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デザインセンスのない人が服のデザインをする話

「酒も出せたりすんのか?」

 事の成り行きを見守っていたリュオが横やりを入れる。

 何故酒なのか、ユーマは疑問に思ったが、物は試しである。

(ハ●ーン様、酒が欲しい。ヤバいヤツ)

『よかろう。格別のものを与える。50ポイントを消費する。残り445ポイントだ。無駄遣いするな』

 ユーマの両手が再び神々しい光を帯び、現れたのはスピリタスだった。

 記憶が確かであるなら、スピリタスのアルコール濃度は97。

 もはや飲料酒では無い。

 そっと、何食わぬ顔でスピリタスを手渡すとリュオは歓喜の声をあげていた。

 いつ開封するのかはとんと分からぬ。

 だが、いずれにせよ歓喜の声が悲鳴に変わる日も近いだろう。

 ユーマは腹黒だった。

「さあ、マウス。キミも着替えようか」

 ユーマが悟ったような顔で着衣大破のマウスににじり寄る。

 絵面的にはロリコンのHENTAI紳士が事案を起こす一歩手前である。

「な、なんじゃ! その目は!!」

 ユーマは考えた。

 ファッションセンスに自信は無いが、うんと考えた。

 どのような服が良いものか。

 少なくともユニタードスク水の再来は避けたい。

 熱い視線を送りながらマウスの体を舐めるように見ていく。

 マウスからするとHENTAIからヤバい視線を投げかけられている感じだろう。

 もっと文化的な、大通りを大手を振って歩けるような、見ず知らずの人から怪しい視線を投げかけられぬような、そんなものが良い。

 ただし着用者は野生児である。

 フワフワシャラランランみたいな服だとマッハでビリビリのボロボロになるだろう。

(ハ●ーン様、オレのイメージを受け取ってくれ!!)

 ユーマは心の中で神に念ずる。

 届くのか?! やれるはずだ!

 思い描くのは、トリコロールカラーのセーラー服だ。

 間違っても趣味でのチョイスではない。

 思いついたのが日朝の魔法少女だっただけだ。

 どうせ袖はあっても無くなるだろうからノースリーブ。

 ハイネックで胸元には謎のリボンが付いている。

 ミニスカートの裾には赤いラインが入っている方がファンシーだろう。

 下着はかぼちゃパンツしか浮かばなかったが、イマイチに感じ、ユニタードを夢想する。

 スク水一枚でなければ何とでもなるはずだ!

 サンダルは無傷だったので省略。

 狡猾なユーマはコストダウンにも余念が無かった。


『よかろう。オーダーメイドにつき300ポイントを消費する。残り・・・・・・』

 やや遅れて返事があり、まばゆい光と共にコスプレ衣装もといトリコロールカラーのセーラー服が召喚される。

「文化に目覚めよ」

 まばゆい光の残照に包まれたまま衣服をマウスに押し付ける。

 そして、再び神に念ずる。

 下だけ着替えたリディアが目に入ったのだ。

 上衣は中破したままだった。

 こちらはどうするか、元々の衣装が百歩譲っても体操服だ。

 動きやすい服が良いのか、おしゃれな服の文化が無いのか。

 逡巡した末に出た答えはシンプルに行こう、だった。

 マウスの衣装から大きめのリボンや派手なトリコロールカラーを取っ払い、ノースリーブにアームガード付きアームグローブ。

 杖を握るのだから掌の保護用。

 とりあえずミニスカートでも付けてみよう。

 スカートが嫌いでスパッツ剥き出しなのかもしれないが、日本文化に染まったユーマには海外のようなボディライン丸わかりの衣装に理解が浅かった。

 ファッションに疎いユーマは、マンガやアニメの衣装っぽいものしか想像できぬ。

 再びハ●ーン様ボイスの神にオーダーを出すと、程なくして輝きと共に衣服が生成される。

 とりあえずやり切った顔のユーマの手元には、無償ゴッデスポイント5だけが残されていた。

とりあえずマウスちゃんはプ●キュアみたいな感じになってしまいました。

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