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58 百人一首をアレンジ54 忘れじの行く末までは難ければ今日を限りの命ともがな

忘れ(動詞・ラ下二・未然形)じ(打消意志・終止形)の(格助詞)

行く末(名詞)まで(副助詞)は(係助詞)

難けれ(形容詞・ク活用・已然形)ば(接続助詞)

今日(名詞)を(格助詞)限り(名詞)の(格助詞) 

命(名詞)と(格助詞)もがな(終助詞・願望)


「いつまでも忘れない」という言葉が、遠い将来まで変わらないというのは難しいでしょう。だから、その言葉を聞いた今日を限りに命が尽きてしまえばいいのに。


 やっと、私の恋が成就したのね。


 マーヤは、隣で眠るアルバンの髪にそっと触れた。柔らかいくせ毛がまるで寝癖のように踊っている。


 この日が来るのを、どれほど望み、心待ちにしたことか。


 だが、満足感の後には、足元にぽかりと大きな穴が生まれ、その落とし穴の無限の底に吸い込まれるような恐怖をも感じている。


 身分違いの恋は、恋だからいいのだ。その先どころか、またこうやって二人きりになることなど、望むことさえ許されないだろう。


「マーヤと両想いになれるなんて、こんなうれしい日はない。特別な日だよ。必ず両親のことは説得する。だから、死ぬまで一緒にいよう」


 アルバンの言葉は、一生の宝だ。この幸せな気持ちのまま死ぬことができたらな、どんなにいいだろう。


 マーヤは滑るようにベッドから出ると、静かに服を身に着けた。そして月明かりに照らされたその美しい顔をもう一度だけ振り返った。


「さよなら、アルバン様。私のことは忘れて、幸せになってくださいね」


アルバンが宿泊している部屋から出たマーヤは、そのまま宿を出た。治安もよいこの国なればこそ、夜中でも女性が独り歩きしていてもそれほど不審がられることはない。月明かりもある夜なので、森にでも入らない限り、それほど危険な目に遭うこともないだろう


マーヤは後ろを振り返らなかった。ただひたすら、隣の宿場目指して歩き始めた。


・・・・・・・・・・・・


 4年後。マーヤは故国から二つ離れた国に定住していた。二か国と言えば随分遠いように感じるが、各地を転々としながら少しずつ移動してきたこともあって、マーヤはそれほど大変な旅をしたという感覚はない。ただ、やはり食べ物はだいぶ変わってくる。気候も違えば、生産される農産物も異なり、その結果食文化も同じものにはならない。


 今日もマーヤは仕事から帰ってくると、魚の切り身を使った鍋を作り、テーブルに置いた。


「ママ、きょうのおなべも、おいしそうね!」

「ええ、そうね。いただきましょう」

「いただきましゅ!」


 噛んだ。かわいすぎる。


3歳になった娘のマルレーンがうれしそうに鍋を食べ始めたのを、マーヤはニコニコと見守る。故国では町医者のもとで看護師をしていたマーヤは、この国でも近所の医院で看護助手として働いている。故国では看護師としての資格を持っていたマーヤだが、この国で再度資格を取り直すだけの金銭的な余裕はなかった。


 そもそも、この国に定住するつもりもなかった。アルバンの所から逃げた時、もっと遠くの国に行くつもりだったのだが、この国にたどり着いたところで妊娠に気づき、それ以上動けなくなってしまった。仕方なく仕事を探したが、紹介状も持たない身重でいかにも訳ありの外国人であるマーヤを雇ってくれるところはなかなか見つからず、途方に暮れた。


 安宿に泊まるだけの資金も、あと一か月ほどしかない。マーヤは焦っていた。まだ産み月ではないというのに激しい痛みに襲われたマーヤは、通りすがりの人々によって近くの医院に担ぎ込まれた。奥さんが産婆、旦那が町医者をしていたこともあり、マーヤもまだお腹の中にいたマルレーンも一命をとりとめることができた。事情を聴いた二人は、マーヤは実際に看護師として働けるのを確認したうえで、そのまま空いている部屋で同居させてくれた。

