表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

282/357

8人目の嫁はJカップ爆乳美女で確定!

 選挙でお馴染みの樽酒を割り、メディアの取材に答えて、候補者や支援者の皆で祝賀会を終えた深夜。


 なんだか懐かしく感じる我が家の自室、ベッドの上に俺は寝転んだ。


 風呂も歯磨きも済ませて、あとは寝るだけだ。


 けれど、興奮して寝れそうにはなかった。


「早百合さん、当選したんだよな」


 早百合さんのカリスマ性とリーダーとしての資質は本物だ。


 しかも、党員は皆、優秀な人材ぞろいだ。


 醜いしがらみとは無関係で、皆、早百合さんを支持している。


 これからの日本がどれだけ改革されるのか楽しみで仕方ない。


 すると、部屋のドアが開いた。


 桐葉が来たのかと思って首を回すと、暗闇に映る影は桐葉よりも背が高く、胸が一回り以上も大きかった。


「奥井ハニー育雄」


 その呼び方に、俺はベッドから跳ね起きた。


「早百合さん!?」


 あんなことがあったばかりなのに、男子の寝室に来るなんて不用心すぎると、俺はスキャンダルに怯えながらもすぐに気づいた。


 そもそも、世界のVIPたちからのお墨付きをもらい、俺と早百合さんが付き合っていてもいいだろうというのが今の世論だ。


 気にすることはないのだろう。


「ど、どうしたんですか?」


 それでも、俺は大いに緊張しながら尋ねた。


「いや何、貴君には確認しておきたいことがあってな」

「確認したいこと?」

「うむ。昨日の記者会見で貴君が私にした告白についてだ」


 顔が熱くなる。


 作戦とはいえ、全国中継で告白をしてしまった。


 今にして思うと、あまりにも大胆過ぎた。


「いや、その、ですね、あれは」

「わかっている。カメラの前だからな、嘘をついた」


 ――良かった。わかってくれているんだ。


 俺は胸をなでおろした。


「そう、2年と待たず、私はOKだ!」


 ――えぇえええええええええええええええええええええ!?


 俺が驚天動地していると、早百合さんはベッドに座り、俺と距離を詰めてきた。


「年が明ければ私は25歳、四捨五入してもタメではなくなる。口説くなら、今が最後のチャンスだぞ?」


「なな、何を言っているんですか!? 早百合さんを口説くなんてそんな!」


 早百合さんの美貌が迫り、俺はますます心臓が高鳴った。


 重量感溢れる爆乳の圧力が、空気越しに伝わってきてイケナイ衝動が湧き上がってくる。


 ――俺の馬鹿! 女の人をそういう目で見るなんて最低だぞ!


「貴君は私のことが嫌いか? ちなみに私は好きだ」

「あぎゅんっ!」


 変な声が漏れてしまった。


 でもこれは不可抗力というやつだ。


 早百合さんのような絶世の美女に愛を告白されて、冷静でいられるわけがない。


「それは、でも、早百合さんは凄い美人で惹かれますけどでも男女はもっとこう、内面を重視すべきで、あれでも早百合さんは優しくて頼りになってじゃあ問題ないのか?」


 一人で勝手に外堀を埋め尽くしてしまった俺は、いっぱいいっぱいのところで己が欲望と戦った。


 俺が一番好きなのは桐葉だ。


 けれど、愛欲と肉欲は別というか、早百合さんと正式に付き合ってしまったら、俺は今度こそ自分を抑えられないかもしれない。


 そうして俺が懊悩していると、早百合さんは不敵に笑った。


「私が他の男に盗られてもいいのか?」


 その一言で、俺は自分の気持ちを自覚した。


 早百合さんが他の男に抱かれる姿を想像して、嫌な気持ちになる。


 独占欲。


 つまり、俺は早百合さんのことが好きなのだ。


 俺の表情から気持ちを察したらしい。


 早百合さんは満足げに口角を上げた。


「愛しているぞ、ハニー」


 その一言で、俺の理性は千切れた。


 性欲に負けたと言う意味ではない。


 早百合さんと恋仲になりたいという衝動を、抑えられなくなったのだ。


「大好きですよ、早百合さん」


 言って、俺は彼女を抱き寄せてくちびるにキスをした。


 早百合さんの口内は熱くて、舌を入れると彼女のぬくもりを強く感じることができた。


 胸の中に多幸感が湧きあがり止まらなかった。


 俺は目をつぶる余裕もなく、瞳と瞳を合わせながら、早百合さんと抱き合い、互いのくちびるを求め続けた。


 しばらくして顔を離すと、早百合さんは満面の笑みを見せてくれた。


 それは、普段は勇ましい彼女が決して見せない、少女のような表情だった。


 その顔を見られたことにかつてない充実感と達成感を享受して、俺はさらに幸せな気分だった。


 だから、俺はかねてより早百合さんが俺に懇願し続けていたお願いを聞くことにした。


「ふふ、貴君のおかげで、やっと青春を始められそうだ」

「そうだな。これからよろしくな早百合ちゃん」


 早百合さんの頬がちょっと赤くなる。


 それから、くすぐったそうに頬を緩めて体重を預けてきた。


 俺はベッドにばたんと押し倒されてしまう。


「愛しているぞ、ハニー」

「それはさっき聞きましたよ」

「あえてだ。何度でも言ってやる。愛しているぞ、ハニー」


 そう言って、今度は早百合さんの方から俺にキスをしてくれた。


 俺は今、世界一幸せな自信があった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