第14話:ふーふー
「(スキル、HP回復速度上昇を習得しました。)」
アナウンスの声で意識が覚醒する。
なんでスキルを覚えたんだ?
不思議に思いながらも目を開けるとそこは最近、見慣れてきた天井が見えた。
どうやら、俺が借りている部屋みたいだ。
しばし、ボーっとしていると顔の右側にフワフワで気持ちよい物体が触れてくる。
「(ピノか。)」
振り向こうと首を動かすと全身が千切れそうな痛みに襲われる。
「ぐはっ」
そして、痛みで思い出す。
訓練でヒューイさんに一撃を入れた後、凄い技で吹き飛ばされて意識を失ったんだ。
それにしても、ヒューイさん凄かったな。
あれがAランク冒険者の実力なのか、二つ名を持つヒューイさんが特別なのか、どちらにしても先はながそうだ。
とにかく、今はこの身体の痛みをなんとかしないとな。
「ヒールウォーター!」
全身を魔法の光が包み込む。
回復魔法を掛け終わり、動こうとすると、再び痛みが襲いかかってきた。
まだ、足りなかったのかと思い回復魔法をかけ直す。
「ヒールウォーター!」
身体の痛みに変化はない。
「ヒールウォーター!」
変わらない。
なんで効かないのか考えていると扉を開けてエミリアさんがやって来た。
「クルス君、目が覚めたみたいね。体はどう?まだ、痛むでしょ。」
「はい。全身が千切れそうに痛いです。」
「ほんとにヒューイがごめんなさいね。クルス君の代わりに私がコッテリと絞っておいたからね。」
ヒューイさん、やつれてそうだな。
「ところでエミリアさん。」
「何?トイレに行きたくなったの?」
「違います!」
「ん?」
「さっき、ヒールウォーターを使ったんですけど、効果がないみたいなんです。どうしてですかね?」
「ヒールウォーターは残念ながら外傷を治すだけで今のクルスのケガを治すには治癒士が使う回復魔法じゃないと効かないのよ。」
そういえば、以前の訓練の時、エミリアさんがヒールウォーターをかけてくれて、次の日は痣が一切なかったけど、体は痛かったな。
「残念ながら回復魔法を使える人が出かけていていないのよ。」
「そうなんですか。ちなみに回復魔法はどうやって覚えるんですか?」
「ヒールウォーターを他人に使っていたりするとたまに職業、治癒士を覚えるらしいわ。回復魔法を使える人自体そんなに多くないから重宝されるわね。」
「そうですか。エミリアさん、試しにヒールウォーターかけてみてもいいですか?」
「いいわよ。」
ものは試しだ。
「ヒールウォーター!」
「ヒールウォーター!」
「ヒールウォーター!」
「クルス君?まさか、覚えるまで続ける気?」
「だ、駄目ですか?」
「ケガ人なんだから無理しちゃ駄目でしょ!」
「じゃあ、後少しだけ。」
「もう!少しだけだからね!」
「はい。」
ワガママを言って、もう少しだけ付き合ってもらう。
「ヒールウォーター!」
「(職業:治癒士が選択可能になりました。)」
治癒士1/40
魔力感知5SP
魔力制御10SP
回復魔法5SP
RES強化100SP
「あっ!職業、覚えました。。」
「・・・もう、さすがとしか言いようがないわね。治癒士も覚えたみたいだし、今日は大人しく寝てるように。」
「はい。」
「後でご飯持ってくるからちゃんと寝てないとダメだからね!」
「はい。」
大人しく返事をし、また天井を見つめる。
退屈だ…。
そうだ!スキルポイントを消費しようと思い、ステータスを開く。
クルスLV:42
冒険者LV:6/40
魔術士LV:6/40
HP:1270
MP:860
SP:640
ATK:430
DEF:344(+20%)
INT:344
RES:430
TEC:430
