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王都への対応

ようやく少し落ち着きました。

待ち時間が長く、かなり時間を持て余していたので、少し書いてみた分投稿します。

 カンザ一行に俺の幸せを自慢するイベントが終了して、のんびりしていると、ギルドマスターであるガーグルさんが直接家にやってきた。


 ギルドマスターであれば、使いの者を寄こすなりすればいいと思うのだが、律義な人だな。


「キグスタ様、グリフィス様の方針を確認いたしました。キグスタ様の<統べる者>についても全て明らかにした上で、です。グリフィス様の方針としては、その様なふざけた和睦は突っぱねるそうです。むしろ向こうが我らの下につくように要求するとの事でした」

「ハハハ、それは良いですね。全面的に協力しますよ」


「そう仰っていただけると助かります。実は、今後もご協力いただけるかどうか、そこの所だけは良く確認してくるように厳命されておりましたので。それと、キグスタ様のその能力、余り口外しない方が良いと判断されたようです。その力が知れ渡ると、あの手この手で手に入れようとする輩が際限なく現れ、色々と無駄な軋轢を生む可能性が高いとの事でした」


 それはその通りだが……、強大な力を持つ者を取り込もうとする者、あわよくば自分の手足としようとする者、後を絶たないだろう。でも、スキルの件は別だが、能力を積極的に隠すことは止めたんだ。


「助言ありがとうございます。今の所この秘密を知っているのは身内と、ガーグルさん、そしてグリフィス辺境伯と言う所ですよね。これ以上自分から積極的に広める事は止めておきます。ですが、正直に申し上げますと、これから力を隠すつもりはありませんので、自然と広まってしまうかと思います」

「まあ、そこまで制限して頂くつもりはありませんので、宜しいかと思います」


 あくまで辺境伯個人の見解、俺の為のアドバイスを伝えてくれただけなので、強制はされなかった。

 話の流れで、俺は気になっていた事を尋ねてみた。


「それで、国王の件はどうなるんですかね?」

「ええ、先ほど申し上げた通り、あんなふざけた和睦など受け入れる訳もなく、使者は追い返します。宰相が来るようですが、グリフィス様に会わずに、書状だけを持たせて返します。ですから、その書状を読んだ後の王国側の動きによって対応が決まりますね」


 さっき聞いた通り、書状の中身はふざけるな!!位の事を書いてあるようなので、どうなる事やら。


 だが、国王側に付いた貴族達の戦力は全滅している。

 つまり、こちらの要求を完全に突っぱねる程の余力はないはずだ。


 もし、国王が暴挙に出てこちらの提案を受け入れなかった場合、逆に侵攻される恐れがあるのだから、自分の身の安全の為に受け入れるだろう。

 多少の交渉は出てくるかもしれないが……


 そうと決まれば、俺達もその宰相と同行して王都に向うことにするか。カンザ達も連れてな。


 既に国王はカンザ一行が敵前逃亡をした事を把握しているから、その対応もしっかりこの目で焼き付けておこう。


「それでは、私は宰相と共に王都に向う事にしますので、到着したら連絡をお願いしても良いですか?」

「もちろんです。やはりあの一行を連れて行くのですか?」

「それはそうですよ。ここにいさせても何の得にもなりませんから」


 こんな感じでギルドマスターであるガーグルさんとの会話は終了した。


 その晩、俺達夫婦と父さん母さん、そしてクリスタとで夕飯を食べている時に、少し考えている事を話してみた。


「悪魔の王についての誤解は、暫くすると完全に解けると思うんだ。でも、いきなりそんな事を言っても信じてもらえない。長い時間をかけて、何も起こらないと理解してもらうしかないんだ。それと、スキルだけど……与えるのを止めると冒険者も困るし、魔獣との均衡状態が崩れるから、完全にやめるわけではないけど、魔獣についてはソレイユが調整できるわけだから、戦闘系のスキルを与える人数も少なくしようかと思っているんだ」


 実はこれ、前から考えていた。

 今はかなりの人数が戦闘系スキルを持っている状態なので、冒険者の数が膨大になってしまっている。

 そして、上位スキル持ちに至っては選抜メンバーにされ、修行と言う名の旅をしなくてはならない。


 結果、他の仕事をする人が大幅に減っている。


 ではなぜそんな状態でも、冒険者が爆発的に増えないか……それは、魔獣との戦闘でかなりの数が命を落とすからに他ならない。


 今後は、ソレイユの調整を入れる事にするから、少ない冒険者でも魔獣との数はバランスが取れる。


 つまり、例えば農業や林業に就く人も増えてくる事になる。


「キグスタ様の良い様になさってください」

「でも、どうやって悪魔の王について説明するんだ?」

「そうですね、その辺りを信じて頂けないと、戦闘系のスキルが減った時にパニックになるかもしれませんね」


 クレースの言う通りではある。


「そこも考えていて、<槍神>と<剣神>、そして<聖女>を持つ皆の力を借りたいんだ。最上位スキル持ちが神託によって得た情報として、悪魔の王は誤解だったと説明し、その役目を終えた戦闘系スキルも減少する……と宣伝してほしい」


戦闘系統のスキルが減少する理由が、悪魔の王が誤解であったというのは少々理由としては弱いが、仕方がない。

 こうする事によって、無駄な戦闘のきっかけにもなり得る戦闘系スキルを減らす狙いもある。カンザのように、調子に乗るやつも減るだろう。


 カンザも、もし持っているスキルが<槍聖>ではなく、<裁縫>とかだったら、こんな事にはなっていなかったはずだからな。


 三人とも納得してくれたようで、宰相が来たら、全員……もちろんカンザ一行も含むが……王都に向う事にした。



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