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VRMMO まいちゃんとの2人組(前)

ログインすると『Bar Minority』2階の個室の真ん中に立っていた。個室はビジネスホテルのシングル部屋みたいな感じで、ベッド、机、服掛け、それとトイレは無いが浴槽はあった。


(自分は1人暮らしで1Kだからリアルと似ているな。トイレは必要が無いからだろうけど、風呂は気持ち良いから存在するのかな?)等と思いながら、今日はどうしようかと考える。


(アップデート後だから、やっぱり山に行こうかな。新たなクエストがあるかも知れないし。ただママが『明日以降ログインしたら是非この店に足を向けて頂戴ね』と言っていたので下りてママに顔を見せておくか。)ということで1階に下りてみると、ママとまいちゃんがカウンターを挟んで談笑していた。そのカウンターにはノートパソコンが置かれている。他の客はいないらしい。


「こんばんは(でいいのかな?)。ママ、まいちゃん。」


「あらダチ君こんばんは。寄ってくれたの?ありがとう。」


「ダチ君こんばんはー。」


「楽しそうにしていたけど、何を話していたの?」


「今日アップデートがあったから、パソコンでネットの情報サイトを見ているんだよ。新しい街やクエストの情報がどんどんアップされて来てるから、それを見ながら話していたんだよ。」


「そんなサイトがあったんだ・・・」


「ダチ君の事だからてっきり知ってるのかと思ってたんだけどなあ。情報サイトには攻略やアイテムやモンスターの情報だけじゃなくて、ゲーム内で撮った画像もあるんだよ。」


「昨日まいちゃんが撮ってたのもアップ出来るの?」


「うん、出来るよ。ただ海岸の画像はいっぱいアップされてるからしないけどね。そういえば『情報求』の所に『職業 重戦士』と『スキル 盾スキル』の項目があったよ。」


「そうなんだ。(目立ちたくないからアップする気は無いなあ。けど情報は共有する方がいいのかな?)新しい街はどんな感じなの?」


「北と南門から道沿いに行ったらそれぞれ違う街に着くみたい。けど、両方ともちょっと遠いみたい。それにモンスターも少し強くなっているらしいよ。北門からの街はここより少し寒いみたいで、南門からの街は海沿いにあるみたいだよ。」


(遠いのか。もしすぐに行けるなら行ってみてもいいかなって思っていたんだけど・・・)


「そうだ!ダチ君もし良かったら、街までは無理だろうけど途中まで一緒に行ってみない?新しい景色を見てみたいんだよね。」


「(うーん。山に行きたいんだけど、この流れで断るわけにはいかないよな。)いいよ。新しい景色を見たいのはぼk・・・おれも一緒だし。」


「いいの?ありがとう。じゃああたし寒いのは好きじゃないから南門から行ってみよー。」


「あ、行く前におれもカメラ欲しいから買いたいんだけど、売ってる所まで案内してもらえるかな?」


「いいよー。カメラ安いから買えるだろうし。」


「2人で外に出るの?私は今日はお留守番にするわ。武蔵君も今日はログインしていないし。もしかしたらお客さんが来るかもしれないしね。その代わりお弁当を用意するからちょっと待っててね。」


「あ、じゃあダチ君。お弁当を作ってもらっている間にカメラ買いに行く?」


「そうだね。じゃあママ、ちょっと行ってきます。」


「分かったわ。あ、まいちゃん。怖い人達に囲まれたら大声で叫ぶのよ?お母さんが心配するでしょうし。」


「はーい。ダチ君がいるから大丈夫だと思うけどね。」


と、話しが終わりまいちゃんと一緒に外に出る。




まいちゃん先頭で通りを歩く。何人かは此方を見ているが、昨日で羞恥心が無くなった自分にはどうでもよくなっていた。


「さっきの怖い人達って?」


「あたしが始めた時は知り合いがいなかったから1人で町を散策していたんだけど、路地裏に入った時に数人の男性が近づいて来てあたしを取り囲んできたの。いままで大人の男性に囲まれた事が無かったから怖くて壁に寄りかかりながら泣いちゃってたの。そして男性達があたしに触れようとした時にどこからかママがすごい勢いで走ってきて「そこで何をやっているのよ!」と大声で叫んだの。男性達はびっくりして逃げて行って、あたしはそのままママに「何もされてない?もう大丈夫よ。」と慰めてもらってそのまま『Bar Minority』に連れて来られて、「あなたの様な女の子が1人で路地裏に入っては駄目よ。」と怒られた後にあたしが同姓を好きになる人だと言うのがばれて、このチームに誘われたんだよ。」


