半裸の女の子たちが帰ってきた話
中天から陽が傾きかけて数刻、たぶん15時頃だろう。
『遊びに行った』少女2人が帰ってきた。
「崖から落ちたのかよ?」
「あぁ!? リュオがいるー」
返ってきた少女2人は衣服がボロボロで疲労困憊だった。
ところどころすり傷のある2人を交互に見やり、リュオがため息をつく。
「なんじゃ、新顔がおるの。まあ良い、ユーマよ大勝利じゃ!」
スク水が派手に破れ、野性に目覚めた幼女がダブルピースをしていた。
「どういうこった・・・・・・」
カーテンを引っぺがしてくると幼女に巻き付けながら呟いた。
ユーマは紳士だった。
幼女のスク水っぽい衣装が腰ミノみたいな有様になって胸部が剥き出しになっていても冷静にカーテンをむしり取って巻き付けるくらい紳士であった。
大分動転していたのは悟られていないだろう。
マウスのカーテンぐるぐる巻きをこしらえているユーマは視線を逸らしていた。
が、その先には同じくビリビリのボロボロになったリディアの艶姿があった。
何をどうしたのか引き裂かれたように上衣は破れ、完全にへそ出しスタイルに袖が片方だけ無くなった半ノースリーブ状態。
伝線したタイツよろしくスパッツもいたるところが破れ、包み隠さず言うと大変エロくなっていた。
さすがに紳士のユーマも視線が泳ぎ始めている。
「おめぇら恥ずかしくねぇの? そっちのおチビなんておっぱい丸出しじゃん」
デリカシーとか配慮とかとは無縁なリュオの一言。
歯に衣着せぬ、とはこのことであろう。
へとへとのリディア自分の体を見下ろして、赤面してしゃがみこむ。
「ちょ! ちょっと! やだ! すけべ!!」
凝視するでもなく冷めた目で見つめるリュオにリディアが抗議する。
カーテンぐるぐる巻きのマウスは不思議そうな顔をしていた。
「まあまあ、このようにカーテンを巻き付ければ委細気にはなりませんよ、はははは・・・・・・」
視線が泳ぎまくったユーマが次のカーテンをむしり取るとリディアをぐるぐる巻きにしていく。
かくしてキュー●ーマヨネーズのたらこみたいな恰好の少女2人が爆誕してしまった。
「ということで祠の守護ゴーレム、石のドラゴンと遊んできたわけじゃ!!」
キュー●ーたらこ1号もといマウスがふふんと鼻息荒く自慢する。
「マウスちゃんに木っ端みじんにされちゃったけどね・・・・・・」
キュー●ーたらこ2号もといリディアが、あははと乾いた笑いを見せる。
大理石か何かよく分からない石でできたテーブルをはさんで報告会をやっていた。
どうやら、ユーマが出掛けてすぐ目覚めた2人は、ヒマを持て余した。
しばらくは雑談したりキャッキャウフフしていたらしいが、マウスが遊びに行こう! と言い出したらしい。
当然というか遊びに行く、の意味合いが違い、石のドラゴンと死闘を繰り広げるハメになった。
遊び(死闘)の果てにドラゴン化したマウスが石のドラゴンを爆砕、無事帰路についたわけだが、被弾した服はビリビリになってしまったとのこと。
「なかなか面白い相手じゃった! 石だけに気概があってヨシじゃ!!」
意味が分からない。
脳内麻薬が出まくっているのだろうか。
ふんふん鼻息も荒く、両手をブンブン振り回しながらマウスが目を輝かせていた。