始まりの物語
なんかふと思いついた作品です。
ポ◯モンやってたらこんな話いいなーって。
「おい、ダンさっさとこい」
「ごめん…ごめんなさい…」
これがいつも僕が受けている扱いだ。
僕はB級パーティのタンクとして活動している。
ダンジョンから帰り、夕飯を食べていると、
「あーあ、ダンくんのせいでうちのパーティ火力ないんだよなー」
「ハッ、本当にダンは肉壁かおとりでしか使えねぇからな」
「私は体を張ってよく守ってくれてると思うんですけど、回復のペースが少し大変です」
「あの、本当に申し訳ないです…」
若手の優秀な魔法使いであるリーダーのシュウ
いつも馬鹿にしてくる幼馴染の剣士グラフ
素直で優しい回復術師のアリー
「やっぱり火力大事だよねー。正直ダンくんじゃ無くてもっと火力のある人パーティに入れたいと思ってるんだけどさ、どう?」
「えっ!ぼ、僕クビですか!?」
「チッ、うるせぇな。ダンお前は俺と幼馴染だからこのパーティに入れただけだ。実力的にはお前より優秀なタンクの方が多いんだよ!もうすぐA級なのに足手まといはいらねぇんだよ!」
「そ、そんな…僕は…」
「私の力ではA級ダンジョンであなたを回復していける自信がないです。申し訳ありません。」
そっか。そうだよな。HPが高いだけの僕なんか。
「わかった…ごめん…今日までお世話になりました。」
「ありがとね!ダンくん、これお詫びとお礼ね!気にせず受け取ってね!」
貰ったのは、ダンジョンで見つけた首飾りと金貨10枚。
普通の生活なら3ヶ月は暮らせるお金だ。
「え、こんなに僕に!シュウくんありがと!じゃ、今までありがと…さよなら」
「ふぅー、ようやく追い出せたな?それよりシュウ、さっきの首飾りあげてよかったのか?」
「あ、あれね。フフッ、あれはダンくんにとって最悪のアイテムだよ。簡易鑑定したけどHPの上限が1になるアイテムさ。」
「おい!それって石が当たるだけ死ぬんじゃねぇか!なんだそれ、HPしか取り柄のないあいつがHPまで最弱になるのかよ!最高だなぁ!!」
「さすがにそこまでするのはかわいそうです。趣味が悪すぎますよ、お二人。フフッ」
「アリーてめぇも笑ってんじゃねえか!」
「ダンくんもさすがに鑑定せずに付けないと思うから、大丈夫だと思うけど鑑定して、HPまで最弱になりかけてたなんて知ったらどんな顔するのか見てみたかったなー。フフッ」
僕は宿屋に帰って来るなりすぐベッドで寝てしまった。
自分でもよくわからないがとても解放感があった。
僕はずっと無理していたのかもしれない。
落ちていく意識の中で、そんな事を思った。
「んーん、あれもう朝か。昨日そのまま寝たのか。レベル上がったかな?ステータス!」
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ステータス
ダン Lv.20
HP 100000
MP 50
物理攻撃力 1
魔法攻撃力 1
物理防御力 100
魔法防御力 100
ユニークスキル 忍耐Lv.
スキル 状態異常無効Lv.
剣術Lv.5
カウンターLv.MAX
忍耐Lv.
自身のHPの上限の半分以上のダメージによってHPが0となる時
HPを1残して耐える。また、「状態異常無効」を取得する。
状態異常無効Lv.
あらゆる状態異常を無効化する。
剣術Lv.5
そこそこの腕前の剣術。C級冒険者相当。
カウンターLv.MAX
カウンターでのダメージが10倍になる。
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ステータスを見て、ため息が溢れた。
「やっぱり攻撃力は上がんないんだよな」
昔からHPだけ以上に高くてそれ以外が低すぎる。
火力がなさすぎて1人ではダンジョンにも行けない。
「あっ!!もしかしたら昨日貰った首飾りは攻撃力上昇とかの効果がついてるかもしれない!鑑定屋さんで見てもらお!その前に朝ごはんだ!」
「ミーアさん!朝ごはんお願い!」
ミーアさんはいかにも恰幅のいい食堂のおばさんって感じだ!
