕事内容的には下級神官とほとんどまったく差がありません。
医療活動に治癒の力を使えるか否かの違いのみです。
女神の加護を得た者は老化速度が半減します。
花嫁修業ならばこの程度でも充分といえます。
ベテランの神官は神官長として彼女たちを補佐します。
カレンは能力、実績、神の恩寵ともに司祭級以上ですが、本人の希望により神官(長)の地位にあります。
(身内の結婚の儀式は当事者の希望により、司祭たちより下級神官時代から世話になったという理由でカレンが行う事が多々あります)
劇中ではマリアがこの地位にあります。
侍祭……宗教行事や儀式の補佐を勤めます。
慈愛神殿はとても実利的な宗派なので、労働も下級神官に混じって行います。
……もっとも「宗教行事」のほとんどが「農業」や「開墾」や「汚物処理」なのはご愛嬌です。
劇中ではジェシカがこの地位にありますが、ジェシカの持つ実権は司祭以上だったりします。
(司祭たちは幼少時に彼女にオシメを替えてもらっているので逆らえない)
司祭……宗教行事を執り行います。慈愛神殿の華の職です。
質素ながら花嫁より目立たない程度の綺麗な服と化粧をして、信者の結婚式を執り行うのは彼女たちの仕事です。
引退後は冒険者になり布教の旅に出るものもいますし、学んだ治癒の力や医療技術を持って辺境の村に赴任したり、結婚して現役を引退し、施療所を開設するものもいます。
劇中ではモニカがその職にあり。
能力的にはモニカは高司祭を狙えるのですが、23歳という(あくまでこの世界では)行き遅れ待ったなしというか既にいきおくれの年齢なので将来来るべき彼氏との愛ある結婚を焦っていてその線は薄い。
高司祭……主に国内の教団を指導する立場にあります。
他の宗派なら司教や大司教、最高司祭などという役職がありますが、先代の最高司祭が逃亡(!)してしまったため、高司祭さまが兼任している状況になっています。
もっとも、高司祭といえども司祭たちの意向を無視できるわけではありません。
また、実利的な宗教であるため、高司祭が奉仕に参加している姿も散見されます。
組織の傾向的に権力より負担が多いため、避けられる役職のようです。
※傾向
恋愛結婚を推奨している関係もあり、未婚の10代~20代後半の比較的若い女性が在籍者のほとんどを占めます。
都市部では親を失った子供たちを支える孤児院兼学校をもうけていることが大部分です。
(子供たちの世話も重要な仕事です)
活動内容から貧乏神殿と揶揄されますが、行儀見習い先としてはポピュラーな神殿であり、
上層階級でも女性には支持されています。
チーア曰く。
『デキ婚多すぎ。死ね』
『慈愛神殿の神官は美女揃い』と言う一般認識。
外に出ることの多い若い下級神官や純朴な神官は男から見たら超ねらい目らしい。