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ブレイブ クロス〜調律者は運命を奏でる〜  作者: くろのわーる
第一章

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第11話:人妻属性ですか?いえ、年上属性です

狩りを終えて大森林を抜ける頃には空が夕日色に染まっていた。


「(ちょっと、長居し過ぎたかな。)」


駆け足で村へ向かっていると村の入り口に人影が見える。


さらに近づいていくと俺に向かって手を振ってきた。


「エミリアさんだ!」


俺は速度を上げて近づいていく。


「エミリアさん、ただいま!何かあったんですか?」


「何かじゃないわよ。クルス君が遅いから心配で待ってたのよ。」


「ごめんなさい。」


「いいわよ。無事に帰ってこれたみたいだし。」


エミリアさんに心配をかけてしまったようだ。


「クルス君も疲れてるだろうし、それじゃあ、ギルドに帰ろっか?」


「はい!」


エミリアさんと手を繋ぎ、ギルドまでの道のりを2人で帰った。


ギルドに着くと名残惜しいがエミリアさんと手を離し、さっそく今日の狩りの成果を見せる。


「エミリアさん!」


「何?」


「今日は大漁ですよ!」


「それは楽しみね!」


俺は期待を持たせ、今日の成果をカウンターへ次々に出していく。

ホロホロバード以外を出し終わる。


「まあ、こんなにも!?」


「まだありますよ。ジャジャーン!」


勿体ぶっていたホロホロバードを出す。


「ホロホロバードじゃない!すごいわ!クルス君!」


鼻高々だ。


「エミリアさんと一緒に食べたかったので頑張りました。」


「クルス君の気持ちだけでも嬉しいわ。ありがとうね!さっそく今日の夕食にしましょうね。」


夕食が楽しみだ。


「それから今回の報酬を渡すわね。」


今回の報酬は金貨6枚だった。


「おぉ〜!」


思った以上の金額に声が出てしまった。


「ほんと、すごいわ。Fランクに上がったばかりなのにEランクに上がるのもすぐよ。」


「ほんとですか?やったー!」


「でも、気をつけてね。一つランクが上がると魔物もそれだけ強くなるんだから。」


「はい。わかりました。」


「わかってくれたならいいわ。それじゃあ、夕食の準備しないとね。」


「僕も手伝います。」


「ふふっ。ありがと。」



今日の夕食は結局、エミリアさんと2人きりだった。

ヒューイさんはまだ、帰って来てなく、エミリアさんがいうには夜中くらいになるだろうとのことだった。


ちなみにホロホロバードはジューシーでとっても美味しかった。

エミリアさんも喜んでくれたのでまた、捕ってこようと思う。



夕食の片付けも終わり、エミリアさんは日課の裁縫をしている。

この世界では一般的に服は自分たちで作るらしく、たまに贅沢でお店で買うとのこと。。

一般的じゃない貴族や上流階級の人たちはお抱えの職人がいたり、高級店で買うのが普通らしい。


エミリアさんが集中しだしたので静かに部屋に戻る。


部屋に入るとベッドに横たわり、スキルポイントを使うことにする。


今日の狩りでレベルが上がり、得たスキルポイントは900SPだ。


そして、現在のスキルはこの通りだ。


地図Lv:MAX

索敵Lv:3/10

剥ぎ取りLv:5/10

体術Lv:6/10

短剣術Lv:6/10

回避Lv:7/10

軽業Lv:3/10

胆力Lv:7/10

火魔法Lv:1/10

水魔法Lv:3/10

風魔法Lv:1/10

土魔法Lv:3/10

魔力感知Lv:5/10

魔力制御Lv:5/10

魔力遮断Lv:1/10

瞑想Lv:1/10

