オマケ DVD特典風 原作・執筆者(偽)による解説付き第一話
完全に悪ふざけの産物ですが、オマケとしては正しい気もしています。
「ちょっと前からいいなーって思ってたんだけど」
(執筆者マイク 以下マイク)「最初に原作のジョンに会ったのは○○(諸事情により伏字)のオフィスだったんだ。大きな部屋の隅っこで、机の上に小さなタイプを乗せて僕にこう言ったよ「ねえマイク。僕と多重人格の話をやらないか?」って。僕らは初対面だぜ。だから言ってやったよ「お互い自己紹介もまだなのに仕事の話なんて君は日本人かい?」って」
放課後。
高校生たちが若い、若い……なんだろう……なんか色々を発散する時間帯。
(原作者ジョン以下ジョン)「マイクの作品は大好きで全作品読んでいたからね、彼の力は知っていたし、先の事は全く心配してなかったよ。だから、この時僕は彼に了承を取るだけで良かったんだ」
中学生達も、もしかしたらそういう色々を発散するかもしれない時刻。
人気のない校舎裏で、そいつはこんな事を言ってきた。
(マイク)「その時には既にプロットが完成していて、計画は既に進んでいた。酷いだろ。まるで感謝祭前日の七面鳥の気分さ。でも、プロットを読み終わった時に、僕はこう思ってた「さてと、ギャラの交渉に入らなくちゃな」。しばらく黙ってたから、ジョンはドキドキしてたんじゃないかな?」
(ジョン)「してたよ。でもそれは「一体、幾ら吹っかけられるんだろう?」って事でだけど。会社からは低予算でって言うのが絶対条件だったから(笑)」
地面に落とす影は大きく長く、水面を渡る小波のように微かに揺れている。
下を向いた顔色は窺えず、迷子になったことを大人に告げる子供のような心細い調子の声。
「えと、良かったら付き合ってください」
(マイク)「この場面の最初の告白は、なるべくシンプルなモノにしたかったんだ。ドラマチックな言葉は全部無しにして、ありきたりで、百万回は使われてるような言葉」
(ジョン)「等身大の言葉だ。普通、緊張してると気の聞いた言いまわしなんて浮かんでこないしね。彼女がそういう事に拘るタイプじゃないって事もここで分かる」
スッと顔を上げて。
意外性も飾り気もない告白の言葉。
もっとも、この状況を考えるに、これ以上の意外性なんて必要ない。
「……えーと」
俺は困った顔をしていたんだと思う。
学ランのポケットに手を突っ込んで、時間差で浮かんできた冷や汗の処遇に迷っていた。
……あ、背中がじんわりする。
(マイク)「この時アキは相当困ってるんだ。どうしよう、どうしよう……」
(ジョン)「そういう時は余計に他の事が気になるんだよね。鼻がむずむずしたり、足が痒くなったり。彼の場合は背中の汗だったよ」
「あ、いや、返事は今じゃなくてもいいから」
俺の表情を見て、そいつは慌てたように両手を顔の前で振る。
そのまま振り返って、背中を見せた。
一瞬。
一瞬でそいつは、俺の二倍はありそうなストライドで、走り去っていってしまう。
(マイク)「卯乃原の身長はどれくらいを考えてた?」
(ジョン)「詳しくは考えて無かったけど、180前後」
(マイク)「もっと大きな印象があった」
(ジョン)「アキが小さいからね。川添との兼ね合いも合ったし、実はそこまで大きくは無い」
「……いや、俺男だし」
(マイク)「ドーン!」
(ジョン)「(笑)最初のサプライズだ。でも、一話目の引きとしてはかなり弱い」
(マイク)「弱い」
声の届く間もなく、小さくなっていく背中。
視界から消えていく時、チラリと目に入った学ランの裾を思いながら、俺は知らず内に呟いていた。
(ジョン)「一話終わり。ここまで見て僕はホッとしたね。「あとはマイクの仕事だ」って」
(マイク)「本当にジョンは何もしないんだ(笑)これでもう少しギャラが安かったら僕は降りてた」
(ジョン)「本当に感謝してるよ(笑)ありがとう」
ジョンはメタボ体型の三十九歳独身で、貫禄をつけるという理由で髭を生やしています。書いた作品のうち何本かは映画化もされていて、人前に出ることが何より好きな人です。
マイクは痩せぎすのインテリメガネです。既婚でレイチェルとジェーンという二人の娘さんが居ます。ちょっと神経質な嫌いがあって、細かい事に拘ります。奥さんは美人だそうです。




