転生
初日なので一気に2話上げちゃいます
(体が…動かない…?)
屋上から落ちて生きているのだから相当の怪我をしていて動けないのも分からないでもない。
それにしては天井が病院のそれとは全く異なっていた
(頭も動かせない…声も出ない…どうなっているんだ…?)
「ルークス様〜ご飯のお時間ですよ〜」
(!?)
突然巨大な頭がにゅっと頭上に現れた。いや…俺が小さいのか…?
「よしよし」
(え、ちょちょ!なになになになに!?)
メイド服を来ている女性は服をはだけて胸を露出させると俺の顔に近づけてきた
(わ、ちょっ、やめ、やめろ〜!)
ぎゅっと目を瞑り口を固く閉じ、拒否の意を表してみる
「あらら?ルークス様御機嫌斜めかな〜?」
(ルークスって誰!?え?俺誰?)
「飲まないと駄目ですよ〜?ほら。奥地開けてください?」
(いやいや、待てよ?俺が赤ん坊になってるのか?そんな非科学的な…これは夢か…?にしては意識がはっきりしすぎてる)
暫く頑張ってたのだが根負けして羞恥心をしまい込み、無心。無心と意識しながらことを済ませることになった。
しっかりとげっぷもさせられ、ベッドに戻される
「ルークス様はおねむですか?ねんねしましょうね〜」
そう言えば今は幼児の身体なのだろう。ならば大量の眠りを必要としているのは当たり前ななのだろう
睡魔に抗うこと無く意識は落ちていった
暫くして目が覚めた。先程はよく見てなかったが右眼だけ変な霧のようなものが見える。これは何なのだろうか
それよりもさっきのメイドさんはまだそばに居たようだ。メイドという職業があるということは日本ではなさそうだ。よく小説とかである異世界ってやつか?
メイドがいるってことはそれなりに身分が高かったり裕福なのだろうか
だとしたらこのメイドの仕事は他にもあるのではないか
「わ!?いつの間に起きてたのですか!?」
しかしこの年でも声くらい出るよな…
「マリー。どうかしらルーちゃんの様子は」
「はい奥様。大変お静かでいい子です」
部屋の扉を開けて入ってきた女性はメイドさんの口ぶりからして俺の母親に当たるのだろうと推測する。
金髪の超絶美人でまつ毛なんかも長くて胸も大きく、抱擁力に溢れていて見とれてしまった。絶世の美女という言葉はこの人のためにあるのだと確信(?)してしまった
「ルーちゃん〜お元気かなぁ〜?」
(あなたのルーちゃんはこのなぞ状況に戸惑っているので抱き上げてふんわりと抱くのはやめてくださいな。)
ひとしきり満足したのか暫くしたあと額にに口付けして母親は部屋から出て行った
それからは俺の兄、姉にあたる人物がやってきた
兄は容姿端麗で出来るイメージ。
薄い青色の短髪で爽やか系でおっとりとした目元なんかが母親に似ている
姉はやはり母親のDNAを受け継いでるだけあってかなり綺麗だ。目元は少し迫力というか眼力みたいなものがあるので父親に似たのかもしれない。父親はまだ来ていないけど。
二人もひとしきり触ったり抱き上げたりした後部屋を出ていった
そして最後の父親だが夕食(また何とか耐えた)後にやってきた。仕事で遅れたかな?
