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桐葉と育雄の倒し方

登場人物紹介

龍崎早百合りゅうさきさゆり 一般人?

 主人公たちの上司で最初は総務省異能部部長だったが、その後、異能部が異能局に格上げとなり、局長に収まる。

 唯一の大人キャラでバストは作中随一のサイズ。

 本作がアニメ化したらこの人の同人誌がモリモリ作られる気がする。


坂東亮悟ばんどうりょうご アイスキネシス

 体から氷を発生させる能力。氷結能力じゃない。ワンピースでいうとヒエヒエの実じゃなくてユキユキの実。読者からの人気が高いのでまた出してあげたい。

 大丈夫、書籍版ではガッツリ出るよ。

―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—

―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—

 仕事終わり。俺がいつものように警察署へテレポートすると、エントランスには、真理愛たち警察班が集まっていた。


「みんなお疲れ。今日も大変だったな」

「はい。本日は警察からの要請で、芸能界とスポーツ界の麻薬使用者を全員念写でリストアップ致しました。今日中には、全員逮捕される運びです」

「やれやれ、またメディアが大騒ぎだな」


 真理愛が無表情のまま胸を張ると、麻弥を連れた舞恋が補足した。


「でも、そこから売人や密売組織も芋づる式に逮捕できれば、日本から麻薬を撲滅できるかもしれないよね」

「真理愛は凄いのです」


 舞恋に抱き上げられ、リフトアップした麻弥は、真理愛の頭を撫でまわした。可愛い。


「もう真理愛、完全に業界掃除人だな。まっ、これでヤクザとの癒着もなくなって、芸能界の健全化が進むだろうな」


 そこへ、早百合局長から連絡が入った。


 メッセージを開けると、俺、美稲、詩冴、伊集院、真理愛、桐葉の6人で、局長室へ来るようにとのことだった。


「ハニーさん」

「ああ、俺も受け取ったよ。もしかしたら、OUのことで何か分かったのかもな。伊集院」

「僕ならここに」


 真理愛のことが好きな伊集院は、すぐ近くにいたらしく、すぐに駆け寄ってきた。


「まだ僕の予知には何も引っかからないけど、情報が多いほど、予知は正確になる。すぐに行こう」


 頷いて、俺はみんなと一緒に総務省へテレポートした。



   ◆



 一度総務省の講堂へ行き、詩冴と美稲を連れてから、俺らは局長室を尋ねた。


 ノックの後に入室を促されてドアを開けると、中では早百合局長が椅子に座り、厳しい表情で待ち構えていた。


「諸君、よく来てくれた。早速だが、本題に入らせてくれ」


 最後に入室した真理愛が局長室のドアを閉めたことを確認してから、早百合局長は改めて口を開いた。


「先程、真理愛が念写してくれたOUの機密文書の解析が終わった。連中の目的は、貴君ら四天王の拉致だ」


 暗殺、ではなかったことに安堵するが、気を緩められる余裕も無かった。

 早百合局長が言葉にしたことで、むしろ一層身が引き締まる思いだった。


「当たり前ですけど、それは犯罪ですよね?」

「無論だ。しかし、他国民の拉致、サイバー攻撃、スパイ活動、威力偵察を兼ねた意図的な領海領空侵犯。他にも国家ぐるみの犯罪はいくらでもある。ある意味、国家ほど犯罪行為を重ねる存在もないだろうな」


 冗談には聞こえない険しい声音で、早百合局長は皮肉気に口元を歪めた。


「でも早百合ちゃん。ハニーちゃんのテレポートなら拉致られても戻ってこられるんじゃないっすか? それにボディガードの桐葉ちゃんもいますし」

「残念だけど詩冴、ボクは強いけど無敵じゃない。一キロ先から対物ライフルで狙撃されたら防げないよ」


 戦闘モードに入った証拠のクールな表情で、桐葉は淡々と告げた。


「ボクが敵なら、対物ライフルでボクを殺したあと、ハニーに麻酔弾を撃ち込むね。意識がなければ、テレポートのしようがない」

「桐葉の言う通りだ。リングとゴング付の戦いなら、俺のテレポートは無敵だけど、奇襲には対応できない」

「奥井育雄の言う通りだ」


 悔しそうに歯噛みしながら、早百合局長は息をついた。


「だが、現状打てる手は、OU国民の入国審査を厳しくするぐらいだ。他にも貴君らに本格的なSPをつけることも考えたが、貴君ら自身のほうが遥かに強い上にそんなことをすれば余計な混乱を招いてしまう」

