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ブレイブ クロス〜調律者は運命を奏でる〜  作者: くろのわーる
第一章

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第40話:感化

アンジェが敗北を認め、観戦していたメンバーが2人の元に歩み寄ってくる。


最初に口を開いたのはライガだ。


「良い闘いだったな。」


「ありがとうございます。」


「・・・・」


アンジェはうつむいたままだ。


「アンジェ、残念だったがこれに挫けることなく努力すれば、お前ならクルスに勝てるさ。」


「そうじゃのう、今回の闘いで自分に足りないものが見えたじゃろ?」


「(アンジェさんに足りないものって何だろう?)」


アンジェはうつむいたまま小刻みに震えている。


「アンジェよ、」



「うああわぁぁん」



レオンさんが何か言いかけた途中でアンジェさんが泣きだした。


よっぽど、悔しかったようで数時間、泣き止むことはなかった。


考えてみれば、最初に軽く一本取られ、頭を下げてまで臨んだ2回目はボコボコにされ、切り札を使うも技をパクられ、あまつさえ自分がやったことをやり返されての敗北だ。


恐らく、心とプライドをへし折られていてもおかしくない。


いくら強いと言ってもまだ、十代の女の子相手に我ながら鬼のような所業だ。


辺りが暗くなり、泣き疲れたアンジェさんはレオンさんにおぶられて街へと戻った。


今日のお昼にもお世話になった、パーティー魔拳行き着けの店ではアンジェさんの慰め会が開かれたが諸悪の根元たる俺はアンジェさんを見ていると罪悪感が湧いてくる。


時間が経つにつれ、ご飯をやけ食いしだしたのでなんとか少し元気を取り戻したのだと思うことにする。


俺が慰めても今は嫌みにしかならないので結局、声を掛けられず、この日はみんなと同じ宿に部屋を取り、休むことにした。


「(今日はアンジェさんには悪いことをしたけど、纏衣系で色々と勉強になったな〜)」


今日の闘いを一人振り返り、反省をする。


「(やっぱり、アンジェさんと比べると戦闘の経験が圧倒的に足りなかったな。特に防御面が)」


今まで受け流しに頼りすぎていて基本の防御がおざなりになっていたことを深く反省する。


こればかりはコツコツと地道に積んでいくしかないので変わりに新しくスキルを取得して少しでも補おうと思う。



遠目5SP

暗視5SP

隠密5SP

罠設置5SP

カウンター5SP

細剣術5SP

大剣術5SP

斧術5SP

棍棒術5SP

鞭術5SP

暗殺術10SP

棒術5SP

弓術5SP

盾術5SP

魔弓術10SP

騎乗5SP

紡績5SP

裁縫5SP

転移魔法500SP

精神集中20

命中10SP

集中5SP

防御5SP

レジスト10SP

テイム5SP

従魔強化10SP

味覚強化5SP

視覚強化5SP

パリング5SP

ノックバック5SP

ノックバック耐性5SP

火耐性10SP

水耐性10SP

風耐性10SP

土耐性10SP



スキル欄を見渡し、防御とカウンター、集中にパリングスキルを取ることにする。


防御

防御技術が向上する。


カウンター

反撃の際、速度・威力が向上する。


集中

集中力が高まる。スタン耐性有り。


パリング

武器を使用した防御技術が向上する。


1100SP消費してスキルを最大で取得した。


「(防御スキル、カウンタースキルが最大になった為、魔拳皇術に統合されました。)」


「(集中スキルが最大になった為、冷静沈着に統合されました。)」


「(パリングスキルが最大になった為、魔剣皇術に統合されました。)」


残りのスキルポイントは260SPだ。


スキルを取得し終わり、休むことにする。



◇◇◇◇



翌朝、みんなで食堂へ行き、朝食を食べるが昨日の闘いからあまり時間が経っていないのでなんだか気まずいなと思っているとアンジェさんの方から声をかけてきた。


「クルス君。」


「はひぃっ!?」


突然だったので声が裏返ってしまった。


「昨日は私の完敗だったけど、次は負けないからまた、闘ってね。」


「はい!喜んで!」


ほんとは嬉しくはないがそんなことは言えない。


アンジェさんは吹っ切れたのか勢いよく朝食を食べだした。


「(とりあえずはひとまず、一件落着なのかな?)」


アンジェさんとの確執が一段落したところでライガさんが話し出す。


「クルス、今日の予定だが午前中にレオンと闘って午後からは強制依頼の精算をするぞ。」


「よろしく頼む。」


レオンさんが頭を下げてくるので俺も下げておく。


「・・・はい。」


昨日の夜にコツコツ頑張ると誓ったばかりだがやはり気が少し重い。


「(まあ、一合撃ち合えばスイッチが入っちゃうんだけどな。ははっ)」


一時の休息、朝食の時間も終わり、昨日と同じ場所へ移動する。


移動の間にレオンさんとの闘いを考える。


「(レオンさんは獣人だから身体能力が高いんだよな。どれくらい高いんだろう?)」


獣人の人とは闘ったこともなければ、闘いを見たこともないのでさっぱり、想像がつかない。


「(とにかく、アンジェさんよりも上なのは間違いないんだろうな。)」


考えが浮かばない内に闘いの場へと着いてしまった。


昨日と同じように俺とレオンさんを残してみんなは離れていく。


「我が輩はいつでも闘えるがクルス殿はどうだ?」


会った時から思っていたがレオンさんの話し方、武士みたいだな。


「少し待ってください。」


余計な事を考えていると大怪我をするかもしれないので柔軟体操をしながら闘いに集中するようにレオンさんを観察する。


「(レオンさんもライガさんみたいな強靭でしなやかそうな筋肉をしてそうだな。皮下脂肪率は一桁だろうな。獣人の人は脱いだら毛深いのだろうか?)」


俺はまじまじと見ているがレオンさんは目を瞑り、精神統一しているようだ。


結局、集中どころかいつもの通り、余計な事ばかり考えている内に柔軟も終わり、レオンさんに声をかける。


「レオンさん、お待たせしました。」


「うむ。」


闘いの合図をする為、ライガさんも待っていたようで俺達の中央に歩み出す。


レオンさんが構える。


「(なんだ?あの構え?)」


レオンは握り拳を作らず、手は開いたまま爪を立てて、まるで今から人を驚かそうとしているような構えだ。


「(いかん、いかん。油断は禁物だ!)」


俺も構える。


ちなみに今日は最初から無手で挑む。


自分では気付いていないがパーティー魔拳の人達に感化されていることは間違いない。


今日の構えは太極拳を真似て、流れるように身体全体を使い、しっくりきたところで止める。


ライガさんは俺の準備が整ったことを確認すると合図の掛け声をする。



「はじめっ!」



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