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空の果て  作者: 草薙響
8/20

深紅

 

私は誰かのためじゃない

私のためにいるんだと

言い聞かせては

自嘲した


私は私

他人は他人


けれど私のどれだけが

他人でできているんだろう

一体私のどれだけが

他人をつくっているんだろう


いつだって

この世界に色はない


色はもとからあるものではないし

そんな色なんてつまらない



誰かが白だと言っても

私が黒だと思えば

それは私にとっての黒



このまっさらなカンバスに

誰かが誰かの色を塗る



あなたはあなたの色を

君は君の色を


私は私の色を




全てを焼き尽くすような

そんな絵の具に身体を浸して


私は笑おう


私の色は燃えている



嗚呼、この場の色は!




『深紅』

 

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