GHカップ合計5200gだがJカップは単独で5000g
幸せの重量感に目が覚めた。
まだ目も開かないまどろみの中、それは確かにあった。
胸でやわらかく押し潰れながらずっしりとのしかかるこの感触はおっぱいだ。それも、特大の。
しかし妙だ。
重量感があり過ぎる。
いつも一緒に眠っている桐葉の倍近い。
――そういえば詩冴が言っていたな。
「Gカップの重さは左右合わせて2200グラム、Hカップは3000グラムっす♪」
きっと、また美稲と桐葉が俺の上にのしかかっているのだろう。
おかげで、下半身では邪悪な波動がバッキバキに放たれている。
「あのな桐葉に美稲、いくら一緒に寝るのがOKでもあんまり挑発されると明るい家族計画が――」
まぶたを開けて言葉を失った。
目の前にあったのは、桐葉のクールビューティーな笑みでも、美稲の柔和な笑みでもなかった。
そこには、オトナの色香あふれる早百合さんの美貌が、妖艶に微笑みかけていた。
「Jカップは5000グラムなのだが、お気に召してもらえたかな?」
「~~~~~~~~~~ッッッッ!!?」
最後のウィンクに下半身が跳ね上がった。
黒のナイトブラに包まれた早百合さんのJカップが凄すぎた。
何が凄いって、もう全てがだ。
桐葉のHカップとは2カップ差なのに、その重量は1・66倍。
性的刺激は左右のおっぱいだけに二乗の2・75倍はありそうだった。
「どうやら、大満足してもらえたらしいな。しかし、貴君の寝相はすごいな。まさか無意識であれほど激しく、いや、これは伏せておこうか?」
「えっ!? あの、まさか一線は越えていませんよね!?」
桐葉ともまだなのに、早百合さんで童貞を卒業していたら、申し訳なさすぎる。
「心配せずとも、互いに下着は履いているぞ」
言って、早百合さんは俺の手を取ると自身の腰あたりに当てた。
確かに、そこには早百合さんの下着の腰部分があった。
どうやら、早百合さんは下着姿で俺におおいかぶさっているらしい。
安堵と同時に、衝動的な欲望が湧いてきた。
このままこの下着をつかみ、下ろしてしまえば、早百合さんのダイナマイトボディ最大の秘部があらわになる。
早百合さんの全裸は、前に一度拝んだことがある。
その時の衝撃と幸福感が蘇り、俺に千本の魔が差してくる。
俺の左手の指が一本、また一本と早百合さんのショーツにかかっていく。
それを、早百合さんは悪い笑みを深めながら黙って受け入れてくれる。
むしろ、脱がせやすいよう、ちょっと腰を浮かせてくれた。
なんという初めての共同作業だろう。
このまま、早百合さんの下着を脱がし捨て、ブラも剥ぎ取り、すべてをさらけ出した早百合さんのカラダにY染色体由来の本能的な衝動のスベテをぶつけられたら、どれほどの快楽が待っているのだろうか。
めくるめく極楽浄土への片道切符を手にした俺は、たとえその先に悪魔的破滅が待っていようと構わないという判断が支配的になる。
いまや、俺の下半身と両手両腕と口顔面は、全存在と野望をかけて理性を崩しにかかっていた。
何をしているんすかハニーちゃん。全男子の夢が野望が約束された世界の全てがそこにあるんすよ! 何をためらう必要があるんすか!
俺の中の悪魔担当が詩冴なのは気にしない。
長身ロングヘアーの爆乳爆尻美女が裸でOKサインを出しているんすよ! 冷静かつ論理的に考えて本能の赴くままにバーストしない理由がないっすよ!
――だ、だよな。
けれど、そこで白い天使の格好をした少女が現れた。
ハニーさん、やっぱり大きな胸が好きなのですね。私のDカップでは、いけないのですね。
真理愛!?
もちろん、現実の真理愛はここにいない。
けれど、記憶の中の真理愛が、彼女がこの場にいたらこういうに違いないという俺の妄想が、8K120フレームの高解像度で真理愛の幻影を作り出す。
天使のコスプレをしたイマジナリー真理愛は、いつもの無表情無感動な美貌を歪ませ、悲し気に肩を縮めた。
――ぐぅっ、だ、だめだ。もしもここで溢れんばかりのおっぱい欲を欲しいがままにすれば、真理愛を悲しませてしまう。それだけは、真理愛に涙を流させることだけはしてはいけない。きっと麻弥たんだってそう言うに決まっている。
「ハニーは大きなおっぱいが好きなのですか?」
――ほら、こうして制服姿で麻弥たんの妄想まで言っているじゃないか。うしろでは茉美が真っ赤な顔で拳を震わせているし……。
「あ、ん、た、は~~~~」
茉美が右ストレートの構えで拳を引いた。
「死ねぇえええええええええええええええええええ!」
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ!」
本物の茉美だった。
となりでリアル麻弥たんが首をかしげている。
俺の意識が刈り取られる直前、薄れる視界では麻弥たんが早百合さんのおっぱいに顔をうずめて幸せそうだった。
いいさ。
麻弥たんが幸せながら俺はいいのさ。
満足しながら、意識が薄れていった。




