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罪空
みんなの空なんてないんだと
気付いたんです
だってみんなの空ならば
僕が見上げることなんて
できるはずがないから
けれども空はあって
この僕を見下ろしていて
笑うんです
だから僕も
笑うんです
空はみんな
みんなが眺めて
違うことを思う
綺麗だとか
汚いだとか
青いだとか
白いだとか
灰色だとか
無色だとか
優しいだとか
怖いだとか
みんながみんな
自分の上に在るだけの
不思議な形をしたモノに
想ってしまう
僕は
あの人の隣で
あの人の空を
眺めたいだけ
けれどもそんな
おこがましい
恐ろしいことは
望んではいけない
僕は
いつだって
この空に
似ても似つかないあの人を探してしまうのだから
あの人はいつも
僕の中で咲き誇って
時にはしおれて
僕だけのために手折ってしまいたくなるような
恐ろしいほど美しく眩しい
あの人と同じ空を
眺めようと決めたあの日に
僕は歪んでしまったのかも知れない
けれど
それこそが
とても素敵で
幸せなこと
あの人の上に在る空は
いつまでもあの人を
見守ってくれるでしょうか
今の僕の空は
深く淀んでいて
今にも
堕ちてきそうだけれど
『罪空』