「その代わり、看護師として働いてくれないか? そんなにたくさん払えるほどもうかってはいないが、家賃も食費もいらないよ」

 

 マーヤは何度もお礼を言い、宿を引き払って世話になることになった。


 医師はカール、産婆はハンナ。二人でこの町の人々のかかりつけ医のような形で40年働いてきたということだった。


「娘がいたんだけどね、忙しくて構ってやれなかった。気づいた時には、家出して……その日から全く連絡が取れていないんだよ」


 与えられた部屋があまりにもきれいなことをハンナに尋ねると、そんな言葉が返って来た。


「だからね、あの子がいつ帰って来てもいいようにって、そう思ったんだけれど……あの子ももう40歳を過ぎているはずだから、戻ってこないだろうって、マーヤのおかげでやっとあきらめがついたんだよ」

「ハンナさん……」

「あなたはね、私たちにとって、孫のようなものなの。だから、遠慮しないで。その代わり、働けるようになったらしっかり働いてもらうから」

「ありがとうございます」


 絶対安静の状態から生まれた子供は、アルバンの色を写し取ったような女の子だった。


「名前は?」

「マルレーンって、どうでしょうか?」

「いい名前だね。マルレーン、良かったねえ」


 その日から、ハンナとカールはひ孫をかわいがるように、マルレーンをかわいがった。二人とも、マルレーンの父親について聞こうとはしなかった。それが、マーヤにはありがたかった。


 年の離れた両親とも慕う二人に、身の程知らずの恋をした愚かな女だと思われるのは恥ずかしいと思ったから。


 

 マーヤのそんな心を知ることもなく、周囲から愛されて、マルレーンは3歳になった。女の子は言葉が早いと聞いていたが、語彙が少ないだけでマルレーンは本当によくしゃべる。白身魚の切り身をもぐもぐしながら、マルレーンは思い出したようにマーヤに尋ねた。


「ママ、わたしにはどうしてパパがいないの」

「そ、それはね……」


マーヤはしどろもどろになりながら、とっさに「パパはお星さまになってしまったのよ」と言った。


「そうなの。じゃ、よるになったら、どのおほしさまか、おしえてね」


 愛娘の言葉に、マーヤの良心が痛む。だが、無理に微笑んで頷けば、マルレーンは満足したように食事を続けた。満腹になったマルレーンがおもちゃで遊び始めたのを確認したカールがマーヤに声をかけた。


「大丈夫かい、マーヤ」

「私、自分の娘に本当のことを言えないような人間なんだって気づかされて……ちょっと堪えています」

「事情があったんだろう?」

「それでも……」

「この国では、堕胎が禁止されている。望んだ妊娠ではなくても出産しなければならないから、母親が子供に愛情を持てずに放置するケースが後を絶たない。だが、マーヤはこの子をかわいがっている。相手が誰かは聞かないが、そいつのことを憎からず思っていたのだろう?」

「ええ、まあ……」

「男のために身を引かねばならないこともある。倫理的に問題があるとか、犯罪だとかではないのなら、真実は墓まで持っていくしかない」

「はい」


 その夜、マルレーンは寝てしまった。だから、「パパの星」を教えなくて済んだことに、マーヤはほっとした。そんな自分が情けないと思いつつ、マーヤはマルレーンを抱きしめて眠った。


 半年後。海辺のこの町を、嵐が襲った。大きな港町ということもあり、船が次々と港に入って来て客を一旦下ろしていく。客を下ろした船は沖合に出て錨を下ろし、嵐をやり過ごす。だが、波がいつになく高かったこともあり、港に入る前の、ある一艘の客船が転覆した。


