第20話 「5つの質問(前編)」
誤字脱字等、なんでも指摘お願いします
感想を頂けると励みになります
よろしくお願いします
ちょうど鐘4つ(18:00)に食堂に訪れると、ウサミミエルザちゃんが、食堂の片隅でエールを飲んでいる。
今日こそはそのウサミミでモフモフを‥。
エルザちゃんに近づくと、3人の男が取り囲んでいた。
どこかで見た顔なんだけど誰だっけ?
俺を見るなり、2人はそそくさとその場から逃げ出した。
「?」
残りの1人が俺を見て、
『あれはマグレだ。もう一度やれば俺が勝つ』
と言った。
「あーっ、ケロッグさん?だっけ?」
『グロッケルだ。すぐに再戦をしろ』
はっきり言ってめんどくさい。
LV56はもういらない。
やるなら他の種族とやりたい。
「そうだなぁ、16日後の大会に出場するからそこで勝負だ」
『お前はFランカーだろ?』
「さっきランクCにしてもらった」
『‥‥ふんっ、大会に出るなどと上手い言い訳を考えついたもんだ』
『まあいい、大会後に改めて勝負だ』
言い残して、ケロッグはその場を去って行った。
大会が終わったら他国に行くから、ま、いいか。
それよりも、大事なことを忘れるところだった。ケロッグのやろうめ。
「エルザちゃん、待った?」
『い、いえ。ヒデキ様、Cランク昇格って本当なんですか?』
俺はウサミミエルザちゃんの向かいに座ると、ウェートレスにエール4本とソーセージ盛り合わせを頼んだ。
「何となく話の流れでね」
「それよりも「様」でなくて、呼び捨てか「さん」で呼んで欲しいな」
『もしかして武闘大会に出るために?』
「ピンポーン、応援してね」
『大丈夫ですか?ウェーバー王国の予選は毎年、200人位出てますよ』
『ヒデキさんはLV20でしたよね? 毎年の選抜者はLV100近い人達ばかりですし』
「何とかなるでしょ。あと16日あるし」
『フフフ、そこはヒデキさんらしいですね』
「それより、今度の休みどっか行かない?」
「山でも海でも、どこでも行きたい所」
『俺は海の幸が食いてえなぁ』
「出たな ゲスギルマス」
『パパァ』
「えっ、パパ? パッ パッ パパァ?」ボカッ
「痛えなぁ、殴ることないだろ」
『パパ、パパ うるさいっ、俺はお前のパパじゃない。殴りたくもなる』
『おっ、ちょうどエールが来たぜ。ほう、俺には2本頼んでくれたのか。気が効く奴だ』
「お前は呼んでないっ。何でゲスギルマスがここにいる?」
『お前こそ、うちの娘と何をしている。俺は保護者としてここにいるだけだ。もちろん娘に頼まれてな』
エルザちゃんを見ると、小さく舌を出している。
「てへぺろ」もかわゆい。もう何でも許す。
それよりも、もっともっと許せない奴がいる。俺は天井に向かって叫んだ。
「やいっジジィ神、自然の摂理を、遺伝子を、進化論を、弄ぶんじゃねぇ」
その時、快晴だった空が突然大雨になり、稲光りがギルドの建物に落ちた。
被害は、なぜか俺のエールのグラスだけであった。
『晴れだったり雨だったり変な天気だ。それより、さっきから何を叫んでんだ?』
『まぁ、夕飯を奢って貰えるから何でもいいか。おーいマスター、ドードー鶏の肉野菜炒め3つとエール5本な』
「やいゲスマス、何勝手に注文して食ってやがる」
「俺は可愛いエルザちゃんに奢ると言ったが、お前には奢るつもりはない」
『エルザ、ホーンラビットのモモ焼きを3つ頼む』
『お姉さ〜ん、ホーンラビットのモモ焼き3つお願いします。テヘッ』
本日2回目の「てへぺろ」いただきました。
しっかりと心に焼き付けました。
ウサミミのてへぺろって、きっと史上最強だろう。
ミミが片方だけ垂れてるんだぜっ。
『まぁいいじゃないか。情報が欲しいんだろ?』
『俺の情報網とエルザの顔の広さを合わせれば、ウェーバー王国のどんなことだってわかるぜ』
サムズアップするな!
『お礼はここの勘定なっ』『‥‥勘定なっ』
エルザちゃん。酔っ払ってきたのか?
これはチャンス到来か?
『ただし、質問は5つまでな』『‥‥でな』
「よし、最初の質問だ」
「いいかよく聞けよ」
「エルザちゃんのスリーサイズは?」
ボゴッ。
「エルザちゃん、いったいハンマーをどこから?」
転生してから6日目
所持金:金貨9枚、銀貨19枚、銅貨9枚、鉄貨5枚
⇨ 約109万円9,500円