「じゃあ詩冴たちはどうすればいいんすか?」

「貴君らには不便をかけるが、人気のない場所での単独行動は控えてくれ。向こうも、人混みの中では迂闊なことはできないだろう。その間に、OUが貴君らの拉致を諦めるよう仕向ける」

「そんな都合のいい方法があるんですか?」


 俺の問いに、早百合局長は苦し気な表情で答えた。


「難しいが、日本の国力を高めること、捜査能力を見せつければあるいはな。OUも邪魔な外国の要人を片っ端から狙っているわけではない」


 鋭く手を差し出すと、指を三本立てた。


「ひとつは日本の国力を高めること。経済制裁などの報復を恐れて手を出さなくなるだろう。もうひとつは捜査能力を見せつける事。国家ぐるみの外国人拉致を世界に公表すれば、OUは国際社会からの信用を失ってしまう。最後は、貴君らを総理大臣並のVIPにすることだ。向こうも、一国の大臣クラスの拉致までは考えないだろう」


 つまり、連中は俺らを、高校生如きどうにでもなると、甘く見ているってことか。


「捜査能力は、真理愛の念写能力を世界に公開するかどうかだな。伊集院秀介。確認だが、貴君の予知にはまだ引っかからないのだろう?」

「はい。逆を言えば、24時間は無事ということです」


「ならいい。来週からの夏休みだが、貴君らはできるだけ人の多い場所で遊んでくれ。若い貴君らには大変だろうが、くれぐれも人気のない場所でしっぽりしないように」

「なんで俺を見つめながら言うんですか?」


 俺はしかめ面を返してやった。


 早百合局長は、さっきまでも表情が嘘のように悪い顔をしていた。


「それは貴君がハーレム王だからに決まっているではないか」


 早百合局長が展開したMR画面には、とあるネット掲示板が表示されていた。

 それは、俺へのハーレム王疑惑を追及する掲示板だった。


「んが!?」


 思い出した。

 そういえば、テレビ収録のとき、真理愛は言った。


「そうですシサエさん。いつもと違い、収録中は育雄さんのことをハニーさんと呼ばないとみんなで約束したではないですか」


 真理愛が口にした「いつもと違い」「みんなで約束」このふたつのワードのせいで、俺は普段からみんなからハニーと呼ばれている疑いをかけられているらしい。


「真理愛ぁあああああああああああああ!」

「はい真理愛です」


 悪びれる様子もなく、無表情無感動に真理愛は手を挙げた。

 その反応に、早百合局長はごきげんだった。


「だが実際ハニーと呼ばれているのだろう?」

「ぐっ、よしみんな! 今日から俺のハニー呼びを禁止する! 名前で呼ぶんだ!」


 途端に、美稲や舞恋たちが頬を染めた。


「え? いまさら名前で呼ぶなんて恥ずかしいよ」

「ハニーで慣れると、逆に、ね」

「ボクはホントにハニーなんだからいいじゃない!」

「シサエはハニーちゃんて呼びかたが好きっす♪」

「可愛いのです」

「皆さんがハニーと呼ぶのなら、私も皆さんにならいハニーさんと呼びます」

「女子の団結力ぅ!?」


 頭をかかえて叫ぶ俺の肩を、茉美が叩いた。


「【育雄】、諦めなさい」真顔。

「くそぉっ! 茉美がイイ女に見えるぅ!」

「どういう意味よぉ!?」

「ぎゃああああああ! ヘッドロックはやめろぉおおお!」


 右側頭部に感じる茉美のおっぱいが気持ち良すぎて、俺は前かがみになりながら悲鳴を上げた。

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