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空の果て  作者: 草薙響
14/20

留守

 

小さい頃は

残されるのが嫌いだった

今も嫌いだけど

意味は違う


私のいない場所で

楽しいことがあるんじゃないかだなんて

そんなことを考えていた

あの頃とは違う


一人取り残されて

帰ってこないんじゃないかと

考えたあのときとも

きっと違う



あなたは

私のいない場所で

何をするんだろう


それだけ



待っているよ

あなたが帰ってくるまで

待っていてねと言われた

だから待つよ


帰ってくるよ

そう言われたから

待てるよ

いつまでもあなたを


あなたの帰りを望み

お土産に期待して

あなたのぬくもりを

待ち焦がれながら


私は笑って

待っているよ



おかえり


そう言って笑えば


ただいま


そう返して

笑ってもらえる



そうでしょう?


それがね

どうしようもないくらい


幸せだなって


思えるんだ




『留守』

 


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