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あなたの瞳に映るのは……。

作者: 麻沙綺
掲載日:2014/08/12

あなたのには、いつも私以外の人が映ってる。

一体、誰を見ているの?

私は、気になりその視線を辿る。

そこに居るのは、クラス一可愛いと言われてる、彼女。

その子は、私の親友。

彼女には、年上の彼がいるのに……。


あなたの想いは、届かない。


あなたのその優しい眼差しには、彼女を映してるの?

そんな愛しそうな瞳で、彼女を見ないで…。

嫉妬してしまいそうになる。

親友の彼女に当たり散らしてしまいそうで……。



ある日。

突然、彼から声を掛けられた。

「今日の放課後、残っててくれないか?」

私は、嬉しいのと恥ずかしいので、頷くことしか出来なかった。


ふと思った。

何故、私なのだろうか?

彼が好きなのは、親友の彼女のはずだ。


悶々と考えた。


あっ、そっか…。


私が、彼女と仲がいいから、仲を取り持って欲しいって相談だ。

きっとそうだ。

半ば強引に自分の中で結論をつけた。


放課後。

誰も居なくなった教室で、校庭を見ていた。

グランドから部活動の掛け声が時折聞こえてくる。



ガラッ……。

「悪い」

そう言って、彼が声をかけてきた。

私は、その声で振り返る。

彼は、部活を抜け出してきたのか、ユニフォーム姿だ。

私は、そんな彼に横に首を振った。

「…で、どうしたの?」

私は、そう聞いていた。

心臓が、破裂しそうな位ドクドクと音をたてる。


何を言われるんだろう?


予測は出来てる。

でも、怖い。

本人の口から直接、親友の名前を聞くのは……。


「君が、好きです。俺と付き合ってください」


えっ…。


私は、思わず彼を見いってしまった。


「…だってあなたは私の親友の事を好きな…」

って口を滑らせ、私は慌てて手で口を塞いだ。

「ハァ?俺が、好きなのは、君だよ。誰が、彼女の事を好きだって言ったの?俺、そいつに訂正しに行く」

って…。


あれ…?


じゃあ、私の勘違い…なの?


エッ……。

でも、あの優しい眼差しは……。


「俺が、何時も見てたのは、彼女じゃなく、君。君の笑顔が、俺を惹き付けていたんだ」


って……。


エッ…と、それは……。


「ねぇ、返事、聞かせてもらえないかな?」

優しい眼差しを私に向けてきた。


「私も、あなたの事が、好きです。よろしくお願いします」

声が、震えたけど、なんとか最後まで言えた。

恥ずかしくて、顔も真っ赤であろう私に。

「うん。よろしく」

って、満面な笑顔を見せた。


まさか、あなたの瞳に映っていたのが、自分だったなんて……。


思いもよらぬ解答をもらったようだ。



あなたの瞳に映るのは……私だった。




〈彼目線〉


何時も気になっていた。

同じクラスの彼女。

仲のいい友達と話してる時に見せる屈託の無い笑顔。そこだけが、向日葵が咲き誇ってるように見えた。君の暖かい笑顔を自分に向けて欲しくて、時折彼女を見つめてた。

たまに視線が合うと直ぐに逸れしてしまう君。

そして、寂しそうな顔をする君をみてると抱き締めてあげたくなる『傍に居るよ』って、伝えたくなる。


ある日、勇気を振り絞って。

「今日の放課後、少し残ってくれないか?」

彼女に告げた。

彼女は、照れてたのか、俯いて頷くだけだったが、それがとても愛しくて、直ぐにでも抱き締めたくなった。

……が、今は我慢だ。


放課後。

俺は、部活に顔を出して休憩時間に抜け出した。

教室までダッシュで走り抜ける。


彼女は、廊下に背を向けてグランドを見ていた。

約束、守ってくれたんだ。

それが、嬉しくて待たせてしまった罪悪感もあって、そっと声をかけた。

「悪い」

その言葉に彼女が振り向いた。

何か、切羽詰まった感じが俺を緊張させる。

「… で、どうしたの?」

彼女の戸惑いをよそにし。

さぁ、言うぞ。

「君が好きです。俺と付き合ってください」

言った。

…が、彼女は驚きと戸惑いの顔を見せた。

そして。

「…だってあなたは、私の親友の事をすきな…」

って言葉が彼女の口から紡がれた。

誰だよ。そんな事を彼女に言ったのは!

「ハァ?俺が好きなのは、君だよ。誰が、彼女の事を好きって言ったの?俺、そいつに訂正しに行く」

俺の口からそんな言葉が出た。

何て勘違いされてるんだ。

俺は、ずっと君しか見てなかったと言うのに…。

「俺が、何時も見ていたのは、彼女じゃなく君。君の笑顔が、俺を惹き付けていたんだ」

そう、あの向日葵の笑顔を傍で見たいから、今告げたんだ。

彼女の驚いた顔が、可愛くて仕方がない。

「ねぇ、返事聞かせてもらえないかな?」

俺は不安に思いながらも、彼女の返事を待つ。

心臓、破裂しそうなほど鼓動が早くなる。

何か、死の宣告を待ってるようだ。

君の気持ち、教えて…。


「私もあなたの事が好きです。よろしくお願いします」

って、顔を赤らめて俺を見つめてくる。

ヤバイ。

めちゃ、嬉しい。

俺は、満面な笑みを浮かべて。

「うん。よろしく」

照れ隠しをしながらそっぽ向いた。



ずっと見ていた彼女を自分の物に出来た嬉しさから、抱き締めたい衝動をグッとこらえていた。

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