薄い青色の髪に迫力のある目。歴戦の戦士の様な迫力を感じるがその中に家族への愛の様な優しさを感じる
父親はただ頭を撫でて微笑むと部屋を出ていった
異世界初日に起こったのはこのくらい。
今の症状を見る限り司郎の後遺症と同じ感じがする
右眼でのみ見える霧のようなものの正体も分からないままだ原因を考えたいがこの身体は眠りを欲しているので抗うこと無く眠りについた
***
「早速家族会議を始めるとしようか」
「父上。ルークスはやはり声が出ないのでしょうか?」
「そのようだな。しかし右眼…あれは神眼だな」
「神眼!?お父様それって魔力の流れを見ることが出来てより強力に魔法を使えるようになるっていう…」
「ああ。間違いない」
「貴方。でもルーちゃんは…」
「魔法を使うことは出来ないだろうな…」
「でも僕達の家族には違いない。ルークスはルークス。そうですよね父上」
「そうだ。ルークスには魔法なしで生きる術を教えなければならない。みんな協力してくれるな?」
グリアが同意を求めると3人ともいい返事をした
「勿論です! 父上」
「そうね…分かったわ。可愛い弟の為ですもの」
「流石私がお腹を痛めて産んだ子達ね。立派に育って母さん嬉しいわ」
「それではフィネア、俺が仕事の間ルークスのことは頼んだぞ。ヘリオスとモネもよろしく頼んだ」
それぞれ返事をして、その日の家族会議は終わった
***
翌日、午前。俺は兄ヘリオスと姉モネアリーゼに遊ばれた
生前の俺と同じくらいの年の二人に遊ばれるというのはなかなかに堪えた
午後からは乳母(俺の専属メイドらしい)のマリーさんに連れられて
外に散歩に連れていかれた
ベビーカーのようなものに乗せられて暫く進むと向こうからもベビーカーらしきものがやってきた
「あら!フィネアさんの所の次男坊のルークス様ですね?」
「ええ。サーリャさん。そちらはお子さんですか?」
「そうよ。この子はアリアローゼ。可愛いでしょう?」
「とても」
二人は暫く談笑を続けた
アリアローゼは赤い髪が生えていて小さいながらにとても顔が整っている。母親や姉の綺麗。とは違いアリアローゼは可愛いだ。
端的に言ってストライクゾーン。
無言で(声は元々出せないが)アリアローゼに右腕を伸ばす
ただ、生前の左腕のように右腕の動作障害に似た不快感があったため引っ込めようとした時アリアローゼも腕を伸ばしてきた
「あ〜う〜」
(かわいい)
「あらあら〜これは将来この子も玉の輿あるかも…?なんちゃって!」
「ふふふ。有り得なくもないかもしれませんよ?ルークス様が興味を示すものってなくて、今初めて自分からなにかしようとしたんですよ」
「それは本当にアリアローゼにもチャンスがありそうですね」
お互いにふふふと笑い合っているアリアローゼ母とマリーさん
微妙に恥ずかしい
そして近くの小さな湖を一周して家に戻った
ちなみに家はかなり大きかった。元の家の何倍あるんだろうか…
夜には昨日とは違い、俺のいた部屋ではなく、みんな同じ食卓を囲んでいる部屋で母乳を頂いた
今日の散歩での出来事をマリーさんが母親に話すと嬉しそうに笑ってこっちを見たあと
婚約の話をしてみようかと父親と相談していた
(いや、はやくね?てか玉の輿とか言ってたから貴族では無いよね?良いのかな世間体的に俺としては可愛いから寧ろカモンだけども…)
さらに数日後。アリアローゼがアリアローゼ両親と家にお呼ばれして遊びに来た
首も座ってないから俺はアリアローゼと同じベットで寝かされただけだが横では両両親が婚約の話を進めている
(いや、話進むの早くない!?この世界の住人は決断が早いのか!?)
そうは言っても嫌がる理由はないし何も出来ないからアリアローゼ…長いな。アリアのほっぺたをペタペタと触ってみる
…柔らかい。癖になる
ぷにぷにやってるとアリアも真似してぷにぷにし返してきた
「あーぅい〜」
(かわいい)
すると視線を感じ見て見ると全員が微笑ましいものを見る目でこちらを見ていた。
手がピタ…と止まり慌てて手を離してしまい、それを見ていた全員が笑った
「ルーちゃん恥ずかしがり屋なのね。ふふっ」
「ほんとね。ふふふ」
「なんだぁ?ルークス。男なら堂々といちゃつけばいいだろ?」
「ルークス様がアリアに興味持ってくれて嬉しい限りですね」
(止めてくれ…)
口々に冷やかしを入れてくる両親とアリア母。
ちなみにアリア父は空気になっていた
いきなり娘と貴族の次男と婚約の話は気が重かったのだろうか。
アリア母の肝は据わっているなぁ
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