「先生、大変だ! 船の乗客たちが海に投げ出された!」


 カールはハンナについてくるように言ったが、マーヤは「自分が行く」と申し出た。最近ハンナは足を痛めたばかりだ。嵐の雨と風は、確実にハンナの足の痛みをひどくさせるはずだ。マーヤは看護師としての使命感にも燃えていた。


「妊婦さんがいたら、連絡します。マルレーンを見ていてくれませんか?」

「悪いね。頼んだよ」

「はい! マルレーン、いい子で待っていてね」

「うん!」


 漁師たちを中心に、海に投げ出された人たちを小舟で引き上げる。引き上げられた人たちを港で待機していた人たちが預かり、近くのホテルに運び込む。ホテルの広間に運び込まれた人々を診察し、特に問題ない人々は海の潮を洗い流し冷えた体を温めるために客室で入浴・休息してもらい、治療が必要な人たちに処置していく。水を飲んで溺れた人たちへの処置は漁師たちに任せ、ショックから心臓に痛みを訴えている者の様子を確認したり、漂流物でけがをした人の処置をしたり……マーヤはカールに従い、休む間もなく広間を駆け回った。


「先生、とりあえずこの人が最後かと。日が沈んでこちらが危ないので、一旦救助は打ち切るそうです」

「わかった」


 カールの元に運ばれてきた人物に、マーヤは生きを飲んだ。カールその髪の色に何かを察したようで、マーヤの表情を見てそれが正しいのだと気づいたようだ。


「マルレーンの父親か」

「……はい」


 アルバンの体は冷え切っていた。かすかに脈はあるが、長時間冷たい海水の中にいたことで低体温症になっているようだ。


「服は着たままでいい、湯に入れよう」


 肌には裂傷などがないことを確認すると、カールの指示でアルバンは客室に運ばれていく。マーヤは硬い表情のまま、カールについて客室に入った。


 急いでバスタブに湯をためる。給湯設備が整っているホテルを開放したのは賢明だった。指示した市長は、物事がよく見える人なのだろう。町の男たちの手で、アルバンは服を着たまま湯の中に入れられた。


「マーヤ、容体を見ていてくれ。わしは他の人たちの様子を見てくるから」

「え、先生!」

「その人が目を覚ました時、わしよりマーヤがいた方がうれしかろう」

「罵声を浴びせられるかもしれません」


 カールは穏やかな顔で言った。


「マルレーンにまだ言っていないことを、墓場まで持っていくか、真実を伝えるか。判断の最後のチャンスが来たんだよ」

「……わかりました」


 パタン、と客室の扉が閉じられた。カギはかかっていない。いつでも、出られるし、入ってくることができる。意識がない状態で湯に入れるのは、本当は危険な行為だ。だから、誰かが見張っていなければならない。新しい湯を足しながら、体が温まるのをじっと待つ。時間が長く長く、永遠のように感じられる。


 別れて、4年半。21歳だったマーヤも25歳。同じ年齢のアルバンは、もう誰かと結婚しているだろう。指輪はしていなかったが、海の中に落とした可能性もある。マーヤはアルバンの顔がバスタブに沈まぬように見張りながら、そっとその手を握った。


 本来のアルバンの体温を考えれば、まだまだ冷たい。


 お願い、アルバン様。目を覚まして。


 しばらくすると、男たちがまた客室にやって来た。アルバンの体温が少し上がったのを確認するとバスタブから引き揚げて着替えさせ、ベッドに運んでくれた。


「病人の着替えなんぞ、看護師なら慣れているだろうが、一人でベッドに運ぶのは無理だろうからさ」


 この町の人は優しい。誰かが困っていれば、10人はすぐに走り寄って助ける。この港町が漁港だけだった時、貧村だったらしい。その時の名残で、今でも助けあうことが当たり前となっており、助けない者は人扱いされないほどだ。


 寝衣でベッドに横たわるアルバンの枕元で、マーヤは朝まで付き添った。途中で一度カールが様子を覗きに来たが、「そのままついているように」と言われたので、指示に従った。


