第0話:異世界イシス
異世界イシス。そこは女神ルシリスが司る世界。
イシスには様々な国や種族が存在し、共存と闘争を繰り返していたが人々は叡智を持って少しずつではあるが発展を遂げていった。
そんな世界を女神ルシリスは悲しくも愛おしく感じていた。
しかし、魔人族または魔族と呼ばれる種族は永きにわたり迫害を受けていた。
数は少ないがそれぞれが強力な力を持っていた為、他種族達から恐れられ妬まれていた為だ。
迫害は終わることがなく魔族達は滅亡寸前まで追い込まれるがある時、強大な力を持つ魔族が現れる。
その魔族は仲間の為に立ち上がり、自らを魔王と名乗り今まで迫害してきた他種族に戦いを挑んだ。
利害関係でバラバラな人類は結束した魔族に対抗出来ず連戦連敗を繰り返した。
このままでは人類が滅亡しかねない事態に陥り、人々は1つにまとまる。
そして滅亡を防ぐ為、力を合わせ、ある魔法を完成させるがその魔法で魔王を封印するはずが地球という世界から青年を召還してしまう。
青年は地球の神からチートを授かっており、後に勇者として魔王の封印を果たす。
魔王封印後、勇者は地球の知識や科学を広め、急激に世界は変貌を遂げていった。
勇者が広めた科学によりイシスは急激な発展を見せるがその代償として自然は破壊されつくし、勇者が広めた知識の中には大量殺戮兵器も含まれており、イシスは今までに類を見ない混迷を極めた。
その現状に女神は嘆き悲しみ、ある決断をする。
その決断とはイシスを本来あるべき姿に戻すことだ。
女神は勇者からもたらされた知識や科学を人々の記憶から忘却し、文明や兵器を取り除いたが力を使い果たし、全てを元に戻すことは出来なかった。
500年の時が経ち、魔王の封印が解け始め、国々で再び勇者召還の兆しが。
そこで女神は同じ過ちが起こらないように監視と粛清を担う使徒を地上に遣わすことに。
その使徒には勇者と同じ地球の人間にやらせることにした。