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第6話「王都初日」

各話だいたい2000字近くで投稿してるんですけどこれって少ないんですかね?

もっと詰め込んだ方がいいのか悩みます。

 王都に入るため門の方に近づくと門番の装備に目が行った。町の門番は最低限の箇所に鉄、あとは皮で作られていたのだが、王都の門番はほとんどが全身が鉄の鎧で覆われていて同じ門番でもこれだけ差があるのかと感じさせられた。

 門番に証明書を見せ王都に入るとたくさんの人で賑わっていた。辺りを見るとどうやらここら辺は商店が多く建ち並んでいるようで建物に掛けられた看板には剣と盾の絵が描かれていたり、ナイフとフォークの絵が描かれていたりと一目でだいたいどんな店かわかるようになっていた。

 最優先事項である情報収集をするために歴史書や社会情勢等について書かれた本を手に入れるため、本の絵が描かれている看板を探しながら王都を歩いて行くが、どれだけ探しても見つからなかった。

 本というものがそもそも置いていないのかそれとも稀少だから一般には取り扱いされていないのではと考えたツクヨミは治安維持のためだろうか、見回りをしている憲兵らしき男に声をかける。


「すみません、王都には初めて来たのでわからないことがあるのですがお聞きしてもよろしいでしょうか」

「む? ああ、大丈夫だ。答えられる範囲であれば問題ない」

「ありがとうございます。ここには本は置いていないのでしょうか?」

「ほん……ああ、本か。本は高級品だからここら辺の店にはおそらく置いていないだろうなぁ。置いているとしたら貴族向けの商品を取り扱う店がある高級店区画だな」

「なるほど、そうでしたか……ちなみにその高級店でしたら歴史書なども置いてますでしょうか」

「なんだ、歴史書の類でいいなら中央区画にある図書館に行けば読めるだろう」

「図書館があるのですか……助かりました、ありがとうございます」


 目当ての施設があることを知り気分が高まるのを実感しながらツクヨミは憲兵と別れ中央区画とやらに行こうとする。しかし日が少し沈み始めていたので図書館へ行くのは明日にして今日は宿を探すことにした。

 少し中央区画側に進むとベッドに人が眠っている絵が描かれている看板が掛かった宿らしき店は多く見つけたが昨日泊まった宿のように料理の看板も一緒に掛かってる店は見つからなかった。

 面倒だけど別にお金には困っていないから宿と食事は別々でいいかと思い適当な宿に入る。幸運にも一部屋だけが空いていたのでこの宿に決め、部屋を頼んだが一泊で銀貨4枚だった。

 1泊2食銀貨3枚だった昨日の宿を思い出し少し思うところもあったが小さな町と王都では料金が違うのは当たり前かと考え銀貨を払う。

 鍵を受け取り、どんな部屋かを確認するために中に入る。部屋は一人で休むには少々大きめだった。

 夕食を食べるため、一旦宿を出ると近くに食堂があったのでそこに入る。空いてる席に座り店のオススメを注文してしばらく待つとウエイトレスが肉、サラダ、パンをトレイに載せて運んできた。


「お待たせしました、こちら当店で一番人気のシュバリ牛のステーキセットです」


 昨日はシュバリ鳥、今日はシュバリ牛と同じような名前の肉が出てきたことからやはりこの国はAWO三大国の一つ、シュバリー王国で間違いなさそうだと考えながらウエイトレスに会釈し、早速料理を食べる。あまり調味料を使われていないのか塩やピリの味は控えめだったが肉は柔らかく、肉本来のうま味を感じて十分満足できた。

 食事を終えて、銀貨2枚という少々高額に感じる代金を払い食堂を出る。外は少し暗くなっていて通りを歩く人達も少なくなっていた。

 部屋に戻ったツクヨミは寝るには少し時間が早いかなと思いベッドに腰掛けアイテムボックスを開き、どんな物を持っていたかを確認することにした。

 鉱石やポーション、モンスターの爪や皮等の素材アイテム、武器や防具にアクセサリー等といろいろな物を空中スクリーンに表示された名前を見るだけに留めたり、アイテムボックスから出して直接見たり触ったりする。

 そしてかれこれ2時間程経ったところで今日はこの辺りでやめておこうと思いアイテムボックスを閉じる。

 アイテムを確認したところ、ゲーム時代と今でアイテムボックスの中の物に違いがあることがわかった。

 中でも大きな違いは鉱石やポーション等は一つ一つの大きさや形、色などが異なっていることだ。

 鉱石であれば大きさや色が違ったりすることから含有量の違い、そしてポーションはほとんどは同じ色だが中には若干色が薄かったり濃かったりすることから効果に違いがあるのかもしれないと推測を立てた。

 ゲームでは回復魔法を所持してるのでポーション類はあまり使ってこなかったが今は何があるかわからない状況、しかも回復魔法が特別扱いされている世界だ。おそらく使う機会が増えるであろうポーションの違いを確認できたことは僥倖であった。

 満足気な表情を浮かべてそろそろ寝ようかと思ったところで重大なことを思い出した。


「寝間着買おうと思ってたのにすっかり忘れてました……」


 再びアイテムボックスを開いて寝間着の代わりになりそうな防具を探したがドレスや和服、フルプレートアーマーといった寝間着にするのに適さない、そもそも着方がわからないものばかりであった。これ以上メイド服にシワをつけたくもないツクヨミは小恥ずかしく思いながらも服を脱ぎ、下着のまま寝ることにした。

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