 マーヤは、思い出していた。


 戦争が起きて、マーヤたち町医者の所で働く看護師にも従軍の命令が来たこと。

野戦病院に運び込まれたアルバンと出会ったこと。

ノブレス・オブリージュとして、伯爵家嫡男でありながら前線に立って戦い、傷ついたアルバンを何度も看護したこと。

甘酸っぱい気持ちが芽生えていったこと。

戦争が終わった時、自分の思いに蓋をすべく、ただ「さようなら」とだけ告げて別れたこと。

町医者の元に戻った後で偶然アルバンと再会し、二度ほど一緒に食事に行ったこと。

アルバンから思いを告げられ、平民と将来の伯爵という身分の差を思い知ったこと。

最後の思い出にとアルバンと一夜を共に過ごし、逃げ出したこと。


「マーヤが夢に出てくるなんて……」


 思いにふけっていたマーヤの耳に、かすれたアルバンの声が聞こえた。


「アルバン様」


 アルバンの手が一瞬ためらった後、マーヤの腕をつかんだ。


「会いたかった……」


 はっとしたマーヤの目に、涙が盛り上がっていく。あんな別れ方をしたのだ。アルバンだってきっとひどく傷ついたことだろう。だが、このままアルバンが目覚めるまでここにいるわけにはいかないと気づいた。貴族の私生児は、貴族孤児院に強制的に収容されるのが故国の法律だ。嫡出子と非嫡出子、恋愛と責務を厳密に分けているのは、貴族とは民の模範であるべきと考える初代国王が定めた典範に由来する。恋愛を否定するのではない。恋愛至上主義によって理不尽に虐げられる存在を、法的に守るためのものだ。そして、非嫡出子を産んだ女性もまた、婚外恋愛の罪専門の収容施設に入れられ、二度と出られないことになっている。


 というのも、初代国王の妃が、他の女性に懸想した婚約者から捨てられた経験があったからだ。ずっと片想いをしていた相手が捨てられたと聞いた瞬間に失意の女性に駆け寄り、恋愛しか考えられなかった元婚約者を打ちのめし、それを咎めた王家を「理にかなわない」として滅ぼしてしまったほどの人なのである。それもある意味では恋に溺れたということではないかとマーヤは思うが、ただ一人だけに誠意を尽くす点は大きな違いだろう。


 マーヤは再び眠ってしまったアルバンの手をぎゅっと握った。かすかに握り返されたような気がする。マーヤは頭の中で段取りを組んだ。そして、そっとアルバンから手を離した。


「ごめんなさい、アルバン様」


 マーヤはいまだ雨と風が収まらない夜道を、マルレーンとハンナが待つ家へと急いだ。そして、眠っているマルレーンに雨に濡れないよう雨合羽を着せると、自分も雨コートを着てマルレーンを抱っこ紐でしっかりと自分に縛り付けた。そしてお金だけ持って、ハンナの部屋から明かりが消えるのを待ち、静かに家の扉を開け、鍵を郵便の取り込み口から中に投げ入れた。


 おどろおどろしい闇夜に、時々稲光が走る。マーヤは静かに町を立ち去った。


 十年後。マルレーンは母の葬儀を終えると、幼少期を過ごしたあの港町に向かった。もうカールとハンナもいないはず。マルレーンは、マーヤから自分が誰の子であるか、そしてどんな風に育ったのか、聞かされていた。


カールとハンナがなくなっていたのなら葬儀に参加したかったが、自分は顔向けできない。だから、お母さんが死んだら、二人の墓前に花を供えてほしい。そして、あの海にお義母さんを返してほしい。


そんな母マーヤの遺言通りに指定された港町のある場所に立つと、マルレーンはそこで自分がどんな風に遊んでいたか、まるで記憶の蓋が開いたかのように次々と思い出していった。