気配感知Lv:6/10

気配遮断Lv:6/10

危険察知Lv:1/10

麻痺耐性Lv:1/10



さて、何から上げようかと悩むが必要なものから上げていくしかないという結論に至った。


まずは明日、ヒューイさんとの訓練があるだろうから短剣術と体術を上げる。


ともに1レベルずつ上げ、70SPを消費し、回避も1レベル上げ、40SP、軽業をレベル5まで上げ、45SP消費した。


次は今日の狩りで若干魔法の威力に物足りなさを感じたのでスキルレベル上げる。


火、水、風、土魔法をすべてレベル5まで上げ、310SPを消費した。


「(火魔法と風魔法がレベル5に達したので雷鳴魔法を取得しました。)」


「(火魔法と土魔法がレベル5に達したので爆裂魔法を取得しました。)」


「(水魔法と風魔法がレベル5に達したので氷結魔法を取得しました。)」


「(水魔法と土魔法がレベル5に達したので樹木魔法を取得しました。)」


「おぉー!」


思わず、大声を出してしまった!


また、一気にスキルが増えたがとりあえず、置いておこう。

それと魔力制御をレベル6にして60SP消費した。

残りのSPは375SPだ。


今日の狩りではレベルを上げた索敵系スキルが役に立ったのでさらにレベルを上げることにする。


索敵をレベル7にして110SP、気配察知と遮断をレベル8にして150SP、魔力遮断をレベル5にして75SP消費した。


残り40SPは残しておく。


スキルはこんな感じになった。


地図Lv:MAX

索敵Lv:7/10

剥ぎ取りLv:5/10

体術Lv:7/10

短剣術Lv:7/10

回避Lv:8/10

軽業Lv:5/10

胆力Lv:7/10

火魔法Lv:5/10

水魔法Lv:5/10

風魔法Lv:5/10

土魔法Lv:5/10

雷鳴魔法Lv:1/10

爆裂魔法Lv:1/10

氷結魔法Lv:1/10

樹木魔法Lv:1/10

魔力感知Lv:5/10

魔力制御Lv:6/10

魔力遮断Lv:5/10

瞑想Lv:1/10

気配感知Lv:8/10

気配遮断Lv:8/10

危険察知Lv:1/10

麻痺耐性Lv:1/10



スキルのレベル上げも終わったので体を洗い流してこようと思う。


昨日まで知らなかったがこのギルドにはお風呂場ならぬ体の洗い場があるとのこと。

当然、湯船はないが地球の季節の春頃にあたる為、井戸での水浴びはまだ寒く、有り難く使わせて貰う。


それに魔法でお湯が出せないか試してみる予定だ。


着替えを持って、一階へ降りていく。


エミリアさんはいつヒューイさんが帰って来ても分かるようにか、ギルドのテーブルで縫い物を続けていた。


「エミリアさん、先に洗い場使わせて貰いますね。」


「ちゃんと綺麗に洗うのよ。じゃないと女の子にモテないからね!」


「は〜い」


ギルドの裏口から外に出てギルドの建物沿いに歩いていくと洗い場への入り口があった。


入り口から入ると1畳ほどの更衣室があり、洗い場は2畳ほどの広さで角に石鹸と大きめな桶が置いてあった。


壁は木の板で屋根もあり、天井に明かりの魔道具が吊り下げられていて、中から開閉可能な小さな木の窓がついていた。


俺はさっそく、裸になり桶に向かって魔法を試す。


イメージはそのまま、手からちょうどいい湯加減のお湯を垂れ流すイメージで集中する。


ジョボジョボジョボ


勢いはないがお湯を出すことには成功し、桶がお湯で満たされるまで出し続けた。


少し時間はかかったがさっそく体を洗おうと思った時、ノックが響く。


コンコン!


「クルス君、入るわよ。」


エミリアさんだ。

俺は思わず、返事をする。


「はい。どうぞ・・・ん?えっ!!」



俺、今裸じゃん!!



