第3話 「決意(前編)」
基本的にチート無双です。
プチハーレム、ほのぼの冒険と
お笑いが書きたいです
ステータス画面の右上に、「$」マークがあった。
恐らく初心者パックによる初期の所持金表示機能だろう。
クリックすると、金貨9枚、銀貨10枚(合計約100万円)と表示された。
日本円換算機能が付いていて微妙に嬉しい。
金貨1枚が10万円らしい。銅貨や鉄貨などがあるのだろうか?
もう一つお馴染みの便利機能スキル「アイテムボックス」も付いていた。
恐らく「アイテムボックス」の中では時間の経過は無いのであろうか?
今度試してみよう。
「アイテムボックス」という名前は、ラノベでは、他人に聞かれると面倒だったと記憶している。
名前を「トランク」に変えてみた。
名前が「トランク」に変わった。
変えられるのかよ、何でもありだな。
「トランク」の中には、
鋼の剣、小太刀、木の弓、皮の鎧、皮の盾、皮の帽子、現金そして「謎の白い玉」が3つ入っていた。
初心者パックにしては意外とショボい。
「謎の白い玉」を調べるために、スキル一覧を見ていると「鑑定」スキルがあった。
早速「謎の白い玉」を「鑑定」すると、
【神様を呼ぶ煙玉】
と表示された。
「見つけたっ!」と思わず叫んでしまった。
これでやっと神様と話が出来そうだ。
俺は躊躇なく白い玉一つを取り出して地面に叩きつけた。
もうもうと白い煙が立ち昇り、その中から白髪、長い白髭、長い杖を持った白装束の老人が立っていた。
『フォッ フォッ フォッ、何か用かな?』
まるでロードオブザ◯ングそのものではないか。
『ん?この姿は気に入らんかの? ならこれならどうじゃ?』
もう一度白い煙が立ち昇るとそこには、ボンッキュッバンッの金髪美女がセクシーなハイレグ姿で横たわっていた。
俺は口をあんぐり開けた状態で、頭を抱えてしまった。
『気に入ってくれた?どちらもあなたの記憶にあった姿よ』
「いいから早くジジィに戻れ、話が進まん」
『フォッ フォッ フォッ、もったいないのぉ。神というのは性別も実体もない』
『姿なぞ全く意味がないんじゃ。どうせなら眼福の方が良いじゃろうに』
「そうかもしれないな。、、、で、何で俺はココに居る?」
『お主が緊急用ボールを使ったからじゃないのか?』
「そうじゃなくて、俺はもう死んでるはずだ!何でこの異世界に居るのかと聞いている」
『ふうむ、どっから話せば良いかのう』
『例えば、お主と聖子嬢が初めての一泊温泉旅行で、ついに念願の童貞そーし』
「わーっ、そこじゃないっ。バイク事故の所からだ。」
んん?
「ちょっと待てジジィ神、そんな個人的な所も覗いているのか?」
『まさか、そんなにヒマではないぞ。たった今、お主の記憶がワシの頭に流れて来ただけじゃ。』
『しかし、ほんに良かったのう。どこぞのスラ○ムと違って。』
「うるさーいっ」
「事故の様子を話せ!聖子はどうなったんだ?」
『そうさな、お主は居眠り運転していた大型トラックと正面衝突して、飛ばされた挙句、運の悪いことに飛んできたバイクに挟まれ、即死じゃったよ。』
『彼女の方は、お主の咄嗟の機転のお陰で、大きな怪我もなく牧草地に転がったのじゃが、残念なことに転がった先に岩があっての、頭の打ち当たりどころが悪くて亡くなってしまったのじゃ。お主より2〜3秒前じゃ、すまんの。』
俺は何も言えなかった。
自然と大粒の涙が目から溢れてきた。
ただ、ただただ虚しかった。
死にたくなったが、もう既に死んでいる。
涙が出ても、号泣出来なかった。
涙が出ても、叫ぶことすら出来なかった。
『ところでじゃ』
俺はジジィ神に向くことも出来ない。
『お主、聖子嬢ともう一度会う勇気があるか?』
転生してから1日目
所持金:金貨9枚、銀貨10枚
⇨ 約100万円