5話
「それでは、失礼致します、芝さん」
僕は、お辞儀をしてお暇する旨を伝える。
「そうですか。それでは、気をつけてお帰りなさいまし(全く、こっちの気を察した様子も見られないわね……相変わらず)」
芝さんも礼をして返す。
「ありがとうございます。芝さんもお気をつけて」
僕は会釈して、ゲーセンを後にした。
「(思ったより時間潰しになりましたね〜)」
僕は内心笑みながらペダルをこいだ。
「ただいまぁーです。……誰も人間は居ないですけどね」
僕は形式ばった挨拶をして家に入った。
親は居るには居るのだが、事情があって一緒には住んでいない。実を言えば、家を勘当されたようなものだ。父親はコテコテの魔法師至上主義で、魔法を使えない自分は、彼にとって異端な存在であったらしく、中学に入る際には一人暮らしを強いられた。メイドロボ……アンドロイド付きで。
「お帰りなさいませ、凌魔様」
アンドロイド……ミナが出迎えた。
「ただいまぁーです、ミナさん」
「お食事の用意が出来ました」
「ありがとうございます」
文明の利器って凄いよね、21世紀初頭では夢に描かれたらしい存在のアンドロイドが、約2世紀後にはほぼ人間同様の形、肌触り、動きや思考まで出来ているのだから。ともかく、ご飯をいただくことにする。
「いただきます!」
僕は合掌して、いただく。
「ご馳走様でした! いつもご飯ありがとうございます」
僕は合掌してご飯を終える。
「いえいえー。今日はどうかされたんですか?」
僕の珍しい言動につい尋ねて来たミナさん。
「今日は気分が良いからねー」
僕は笑顔です答えた。
「それは良うございました」
ミナさんも笑顔で答えた。