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生徒会長選挙

 忘れた人のためのキャラまとめ

奥井育雄おくいいくお テレポート ハニー以外の呼び方をされない主人公

針霧桐葉はりきりきりはホーネット 料理のできるセクシーヒロイン

内峰美稲ないみねみいなリビルディング 落ち着いたお姉さん系

枝幸詩冴えさししさえ オペレーション ハイテンションエロ

恋舞舞恋こいまいまいこサイコメトリー 地味子だけど頑張る

有馬真理愛ありままりあ念写      ポンコツクール

山見真弥やまみまや  探知      ロリ 通称まやたん

三又茉美みつまたまつみヒーリング   暴力系ヒロイン

龍崎早百合りゅうさきさゆり無し    世紀末覇王

・キジムナーちゃん 沖縄旅行から真弥についてきた。実は同居中。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 一時間後。


「無茶し過ぎ」


 俺と美方は、病院のベッドの上で茉美に怒られていた。


 茉美は俺らのベッドの間に立ち、右手で俺の、左手で美方の火傷を治療してくれる。


「それはそうと二人同時に治療できるのな」


「まっ、伊達に医療班のエースをやってませんから」


 えへん、と得意げに胸を張る茉美に、俺は苦笑した。


「でも美稲を守るために頑張ったのはポイント高いわよ。あとでいっぱいいいこいいこしてあげるわね」


 明るくて甘い、とびきりの笑顔に男心がキュンときた。


 普段は剛毅な茉美だけど、俺が頑張った後はいつもデロデロに甘やかしてくれる。


 それがたまらない。


「でも本当に凄い治癒能力ですわね。痛みが嘘のように引いていきますわよ」


 さっきまでは全身に火傷を負っていた美方だが、まるで赤い水彩絵の具を洗い流すように、みるみる肌色を取り戻していく。


 患者着の袖をまくり、自身の白く艶やかな肌に美方は大満足の様子だ。


「ふっふーん。肌は女の子の宝物。キレイにしておかないとね。あ……」


 茉美がはじけるような笑顔を曇らせると、美方は自身の頭皮を撫でた。


 彼女のトレードマークである黒髪縦ロールは、その左側が失われ、右側も短くなっている。


「ごめん。あたしのヒールって、毛根も治せるんだけど、髪そのものは生やせないんだ……」


 髪や爪を切っても、それはケガではない。


 ヒールで髪を伸ばせなくても、仕方ないだろう。


 それでも、美方は落ち込むことなく、静かに首を横に振った。


「構いませんわ。髪は伸びますが失われた友は帰ってきません。親友よりも大切な髪なんてありませんわ」


 美方の気品あふれる笑みに、俺はあらためて、貴美美方という少女の本質を垣間見たような気がした。


 ――糸恋には悪いけど、生徒会長は美方で決まりだな。


 そう思った矢先、病室のドアが開いて、糸恋や桐葉たちが次々入ってきた。



「ハニーもう大丈夫? 痛かったらボクが癒してあげるね♪」

「ハニー君、美方さん、ごめんなさい、私の為に!」

「ハニーちゃん、茉美ちゃんとエロいことしちゃだめっすよ」

「ハニーさん、お世話は私にお任せください。お食事から下の世話まで致します」

「ハニーくんの下の!? え、それつまりはハニーくんの、ふゃぁぁ……」

「ハニー、がんばったのです。偉いのです」

「ハニー! 此度の働きは見事だ! このことは貴君の偉人伝に載せよう!」

「ハニー、美方、どえらい無茶しはったな、もうこないなことしたらあかんで!」


「はにーくん、お見舞いに来たよ」



 ――最後の守方に一番安心する……。



 一瞬、なんで守方は女子じゃないんだろうと思ったのは内緒である。


「みんなありがとうな。でも今回のMVPは美方だ」

「い、淫獣に褒められても嬉しくありませんわ」


 俺が視線を投げると、美方は真っ赤な笑顔を両手でおおいながら体をくねらせた。


 ――チョロい。


「ところで今から学校へ行けば選挙演説に間に合いますかしら?」

「美方さん、その体で出る気なの!?」


 彼女を気遣いながら、美稲は悲鳴を上げた。


「当然ですわ。美稲、貴女たちに散々協力してもらって、休むわけにはいきませんわ。もちろん糸恋、貴女も一緒に行きますわよ」


 ケガが治ったとはいえ、激痛による精神的消耗を感じさせない笑みで、美方は誘った。


 けれど、糸恋は静かに美方のベッドへ歩み寄ると、驚きの言葉を口にした。



「ウチは辞退するわ」



 俺も、美方も、みんなが呆気に取られていると、糸恋は恥じ入るように語り始めた。


「ウチな、ハニーたちから美見ちゃんのこと聞いた時、心配はしたけど自分も助けに行こうなんて思わんかった。けど、美方は真っ先に名乗り出た。大使館で睡眠ガスにやられた時も、ウチはこれでもう終わりやて諦めたのに、美方は全身を根性焼きしてまで戦こうた。それで思うたんや」


 晴れやかな顔で、糸恋は嗤った。


「こういうお人が上に立つべきやって」


 だから生徒会長を頼むと、素直に美方に託した糸恋の潔さに魅せられた。美方だけじゃない、糸恋も、人の上に立てる逸材だと、そう思わされた。


 ライバルの申し出を、美方は快く引き受けた。


「わかりましたわ。では、皆さんにもそう説明しましょう。ですが、これまで応援してくれた方々には申し訳ありませんわね。こんな土壇場で選挙自体がなくなってしまうなんて」


 らしくもなく、申し訳なさそうに美方が俺らを一瞥した。


「あーそれなんだけど俺から提案がある」

「「え?」」


 まばたきをする美方と糸恋に、俺は提案した。


「お前らふたりで生徒会やれば?」


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 以前、本作について、超能力に目覚めた少年少女が異世界の敵と戦う話だと思って読んだら全然違った。というコメントがあったので。

 もしもスクール下克上がバトルモノだったら 詩冴編

 東京の青い空が崩れ落ち、漆黒の孔が広がった。以下略

「フハハハ! 我が名は魔王サタンなり! 害虫人類諸君に告げる! 死ねぇ!」

 怪物たち一斉に絶叫した。孔から上半身を這い出させ、両手の爪や触手を地上の人類に伸ばす。誰もが思った。自分たちは助からない。あんなもの、自衛隊ですら叶うわけがないと。

「全てのモンスターに命令っす! 魔王をギッタギタのメッタメタにするっす!」

「うわ何をするんだ貴様ら! 我は魔王! 貴様らの主だぞ! ええい撤退だ!」

 こうして、サタンと怪物の軍勢は異世界に帰った。

「ふふふ、シサエのオペレーションは無敵っすね」ニヤリン

「もうお前が魔王だよ……」

 ハニーは乾いた笑いを漏らした。  

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