VRMMO 装備と職業
転送された部屋には壁に武具が飾られており、目の前には長机といかにも「教官」っぽい男性が立っていた。因みに普通体型・・・。
『ようこそダチ君。ここでは装備の説明と、装備の選択・装備をしてもらう。まず装備の種類だが、武器・鎧・盾・頭・足・装飾がある。必ずすべて装備しないといけないわけではなく、例えば身軽さを重視して盾を持たないことを選んでも構わない。装備品の重さは種類によって差が大きい。説明のあとに実際に装備してもらうので、自身が疲れない程度の武具を選ぶのも大切だ。装備品を手に入れるには、ゲーム内の商店から買う・モンスターを倒す・鍛冶で作るか買う・クエストでの報酬、の4種類だ。ゲーム内の商店は金(単位はサクル)があればいつでもいくらでも買えるが特殊な能力は無い、一部のモンスターを倒すと極希に希少な装備品を落とす。鍛冶は「鍛冶」のスキルを持つプレーヤーしかできないが、元の装備品に金属を混ぜて強化したり属性をつけたりできる。クエストでの報酬はモンスターが落とすのと同じで希少なものが多い。』
(うーん。鍛冶スキルを取らなかったのは失敗だったかな?まあ、金を貯めて買うしかないか)
『では実際に武器から選んでもらう。ダチ君は近戦武器スキルを持っているから、以下の近戦武器から1種類を選んでくれ。各種類の初心者用武器を出すから実際に持ってみるといい』
そして机の上に、短剣・剣・大剣・刀・爪・グローブ・斧・大斧・杖(※ 魔法を扱うプレーヤー用)が置かれる。まず短剣から持ってみる。(小さいし軽すぎる・・・自分が戦うと滑稽な姿になりそうだな)。その後一通り全て持って少し振ったりしてみる。その中で重量的によかったのは大剣と大斧だった。特に大剣は片手でも扱いやすかったので大剣にすることにした。
『大剣にするのかい?では次に盾の装備を選んでくれ。装備しない選択もあるがダチ君は盾スキルを持っているから装備した方がいいぞ。』
机の上に、小盾・盾・大盾が置かれる。次は大盾から持ってみる。(他の人より身体が大きい自分でも3分の2くらい隠れるほど大きいな。でも見た目より軽いな・・・)大剣を右手に、大盾を左腕に着けてみる。(大剣もめちゃくちゃ重いわけではないからこれでもいけるな)
『大盾でいいのかな?大剣・大盾共に重量武具なのにすごいなあ。まあ、その体格なら納得だな。では他の装備も選んでいこう』
その後、鎧は服・軽鎧・鎧の中から鎧、頭は帽子・兜から兜、足は靴・グリーブからグリーブと、全て重い装備を選んだ。見た目では「一歩も動けないんじゃないの?」と思えるくらいだが、見た目より軽いおかげで全力疾走や長距離走をしなければ大丈夫である。
『装飾品は冒険する内にいずれ手に入るだろう。では装備は以上だ。因みに街中では装備は「半透明」か「透明」状態になる。どちらも他プレイヤーや物に当たることはない。目立ちたくないなら「透明」にしておくといい』
じゃあ「透明」しておこう。目立ちたくないし。と、その時目の前に《『職業 ランク1 重戦士』となりました》と表示が出た。
『所持スキル・装備が決まると『職業』が決まる。『職業』とはそのプレイヤーの大まかなスタイルを示すものだ。先ほど言った通り、他プレイヤーの装備は見えない事があり、スキルも一部のスキルを持っていないと見ることができない。しかし『職業』は誰でも見ることができる。チームやパーティーへの勧誘の目安になるだろう。スキルレベルや装備が良くなるとランクが上がるぞ。』
ふーん。とりあえず自分の重戦士の説明を見てみる。
《重戦士 大型の武器と盾を扱う戦士。ランク1職業の中でもトップクラスの物理攻撃力と防御力を併せ持つ。但し重いため鈍速になりやすい》
『ではこれから最初の街「イースト」に転送する。健闘を祈っているぞ』
そして自分は光に包まれていく。