SPD:516(+20%)
LUK:300
★短剣士、★拳士
地図Lv:MAX
索敵Lv:7/10
気配感知Lv:8/10
気配遮断Lv:8/10
危険察知Lv:1/10
剥ぎ取りLv:5/10
体術Lv:7/10
短剣術Lv:7/10
回避Lv:8/10
軽業Lv:5/10
胆力Lv:7/10
火魔法Lv:5/10
水魔法Lv:5/10
風魔法Lv:5/10
土魔法Lv:5/10
雷鳴魔法Lv:1/10
爆裂魔法Lv:1/10
氷結魔法Lv:1/10
樹木魔法Lv:1/10
魔力感知Lv:5/10
魔力制御Lv:6/10
魔力遮断Lv:5/10
瞑想Lv:1/10
HP回復速度上昇Lv:1/10
麻痺耐性Lv:1/10
そして、習得可能なスキルはこれだけだ。
アイテムボックス600SP
夜目5SP
暗視5SP
隠密5SP
罠設置5SP
受け流し10SP
見切り10SP
カウンター5SP
鞭術5SP
二刀流10SP
暗殺術10SP
槍術5SP
棒術5SP
回復魔法5SP
騎乗5SP
料理5SP
転移魔法500SP
テイム5SP
絆の力5SP
従魔強化10SP
味覚強化5SP
威圧10SP
無音歩行10SP
ATK強化100SP
DEF強化100SP
INT強化100SP
RES強化100SP
TEC強化100SP
SPD強化100SP
さて、どうするか?
新しく習得可能になったスキルが気になるのでまずは新しいスキルから取得しようと思う。
それにしても、効果が判らないスキルが結構あるけど、なんとかならないかな?
時間のある時にでもヒューイさんかエミリアさんに聞いてみるかな。
最初に取得するスキルは回復魔法だ。
30SPを消費してレベル3まで取得する。
さっそく、回復魔法で身体を癒やす。
「キュア!」
身体中の痛みが薄れていく。
その後、2回ほど魔法をかけると痛みは完全に消えた。
「(よし!動ける!)」
次に取得するスキルは絆の力だ。
効果は全く判らないが名前から言って悪くなさそうなので取得してみる。
5SPを消費して取得する。
「(スキル、絆の力LV:1/10を取得しました。使い魔のステータスが確認可能になりました。」
「(お〜、さっそく見てみよう。)」
ピノ(使い魔)
レベル1
HP30
MP30
ATK:15
DEF:7
INT:15
RES:10
TEC:7
SPD:20
LUK:150
俺ほどではないがLUK値が高いな〜。
後はSPDも高いみたいだけど、基準が判らないからなんとも言えない。
要経過観察だな。
後は二刀流と受け流しと見切りと無音歩行が気になるので取得する。
4つともスキルレベルを5にし、600SP消費して5SPを残して今回のスキル取得を終える。
地図Lv:MAX
索敵Lv:7/10
気配感知Lv:8/10
気配遮断Lv:8/10
危険察知Lv:1/10
剥ぎ取りLv:5/10
体術Lv:7/10
短剣術Lv:7/10
二刀流Lv:5/10
回避Lv:8/10
受け流しLv:5/10
見切りLv:5/10
軽業Lv:5/10
無音歩行Lv:5/10
胆力Lv:7/10
火魔法Lv:5/10
水魔法Lv:5/10
風魔法Lv:5/10
土魔法Lv:5/10
雷鳴魔法Lv:1/10
爆裂魔法Lv:1/10
氷結魔法Lv:1/10
樹木魔法Lv:1/10
回復魔法Lv:3/10
魔力感知Lv:5/10
魔力制御Lv:6/10
魔力遮断Lv:5/10
瞑想Lv:1/10
HP回復速度上昇Lv:1/10
絆の力Lv:1/10
麻痺耐性Lv:1/10
スキルもかなり増えてきたな。
そろそろ、的を絞ってレベルを上げるようにしないとな。
