異変
村が点在している草原は基本的にそこまで強いモンスターは生息していない
村長の偉業である
村長の仕事は大きく二つに別れる
常駐村長と非常勤村長
常駐村長は周辺地域の均衡を保つ仕事
非常勤村長は突然沸いたモンスターの鎮静化や人間同士の諍いの仲裁から夫婦喧嘩まで
まぁ何でも屋である。
私は退屈なのは嫌いなので非常勤をよくやっている
ニートになる前は自然発生する野盗の駆除とかしてたなぁ
「次の街はと」
お、見えてきた見えてきた
「見張りの兵がいないわね…」
「この俺の歓迎がないとはこの村は見る目がないな!」
何を言っているのかこの男は
さらに近づき入口も目前というあたりまできたが本当に誰もいない
「休憩中かな?」
「不用心な所じゃのう」
…
街に入るといよいよ異常さが出てくる
見える範囲ではあるが人がいないのである。
「集団失踪でもしたのか?」
「いや、人の子の気配はするのぅ、皆家にいるようじゃ」
明らかにおかしい…
最初の村も覇気はなかったがここまでではなかったはずだ。
異様な雰囲気を感じつつ更に歩を進める。
街の中央と思われる広場に到着した
ここに来るまでに辛うじて数人の人間が外を歩いていることに安堵しつつも街の規模としては人がやはり全然いない。
「ちょっと周り見てくるから待ってて」
まずはこのでかい中央にある通りを見ておこう
街は縦断しておりそこに宿屋や食堂などが並んでいる
奥には役所のようなものを見える、後で代表がいれば挨拶しに行こう。もしかしたら村長が赴任しているかもしれない
宿屋の前まで来た。営業はしているようだ。
ドアを開け挨拶しながら入る。
「こんにちは~旅の者ですけど三人大丈夫ですか?」
薄暗いながらも明りが灯っており営業していることが分かる。
人はいないようだが・・・
フロントのベルを鳴らすと奥から宿屋の主人が出てきた
「・・・らっしぇ」
無愛想だなぁ
「三人大丈夫ですか?」
おそるおそる確認
「・・・うぇーい」
それはOKなのか?
無言で宿帳を渡され名前を記載し主人に渡す
「お願いします」
無言で鍵を二つ渡される
そのまま奥に消えそうになったご主人
ちょっとあまりに異様な街の雰囲気が気になりすぎるので確認してみる
「あの、あんまり人を見かけなかったのですが、何かあったのですか?」
聞くと主人はちょっと考えあぐねたあとに一言
「働く意味ねぇしなぁ」
…どういうことだろ?
「どういう意味で」
「まぁごゆっくり」
話を切り上げられてしまった
まぁ仕方ない、もうちょっと付近を探索してからジェノ達と合流しよう
そのあとも付近を見て回ったが結果として宿屋や食堂が空いてるというくらいで食堂の主人もやる気なさげだった。
「あんまり成果なしかぁ」
とぼとぼと合流場所に戻り一人ごちる
村の中央まで戻った私を待ってたジェノとミケは噴水の縁に座ってなにやら話している様子。
「俺の左手にはドラゴンが封印されていてな」
「ほぅ、お主もドラゴンを?」
「ということはお前も?」
「いや、わしがなんじゃが…それは置いといてどこのドラゴンが封印されているのじゃ?」
「くくく、聞いて驚け!この腕には闇のドラゴンバハムートが封印されているのだ!」
「そうなのか!…ん?バハムートだったら先月会ったが元気にしてたような…?」
「どうした?」
「ん?…あ、あぁそれは凄いのぅ!」
「そうだろう、そうだろう!」
仲良くやってるの…かな?
「沙耶、何かわかったのかぇ?」
「いやー、全然。街全体に元気がないってことくらいかな」
「ここでまた水浴びでもする?」
「倫理的にも影響的にもやめて!」
街が元気になる前に私たちがお縄になる。
「まだ代表に話聞いてないからちょっと行ってくるね、中央通りに宿屋あったから先に入ってて」
言いつつ鍵を渡す。
さて、何が起こってるのか聞きに行きますか