「やっぱり、ちょっ」


ガラガラガラ


浴室はお湯を出した為、湯気に満たされ、魔道具の明かりが間接照明のようにエミリアさんの裸をぼんやりと照らす。


「(裸っ!!!)」


驚きで俺は硬直し、血流が早くなり鼓動が高鳴るのを感じた。


エミリアさんも驚きの表情を浮かべる。

おそらく、湯気が立ち込めていたことに驚いたのだと思う。


「クルス君の背中を流しに来たんだけど、自分でお湯を沸かすなんてすごいわね!」


目がωに釘付けでエミリアさんの言葉が耳に入ってこない。


固まったまま、動かない俺を不思議に思ったのか近づいてきて、目線の高さを合わせ、再度話し掛けてくる。


「お〜い、クルス君聞いてる?」



再起動中・・・・



「はっ!?エミリアさん、なんで?」


「だ・か・ら、背中を流しに来たのよ。」


「あ、ありがとうござ、なんでやねん!」


心の底からこんなにも純粋にツッコミをしたのは初めてだ。


「自分の体くらい、自分で洗えるので大丈夫です。」


「もう!そんな冷たい事、言わないの!」


エミリアさんは強引に俺の体を洗い出す。


「ウソ!?ヒューイと同じくらい・・・」


エミリアさんは俺の俺を見て驚きの声を漏らす。

この身体は女神様の自信作だけあって色々と立派な造りになっている。


「背中だけでいいです!」


俺は慌てて背を向ける。


エミリアさんは優しく、背中を洗ってくれながら話し出す。


「最近ね。クルス君を見てると自分に子供がいたらこんな感じなのかな〜て、思うの。」


エミリアさんは慈愛のような母性で俺を見ているんだろうけど、俺は見た目は子供でも中身は大人なので女性として邪な気持ちで見てしまい、そんな気持ちの違いに罪悪感がハンパなく湧いてくる。


背中を洗い終わったエミリアさんは俺の髪を洗い始めた。


「違うわね。まだ出会って数日だけど、クルス君は私にとって大切な子よ。」


凄く嬉しいことを言われているのに背中にたまに当たるωの感覚に全て持っていかれそうだ。


俺は今、人類のほとんどがまだ達したことがない極地、興奮と罪悪感の狭間で葛藤している。


エミリアさんは俺の髪を洗い流し、優しく抱きしめてきた。


背中に!背中に突起物で経絡秘孔を打たれた!あべしっ!!気持ち的に血を吐いてしまいそうだ。


「クルス君さえ、良かったら私のことをお母さんて呼んでもいいのよ。」


この一言で頭が冷静になってくる。



「・・・エミリアさん」


そう呼ぶと背中越しでも悲しい顔をしているのが分かる。


「エミリアさんはいつも明るくて優しくて美人で料理が上手でお母さんというより、将来お嫁さんにしたいぐらい大好きです。」


思わず、エミリアさんが噴き出し、笑う。


「あはは、まさか告白されるなんてクルス君はいつも予想外ね。」


エミリアさんがあまりにも真剣だったから俺も真剣に言ってみただけなのだが。


「クルス君はいつも私の予想を軽々、越えていくわね。」


「そうですか?」


「そうよ!狩りだってそうだし、クルス君なら私の事をお母さんって呼んでくれると思ったのにまさか告白されちゃうなんてね。うふふ」


「さっきも言いましたがエミリアさんは俺にとって理想の女性ですよ。ヒューイさんが羨ましいです。」


「とっても、嬉しいわ。でも、クルス君の年でこんなにも年上の女性が好きなんて、女の子泣かせになりそうで将来が少し不安ね。」


まあ、中身は大人なんで自然と年上の女性が恋愛対象になってしまうからな。



その後、エミリアさんの分のお湯を出して、恥ずかしさがこみ上げてきたのでお礼を言ってから先に出た。


体を拭き、手早く着替えを済ませ、部屋に戻った。


まだ、濡れている髪を風魔法で乾かしベッドへと潜り、さっきのことを思い返す。


異世界に来てから初めての失恋ということになるのかな?

勢いで言ってしまったところもあるけど、ほんとのことでもある。


明日、顔を合わせるのが少し恥ずかしいぜ。


こういうのは過ぎたことを考えてもしょうがないので今日は寝ることにする。


明日も狩り、頑張ろうっと!



ちなみにヒューイさんは深夜くらいに帰って来たとのこと。



お読み頂きありがとうございます。

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