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ノンカピスコ・ten・LOVE   作者: 天野 涙
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第44話 新たな男

『ねえ、あんた、進路相談、どうすんの?』

波留が左隣で、特大のパフェをほうばる文弥に言う。

真央は、サンドイッチを右隣で食べていた。

3人で映画を見た帰り、また、あの鈴屋に寄っていた。

高2になっても、また同じクラスの記念らしい。

双葉では、高2で進路相談がある。


『まさか、オカンに僕は卒業したら女になりますって言えないでしょう?』

波留は面白くてならないように話す。


『ちょっと待って・・それは去年までの話。食べるときくらいゆっくりさしていや。』

文弥は鷹揚にやりかえす。


『私の進路は聞かないの?』

『ああ、愛しの峰夫さんの為に、お役に立ちたいってやつ?何回聞かすねん。あほらしい。』

『そうそう、でも女医の道は厳しいわ。想像以上に。それに6年も大学行くなんて耐えられない。

 だから、ナースになるつもり。3年の短期大学で手をうつわ。』

『ハイハイ、どうぞ、御勝手に・・ところで、真央はどうすんの?』


不意に振られて、真央は答えに詰まった。

(私は、何をしたいんだろう???)


『真央のママは雑誌編集長だから、スタイリストってのも考えてる?コネがあるから

有利なんちゃうの?』


(イヤだ、ママのコネで入社なんて)


文弥は真央の心中を察したのか、話題を変える。


『兄ちゃんが倒れて、今年の花展は中止や。オカンはまたオレに期待満面。だから、オレ・・』

『だから???何?』

『今決めた、オレ、医者になる。』

『大好きな兄ちゃんの為に?』

『ああ、オカンもオレが医者やったら納得すると思うわ。イバラの道やけど・・・。』

『そう、感動的ね。立派!!文弥!!』

拍手する波留。ガッツポーズで応える文弥。二人で盛り上がっている。


真央はいよいよ追い込まれる気がする。わけもなく焦る。

しかし、意外にも波留は気にしていない様子。


『でもさ、うちも難関がある。』

『なんで?ナース立派やん。食いっぱぐれへんしな。』

『でしょ?なのに、パパはね、音大にいれたいみたい。』

『ああ、音楽一家やから?世間体が悪いってか?』

『そうよ、あんたの言うあほらしいってヤツよ。』

『・・・それでどうすんの?』

『うん、パパの弱みを握るヤツに協力させる魂胆よ。』


その時、若い男性が店の前で車をとめた。

そして店の中に入ってくる。


『菊~ッ!!こっち、こっち。』


波留が手を振った。それに気づいた男性は近づいてくる。


『あれ、誰?』と文弥、、真央も振り向いた。


波留はニッと笑った。

『パパの愛人、菊ちゃんよ。』


『ええ??ホンマ??エラい生々しい間柄やんかぁ~。』

文弥は唖然とする。








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