建物の中から人が出てきた。中年のその男性は、マルレーンを一目見ると「マーヤ」とつぶやいた。

「母をご存じですか?」

「母……」


 男性が頽れた。奥から老女が出てきた。


「え、マルレーンかい?」

「もしかして、ハンナおばあちゃん?」

「ああ、マルレーン、会いたかった! この10年どこで何をしていたんだい?」

「母に連れられて、一つ北側の国にいました」


 頽れたままの男性を放置して、マルレーンはハンナに抱きついた。


「カールおじいちゃんは?」

「あの人は、もういないよ。3年前、マーヤとマルレーンに会いたいって言いながら亡くなったからね」

「ごめんなさい」

「いいんだよ」


 中に入ろうとしたマルレーンを、男性が止めた。


「お母さんは?」 

「母なら、先日亡くなりました。遺骨を海にまいてほしいと言われたので、こちらに来たのです」

「マーヤが、死んだ?」

「どうして母の名を?」


 あ、そうか、さっきハンナおばあちゃんと話していたからか。


 そう思ったマルレーンは、次の言葉に腰が抜けそうなほど驚いた。


「自分は……おそらく、君の父親だ。マーヤに二度も置き去りにされた、間抜けな男でもある」


 驚いたが、思いのほか言葉は滑らかに出てきた。


「母から聞いています。伯爵になる方と平民では身分が釣り合わない、私を婚外子にしてしまって申し訳ないと」


 男性とハンナ、そしてマルレーンは元医院の中に入り、マルレーンが語るマーヤのその後を尋ねた。そして、マルレーンもハンナたち夫婦とアルバンについて聞きたがった。


「つまり、マーヤは法律を恐れて自分から離れたというのか」

「そうです。そうでなければ、私と引き離されてしまうからと」

「そうか……」


 アルバンの話によれば、マーヤをずっと探していたのだそうだ。


「婚外恋愛者収容所も、貴族孤児院も、10年前に対象が『婚約・結婚している貴族と恋愛した者』に限定されたんだ。婚外恋愛を肯定するわけではなく、貴族が手籠めにして望まぬ妊娠をさせられた女性までも罰せられるのはおかしいのではないかという話から、自分たちが草案を作り、国王に法律の変更を認めさせたんだ。これでマーヤを迎えに行けると思った自分は、この町でマーヤに再会できた。だが、目が覚めた時、マーヤはいなかった。マルレーン、君もいなかった。連絡があるかもしれないからと、カール先生とハンナさんに頼んで、時々ここに来ていたんだ」


 マーヤであれば、それでも身を引いただろう。いつも「パパはもうお星さまなのだ」と言っていたのだから。


「私を連れて行こうとか、娘として認知しようとか、そういうことは考えないでくださいね」


 アルバンの体が硬くなるのが分かる。


「私には自由に生きてほしい、貴族制度のない世界で、身分違いの恋などと言われなくても済む場所で幸せになってほしい、母はいつもそう言っていました」

「そう、なのか」

「はい。だから、年に一度、母の命日に、ここにきて母の思い出話をしませんか」

「いいのか?」

「はい。ハンナおばあちゃん、いいでしょう?」

「私が生きている間は、そうしましょうかね」


 お母さん、お父さんはお母さんのことを本当に愛していたみたいだよ。

 逃げなくてもよかったらしいけれど。

 

 翌日、アルバンとマルレーンは漁師に船を出してもらった。一目で親子と分かる、深い紺色の髪が二つ、何も語らずに骨壺から肺のように細かくなった骨をまいた。隣から嗚咽の声が聞こえた。マルレーンは、海に向かって呼びかけた。


 お母さん、いつかお父さんと、また出会って、今度こそ二人で一緒にいられるといいね。その時には、私がまた娘として生まれてもいいかな?


 海は何も言わない。ただ静かに、船を優しく揺らすばかりだった。


いつもは、その和歌に至るまでの内容を妄想して書きましたが、今回はその和歌の内容の後のことを妄想してみました。


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