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死にたいときに読むテクスト  作者: 美凪ましろ
第三章 遠野の希死念慮
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ウェブ小説にハマり過ぎたときの失敗談



『死』を目の当たりにした話の次は。


『死』に近づいたときの話をしてみましょう。


 自戒の意味も込めて。



 前述の通り。遠野は、ウェブ小説を書くのが趣味です。でも。


 子どもが寝るのが遅めなので。頭んなかに次々妄想が浮かぶのにちっとも文書化できず。ものすごくストレスでした。なので。


 毎週金曜と土曜の0時から朝方6時までにかけて。


 ぐわーっ、と書いていた時期がありました。そんで朝7時まで一時間程度寝る。子どもが起きたら一緒に活動……、


 そんな日々を四ヶ月ほど送ったときですかね。


 ある小説を書くのにハマり過ぎて。四日間でトータル四時間ほどしか眠れなかったことが、あったんですよ。


 遠野は基本的に『俯瞰する』主義なのですが。キャラクターに肩入れはするけれど『突き放した』観点を持つよう意識する。


 あのときばかりは、話が別でしたね。


 三回推敲して、三回とも大泣きでした。びっくりでした。自分の小説にそこまで感情移入するのは久々、いや、初めてくらいの度合いだったので。


 で。


 眠れなくっても。無理に日常を過ごしました。全然眠れていない休日。ヘロッヘロで、子どもを抱っこして渋谷に行ったあのときがかなり……、しんどかったですね。いま思えばひとりだけ部屋で寝ていても良かったのに。でもそれが許されない状況下にありました。


 あけて、月曜。


 仕事をするつもりが……捗らない。


 普段は十五分程度で終えられる仕事に、一時間も費やしてしまう。なにこれ。


 周囲の目線が気になって気になって仕方がない。本当は誰も見ていやしないのに。


 みんなの打鍵音が、やけに耳に入る。たたたたん、たた、たた……!


 頭がぐわんぐわんする。心臓苦しい。やばい。やばいやばいやばい。気が、狂う……!


 結果。昼休み中にいつものクリニックに電話をして。会社を早退して診て頂いたんですけど「いや遠野さんの飲んでいるお薬って眠りを促す作用があるんですよ?」と不思議な顔をされて。


 絶望的な気持ちになりました。……薬。


 確かに、一時期、効果ねーやんと飲んでいない時期もあったけど……。


 わたしの状況は相当切羽詰まっていたので、一種類薬を足して貰いました。


 ちょうど子どもが気管支炎をこじらせている時期だったので。二重苦でしたね。


 薬を飲まない我が子に苛々させられ。


 どんなに説得しても、飲まない。アイスクリームに混ぜてようやく……な感じで。


 寝るのを待つのもですけどすっごい苦しかったです。薬局行けば薬飲ませてないことを怒られましたしね。飲みきってください! えでもどうやって……、とこっちは半べそ。


 もろもろが重なった結果。一週間、会社を休みました。


 とても、仕事をできる状況下になかったので。――眠れない。


 布団に入っても意識が冴えていて。小説の世界がわんわん流れ来る興奮状態で……無理。


 でも。


 からだは絶望的に辛い。疲労感半端ない。だから寝たい。なのになのに。


 眠れない……!


 発狂寸前でしたねえ。棺桶に片足突っ込んでました。


 ひたすら布団のうえで寝る→起きるを繰り返し、頭はバーンアウト状態。やたら喉が乾くので一日に二リットルの水を三回飲んだりも。でお腹くだしたり。


 眠れないことに端を発するうつ症状も出始めていました。


 寝る時間は。


 最初は2:30。だったのが、徐々に、徐々に、……ゆっくりと伸びていきました。昼寝もしましたね。とにかく眠れるときに眠る、それを断片的に繰り返し……。


 パニック障害の持ち主ではないんですが。でも寸前まで行きました。これ以上行くとやばい、『発作』が起きる救急車救急車……! 先生助けて!


 その都度。わたしは自分を奮い立たせました。――こんなところで負けるな!


 おまえには。書きたいものがたくさんあるんだろ!?


 こんなところでくたばってるようなタマじゃねーだろが!


 夢がたくさんあるんだろ! すこしは叶えてからにしろ!


 だからこれは一人で乗り切ろ! 大騒ぎにするな! 薬だって休みだって貰ってんだろ! 甘えんな!


 てめーの問題なんだからてめーでどうにかしやがれ!


 ……小説書いているとこういうときに便利ですね。らくーに別キャラ降臨させることができるんで。


 少々口の悪いほうの自分に叱咤激励されて、乗り切りました。


 ……まーちゃんまーちゃん大丈夫。


 と、部屋んなかでぐるんぐるん歩き回りながら呟いていたときもありましたね……。傍から見ると完全変なヒト。


 症状には、その後、約一ヶ月、悩まされまして。


 外で発作が起きそうになり、慌ててソラナックスを飲む、なんてこともありました。


 保育園に子どもを迎えに行く際、急に『不安』になり。


 脳内に『三百六十五歩のマーチ』を刻んで自分を励ますことも。歩くテンポをあの曲に合わせて1・2・3……いまでもこころの支えです。


 まあ本当……、趣味のことで仕事に支障をきたすなんて社会人としてお恥ずかしいお話です。関係者には大変迷惑をかけました。一時は。


 小説書くのやめようかなあ……。


 と、思った時期もあったんですが。でもわたしの場合。


 書かないとどうにもならない病気なんです。そう。病気。


 小説やエッセイのネタが浮かぶとぐるんぐるんそれがお腹んなかで駆け巡り、文書化しないことには人間としての有体を保てない。そういう気の毒なひとなんです。


 それで書けるのが超人気小説だったら蝶よ花よ~だったんでしょうけど。でも現実は見ての通り。けどまあ。


 そんなには、悲観視していません。まあいつか、みんなに面白いって言って頂ける代物を編み出せるに違いない……と信じてなんとか続けています。


 休日は0時までに眠るって決めてたんですが、最近はAM1時にずれ込むことも多々……。


 ちなみに夜中に書くのは、医者いわく時差ボケ状態に陥るんで、良くないそうです。参考までに。


 仕事に支障をきたさぬことを意識しつつ、これからも書き続けていきます。


 *


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