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第21話 「5つの質問(後編)」

誤字脱字、指摘お願いします

『1問目は以上だな』


「待て、まだちゃんとした回答をもらっていない。だから質問1は、やり直しを要求する」


『質問がスリーサイズで、回答がハンマー。

これ程わかりやすい質疑応答はない、従って要求は却下する』『‥‥きゃっきゃする』


「ぐっ」


ふふふっ、今の質問は目眩し(めくらまし)に過ぎない。

かつて獣人族に「鑑定」をかけて驚いた。

何とフォーサイズが表示されたのである。

4番目のサイズは、尻尾の長さである。

だからワザとスリーサイズを聞いたのだ。

ゲルドが、最近何かと怪しんでいるからな、

ここでスリーサイズを聞けば、「鑑定」を持っていないと思うに違いない。

ふふふっ、完璧だ。


(ゲルド)馬鹿かこいつは?「鑑定」持ちのくせに何でスリーサイズなんて聞いてるんだ?持ってない振りをしているつもりか?

バレバレなんだよ。ったく。


「質問その2だ。転生者について知っている事を全部教えてくれ」

『質問が抽象的すぎるな、もっと具体的な質問にしてくれ』『‥‥しろです』


「では変える、ファル・フェル・ファーレには転生者はいるのか?」

『答えは「いる」と、言われている。あくまで噂だけどな』『‥‥けどなでしゅ』

エルザが可愛く酔い始めた。良い傾向だ。


「ファル・フェル・ファーレって何だ?」

『オィ、そんなことも知らずに冒険者になったのか、お前は』『‥‥のか、でしゅ』


『お〜い姉ちゃん、エール4つとホーンラビットのモモ肉ロースト3つ追加な』


「答えは?」


『プハーッ、ちょっとぬるいな』

仕方ない。「アイシクル」

指先をエールに向けた。


『うおっ、ギンギンに冷えてるじゃねえか』

『‥‥なぁ兄ちゃん、武闘大会なんかやめて

俺の専属にならねえか?』『‥‥ねえか?』

「専属のエール係か?ごめんだね」


『ハハハッ、さっきの質問の答えだが、

俺たちの国は「ウェーバー王国」、つまり王政をひいている国だ、わかるな?』

『‥‥かるな?』

「あぁ、そのくらいはわかる」

エルザが良い感じに出来上がってきた。

『ウェーバー王国は人間族主体の国だが、他種属を排斥していない。全ての種族がほぼ同等に暮らせる国だ』

『これは国王、いや女王の意思が強い』

「女王?」

『あぁ』

『また、ファル・フェル・ファーレには大きく他に3つの国ある』


『獣人族のヴェルディ共和国、様々な獣人が都市を形成しているから、共和制をとっている』


『魔人族のヴィアルディ、国と呼べるかは怪しいが、魔人族が集まって住んでいる』


『他に吸血族、エルフ族、ドワーフ族も小さいながらも独立した国を形成している』


「3つ目の国は?ドラゴンか?」


『そうだ、もはや国とは言えない、群れみたいなもんだ』『‥‥ドラゴンだぁ』


『これらを全てまとめて、ファル・フェル・ファーレと呼んでいる』


「質問その4だ。転生者はどこにいるんだ?噂話でもいい」

『ファル・フェル・ファーレには4人いると言われている』

『1人目はウェーバー王国の王室、これ以上は不敬罪になるから言えん』

『2人目は獣人族の要人、3人目は吸血族の要人、残る1人は察しの通りドラゴン、竜人族だ』

『この4人は別名「四聖」または「騎聖」とも呼ばれてる』


「最後の質問だ。「セイコ」と言う名前に聞き覚えがあるか?」

『ウェーバー王国の第二王女が、「セイコ・ホワイトローズという。生まれつき目が見えないと聞く』『‥‥見えないときく』


「ありがとう、いろいろとためになった」

「また、聞かせてくれ」

「約束通りに、ここは奢ろう。飲んでくれ」


『お〜い、おやじ。エール4つと、こいつにはチコジュースな』


『そうだ、レッドアイ・グリズリーのステーキを食ってみろ。あまりに美味しくて驚くぞ。おやじ、レッドアイ・グリズリーのステーキ3つ追加な』

「奢りだと思って好き勝手に頼みやがって」


その時、隣のテーブルに座っていた小太りの男が急に咳込み、『グェーッ ペッ ペッ』

『やい、おやじっ、このホーンラビット、魔石が入ったままじゃないかっ』

『ペッ ペッ 口の中が台無しだ』


「なんなんだ? あいつは?」

立ち上がろうとした所をゲルドが制した。

『やめとけ、店の方が悪い。大方、魔石を取り出し忘れただけだ』

「そんなに大ごとなのか?」


横では、店主らしき人物が客に頭を下げて、平身平頭で謝っている。

『本日のお代は結構ですので、これでなにぶんご内密にお願いします』

どうやら袖の下を渡しているらしい。

『当たり前だっ、魔石で殺されてたまるかってんだ』


「魔石って危ないのか?」

『知らんのか?』『‥‥のか?』

『魔法補助道具としては有用で貴重だが、食用となると別だ。とても苦くて食えたもんじゃない』

『レッドアイ・グリズリークラスの魔石だと、今頃あのおっさんは、あの世行きだな』

『ただ、魔石は殆どの魔物の好物ではある』


俺はさっきの客が投げ捨てた、床に転がっている魔石を「鑑定」した。

【ホーンラビットの魔石 SP+0.01 ストロベリー味】と、表示された。


「鑑定」結果は、使う人によって変わってくるのだろうか?

少なくとも俺は、魔石が好物だ。


3人で飲んで食って銀貨1枚、銅貨8枚だった。リーズナブルだ。

転生してから6日目

所持金:金貨9枚、銀貨18枚、銅貨1枚、鉄貨5枚

⇨ 約108万円1,500円


飲み食い:¥18,000

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