赤い涙
瞬きするのも痛かった。
朝起きると目は真っ赤に腫れていた。
昨日の記憶を探ってもわからなかった。
鏡の前に立つ。
真っ赤な目から赤い雫が流れる。
悪魔になったのかな…
人間じゃなくなったのかな…
怖いより答えを探した。
目から流れる赤い雫は絵の具みたいにさらさらして
私の心に流れる。
沁みるわけでもない。
吸うわけでもない。
流れる真っ赤な雫を拭いた。
スーッと線が残る。
私は泣いていた。
真っ赤な雫は私の涙だった。
透明な涙が私の生命力で赤くなる。
泣いてしまったことは消せない。
泣くことは100%悪いわけじゃない。
目の腫れは強くなるためのもの。