「クルス君、夕食持ってきたわよ。」
「エミリアさん、ありがとう。」
臭いに釣られてピノも起き出す。
「ミャ〜!」
「ピノちゃんの分も持ってきたわよ。」
「ミャ〜!」
俺はご飯を食べる為に上体を起こす。
「クルス君、無理しないで!」
「えっ!?大丈夫ですよ。」
「だって・・・まさか、もう回復魔法覚えたの?」
「・・・はい。」
「ほんと信じられないわね。」
「あはは・・・」
笑ってごまかしておくがエミリアさんも苦笑いだ。
「まあでも、今日は私が食べさしてあげるわね!」
「お願いします。」
その後、ふーふーしてもらいながら食べさしてもらったがなんだか恥ずかしかった。
「食べ終わったから食器片付けるわね。」
「お願いします。」
「それと明日はキチンと休むこと!冒険者にだって休息は必要なんだからね!」
エミリアさんに強く言われては逆らえない。
「はい。わかりました。」
「よろしい!じゃあ、ゆっくり寝るのよ。」
「エミリアさんもおやすみなさい。」
「おやすみなさいね。ピノちゃんもね!」
エミリアさんは食器を持って戻っていった。
エミリアさんに休息すると約束させられてしまったが明日は何しようかと思い考えているとノックが響く。
「コンコン!」
「どうぞ〜」
入ってきたのわ、ヒューイさんだ。
「身体のほうは大丈夫か?」
「はい。大丈夫ですよ。」
エミリアさんに怒られた後だからか、いつもより覇気がない。
立たせたままでいるのもあれなんで部屋に備え付けの椅子を勧める。
「悪いなぁ。」
「それでどうしたんですか?」
「・・その・・なんだぁ・・」
歯切れが悪い。
「昼間は悪かったな。手加減したつもりだったんだが」
「気にしてないので大丈夫ですよ。それより、今日見せてくれた技は何だったんですか?」
目を輝かせて聞いてみる。
「ああ、あれは色々だな・・・」
「・・・あれ?急に身体が痛くなってきたな〜。」
「待て!?ちゃんと説明してやるから、その下手くそな演技を止めろ!」
ヒューイさんは一つ溜め息を吐くと説明し始めた。
「まず、最初に使った魔法は風纏衣と言って風魔法の上級技術だ。風以外の属性魔法にも存在し、火魔法なら火纏衣、水なら水纏衣ってな。」
「格好いいですね!」
「まあな、俺の二つ名の由来の一つになっている魔法でもあるからな。」
俺も覚えたら、二つ名つくのかな?
「次に使ったのは魔闘術だ。」
「拳に風を集めた技ですか?」
「そうだ。魔闘術を習得するには職業で魔闘士を覚える必要がある。」
「魔闘士はどうやったら覚えれるんですか?」
「魔闘士になるには拳士と魔術士をマスターすれば、選択可能になる。」
「風纏衣に比べて魔闘術の方がMP消費量が少なく済んで、使い勝手もいいからな覚える気があるのなら早めに覚えるといい。」
「はい!」
「それと今日の訓練で思ったが正直、言ってお前は強い!ランクで言えば、もうCランクくらいの強さだろう。だからは訓練の日を減らす予定だ。」
どうやら、苦しい訓練から多少は解放されるみたいだ。ヤッホーイ!
「時間がある時なら、いつでも訓練に付き合うぞ。」
「なら次はヒューイさんに膝をつかせてみせますよ。」
「次もボコボコにしてやるよ!」
ヒューイさんに覇気が戻ったようだ。
「とにかく、今日はゆっくり休めよ!」
「はい。ヒューイさんもエミリアさんのご機嫌取り頑張ってくださいね!」
「うるせー!」
ヒューイさんが出て行き、ベッドで再び横になるとピノが定位置と言わんばかりに枕で丸くなり、身を寄せてきた。
ピノの体温を感じながら目を閉じていると自然と眠りにつけた。
お読みいただきありがとうございました。




