龍崎早百合 選挙に出馬する?
忘れた人のためのキャラまとめ
・奥井育雄 テレポート ハニー以外の呼び方をされない主人公
・針霧桐葉Hカップ
・内峰美稲Gカップ
・枝幸詩冴 Eカップ
・恋舞舞恋Gカップ
・有馬真理愛Dカップ
・山見真弥 幼乳
・三又茉美Fカップ
・龍崎早百合Jカップ(ハニーと結ばれたら1年でKになる)
・キジムナーちゃん 幼乳
・貴美美方Fカップ ヴォルケーノ 残念お嬢様
・貴美守方唯一の男友達 ハイドロ 眠そうな美形
・琴石糸恋Hカップ アラクネ 奈良弁が可愛い
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「龍崎、次の衆議院選に出馬したまえ」
ハニーが糸恋に可愛いおねだりをされている頃。
龍崎早百合異能大臣は、与党の政党本部、その総理大臣執務室に呼び出されていた。
「私はすでに異能大臣ですが、何故ですか?」
机の向こう側で、高そうな椅子に座る総理へ言った。
「総理もご存じかとは思いますが、大臣は総理が自由に指名することができます。極論、総理が指名すれば五歳の子供でも大臣になれます。大臣の半分は国会議員である必要があります。しかしながら、私以外の大臣は皆国会議員ぞろい。一般人枠には余裕があります」
厳格な態度でキビキビと告げる早百合に、総理はいやらしい顔で答えた。
「それはそうだがね龍崎くん。やはり国会議員かつ大臣のほうが通りがいいんだよ。これでも、他の議員からの攻撃を抑えてあげているんだよ」
――24歳の非国会議員女子が大臣をすることに難色を示す老害が多いということか。
「なるほど、つまり取られる上げ足を無くせと」
「そうそう、流石に賢いね。話が早くて助かるよ」
媚びる、というよりも、親戚の祖父が幼い孫娘をほめるような、どこか下に見た言い方だ。
「昔は25歳以上でないと出馬できなかったが、昨今の法改正で今は衆議院議員は20歳から出馬できる。被選挙権というやつだね」
――この男は私をバカにしているのか?
被選挙権ぐらい、早百合も知っている。
総理の、どこか人を下に見た態度にはイラつくも、早百合は努めて冷静に振舞った。
「これは君にとっても悪い話じゃない。政治家として経験を積み、人脈を作れば20年後、君は日本初の女性総理になれるだろう」
両肘を机について、総理はニヤァリと悪徳高利貸しのような顔で見上げてきた。
総理は馬の前に極上のニンジンをぶら下げたつもりなのだろうが、早百合の心はこゆるぎもしなかった。
――20年。それはつまり、現在70歳の貴様が90歳になり政治家を引退するまで与党を支えろということか。
ふざけた話だと、早百合は心の中で一笑にふした。
「過分な配慮、痛み入ります。では、急ぎ異能省に戻り準備をしながら解散日を待たせていただきます。相談したい相手もいますし」
「ああ、君の子飼いたちか。彼らの人気は凄いからね。むしろ、彼らの上司というだけで当選できるんじゃないかな? 君がいてくれれば我が政党は安泰だよ。はっはっはっ」
総理は一人で勝手に盛り上がる。
「時に、選挙後も首班指名は総理でよろしいのですか?」
「うむ、私は来期も続投する。やはり今回の経済再生とあのボンクラ日銀総裁を退治したことが効いたようだ。今、与党内に私に逆らうような阿保はいないよ」
――私情と忖度で日本経済を破綻させた挙句、高校生に尻ぬぐいをしてもらっておきながら自分の手柄面か。ダブルスタンダードよりたちが悪い。度し難いにも程がある。
「まっ、これも君の才能を見出し採用し、厚遇した私の手腕の賜物だよ、ははは」
有頂天になる総理を前で、早百合はクールな営業フェイスの下に殺意をたぎらせた。
◆
その日の仕事終わり。
俺、桐葉、美稲、詩冴、真理愛、麻弥、舞恋、茉美の8人は、いつものように早百合さんの執務室で日本改革の進捗状況を聞いていた。
執務席に腰かける早百合さんは勇ましい女傑然とした美人で、24歳と若いものの今日も威厳たっぷりだ。
力強く背筋を伸ばし、要塞のような爆乳は机に乗せることなく、自立させている。
俺らはソファに座りながら、早百合さんの言葉に耳を傾けていた。
「現状は全て順調だ。内峰美稲が作り出したダイヤモンドパーツを使い開発されたダイヤモンド半導体、そしてそれを使用した6G通信用基地局は全国に1万以上設置済みだ。札幌、仙台、首都圏、名古屋、京都、大阪、広島、福岡では問題なく機能している」
「あれ? 四国は?」
「四国は全体的に設置しているから、特にどこかの県に集中しているということはないな」
――言われてみれば特にどこかが一位ってわけじゃないかも。
うどんの香川、みかんの愛媛、阿波踊りの徳島、坂本龍馬の高知、というイメージはあって、どこかが突出していない気がする。
「桐葉、今日の晩御飯はおうどんが食べたいのです」
「外食とボクの手作りどっちがいい?」
「桐葉のがいいのです」
麻弥が桐葉に甘えている。
麻弥たんめ、さっそく頭の中が四国になっているな……。
「問題があるとすれば、円高だな」
完璧にセットされた長い黒髪を手で払ってから、早百合さんはわずかに声を硬くした。