「ダンじゃないか!おはようさん!今日もダンジョンに行くのかい?」
「昨日パーティを辞めたからさ。しばらくダンジョンは行かないよ」
「そうかい。まぁ、私お手製のミートパイでも食べて元気に頑張んな!さぁ、お食べ!」
「ありがと!ミーアさん!すっごく美味しいよ!」
「何言ってんだい!どっか行くんだろ?さっさと食べて行っておいで!」
「ごちそうさま!行ってきます!」
鑑定屋はたしかギルドの中にあったよな。
「ダンくんじゃないかー。こんな朝早くどこに行くんだい?」
「あっ…シュウくん。昨日貰った首飾り鑑定してもらいにいくんだ」
「そうなんだー。いい効果がついてるといいねー。フフッ」
「うん!ありがと!じゃあね!!」
「フフッ、どんな顔するのか楽しみだなー。」
冒険者ギルドは雑用、護衛、モンスター討伐など様々な依頼を受けることができ、E級からSS級までの冒険者がいる。
僕がいたB級パーティは中堅の上位くらいのパーティだった。
「いつもはパーティのみんなについていくだけだったから、こうやって見ると新鮮だなぁー。あ、鑑定屋だ!すいません!鑑定お願いしたいのですが」
「はい、それでは簡易鑑定、通常鑑定、上級鑑定のどれになさいますか?」
「それってどう違うんですか?」
「はい、簡易鑑定は名前、効果が分かります。通常鑑定ですと名前、効果、効果範囲、レアリティが分かります。上級鑑定は通常鑑定に隠しステータスがある場合そちらも表示されます。
隠しステータスは必ずしもあるものではないのですがあった場合査定額も大幅に上昇します。また、料金は簡易鑑定が銀貨1枚、通常鑑定が銀貨50枚、上級鑑定が金貨1枚となっております。」
「ありがとございます!じゃあ、上級鑑定をお願いします!」
「かしこまりました。金貨1枚頂戴いたします。それと鑑定されるアイテムをお願い致します。」
僕は皮袋から金貨と首飾りを出して渡す。
「お願いします!!」
それから5分ほど待っていると
「ダンさん、鑑定が終わりました。こちらをご覧ください。」
そう言って1枚の紙が渡された。
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鑑定結果
名前
生命犠牲の首飾り(ユニーク級)
効果
装備者のHPの上限が1となる。
効果範囲 装備者単体
隠しステータス
装備者が犠牲にしたHP分物理攻撃力を上昇
装備者固定 装備者 未設定
査定価格:金貨150枚
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ん、あれ。これって結構凄い装備?
「あの、これってかなり凄い装備ですよね!」
「たしかに凄い装備ですが、装備できる方はほとんどいないと思いますよ?HPが1ではまともに戦うことすらできないので。でもコレクターの貴族様には売れると思いますよ?」
「そうですよね…売ろうかな」
「かしこまりました。手続きの方準備致しますね」
ん、ちょっと待てよ。僕はこの装備使えるんじゃないのか?
僕にはユニークスキルの忍耐がある。
上限が1なら常に発動するんじゃないのか?
「すいません!やっぱり売らないです!売りません!」
「えっ?あ、はい。かしこまりました。首飾りをお返し致します。ご利用ありがとうございました。」
「はい!こちらこそ、ありがとうございました!」
この首飾りがあれば、悩みの火力不足も解決するかもしれない。
でももし、忍耐が発動しなかったら… いや、僕は変わるんだ!
そうして首飾りをつけた。
「やあ、ダンくん首飾りはどうだったかなー?査定額も高ければ良かったんだけど。その様子だと大した額にならなかったのかなー?」
「えっ?あ、これね。自分で使うことにしたんだ!金貨150枚の価値があるみたいだけど、自分で使いたいなって!シュウくんのおかげで僕また頑張れるよ!ありがと!」
「えっ?そ、そうなんだねー。そんなにいい物だったのかい?」
「HPが1になっちゃうけど隠しステータスがあったみたいでその効果がよかったんだ!」
「ダンくん、君は馬鹿なのかい?HPが1だったら石が当たるだけで死んじゃうよ?それよりそんな高価なもの付けてると悪い人に狙われちゃうかもねー?気をつけてねー夜道とかさ」
「それもそうだよね。服の中にいれとこ!ありがとね!シュウくん!HPは心配しないで!ちょうどいいスキルがあるんだ!またねー!」
「フフッ、ダンくんは馬鹿だなぁ。そんな事より金貨150枚か。ダンくんにはもったいないよねぇー。フフッ」
この後起こる惨状を誰も想像すらしていなかった。
「シュウくんはパーティのためを考えてただけなんだよね。こんなにいい物くれたし、お金もたくさんくれた。正直シュウくんは苦手だったけど、結構良い人だったんだなー。」
「おかえり。ダン!昼ごはんは食べたかい?」
「ミーアさん!ただいま、まだ食べてないんだ。もらえる?」
「はいよ、ちょっと待ってな!」
「ありがと!よし、じゃあステータス!」
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ステータス
ダン Lv.20
HP 1(-99999)
MP 50
物理攻撃力 100000(+99999)
魔法攻撃力 1
物理防御力 100
魔法防御力 100
ユニークスキル 忍耐Lv.
スキル 状態異常無効Lv.
剣術Lv.5
カウンターLv.MAX
生命犠牲の首飾り[固定] 装備者 ダン
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よし、攻撃力も上がってる!僕はここから変わるんだ!
少しすると美味しそうな昼ごはんがやってきた。
「はいよ、今日は鹿肉のシチューだよ!」
「うわ!美味しそう!いただきます!!」
もぐもぐ、もぐもぐもぐもぐもぐもぐ。
うん、めっちゃおいしい!!!
「ミーアさん、美味しすぎます!!」
「何馬鹿なこと言ってんだい!うまいのはいつものことだろ?」
「それもそうだね!ごちそうさま!じゃあ僕ダンジョンに行ってくる!!」
早く試したい。この首飾りで本当に強くなれたのか。
「あんた、パーティ辞めたんだろ?それに今日は行かないって言ってたじゃないか」
「うん、でもちょっと試したいことがあって!E級ダンジョンに行ってくる!」
「はいはい、行っておいで!怪我すんじゃないよ?」
「はーい!行ってきます!」
さあ、行こう!E級のスライムダンジョンへ
最後まで読んでくれてありがと!
本当の本編はここからだ!