「そんな話しがあったんだ。(確かに中学生のまいちゃんが1人で路地裏は危ないかな。少なくてもリアルでは駄目だろう。そしてママの直感スキルが異常だというのも分かった。)お母さんっていうのは?」


「さっきの事をログアウトした後でお母さんに言ったらすごく心配されちゃって、「もうやめた方がいい」って言われちゃったけど、ママがあたしの性癖に理解を示してくれたからどうしても続けたくて「ママのように理解してくれる人もいる。他にもそんな人はいるはず。」て言ってなんとか説得して、今は①ログインする時は必ずお母さんが見ている事。②時々お母さんがゲーム内の状況を確認する事。③お母さんが家にいる時しかゲームをしてはいけない事。を条件にゲームをする事になったんだよ。おかげでゲームする時間が減っちゃった。お母さんからは「その間に勉強しなさい」って言われているけど、気になって情報サイトを見ちゃうんだよね。」


「未成年がするにはちょっとハードルが高いかもね。参加人数が多すぎて運営も細かい所まで監視出来ないだろうし。条件はしょうがないんじゃないかな?お母さんも心配なんだろうし。あと性癖だけど、おれも理解はしているよ。同姓を好きになるって所は同じな訳だし。」


「ありがとう。嬉しいよ。あ、ここでカメラが買えるよ。」


と、1軒の店の前で止まる。中に入ってみるとカメラや額縁等、写真に関する物を取り扱っている店のようだ。カメラは機能や画素数によって値段が違うらしく、自分は今ゲーム開始時から持っている100サクルだけだったが、1番安いのが100サクルであったのでそれを買うことにした。買った後道具袋に入れていると、『狼の毛皮』を持っている事を思い出した。


(確か服飾スキルで使えたよな?自分じゃ使い道が無いんだし、まいちゃんにあげようかな。)


「まいちゃん。これ、服飾スキルで使えるみたいだからあげるよ。」


「え、そうなの?けど、売ったらサクルになるんじゃないの?」


「今の所お金で欲しい物が他に無いから大丈夫だよ。それにどんな物ができるのか見てみたいしね。」


「じゃあ貰っちゃおうかな。ありがとう。これで何か作ってみるね。」




店を出た後の帰り道、まいちゃんがいきなり、「ダチ君はどういう男性が好きなの?」と聞いてきた。


「え、まあ、おれと同じ巨漢でガッチリしてて多少太っているのが好みかな?」


「柔道やお相撲さんみたいな感じなのかな?性格は何かある?」


「性格は特に無いけど、乱暴なのや短気なのはちょっと・・・。まいちゃんはどうなの?」


「性格はしっかりしてる人かな。外見は頼れるお姉さんって感じがいいな。落ち込んでいる時にお互い励まし合えるような感じかな。」


とお互いの好みについて話しながら『Bar Minority』に帰ってきた。




「おかえりなさい。ちょうど出来た所よ。」


ママが自分とまいちゃんにお弁当を渡してくれる。自分の方がまいちゃんより大きいのは気にしないでおこう。


「じゃあママ、行って来まーす。」


「ママ、行って来ます。あ、まいちゃん。魔方陣で南門まで行った方が早いよ。」


と、まいちゃんと2人で南門へと渡った。



名前 ダチ

職業 ランク1 重戦士

スキル 盾(大盾) 適性10 レベル21

     身体能力 適性10 レベル21

     近戦武器(大剣) 適性9 レベル16

     観察 適性8 レベル14

アクティブスキル シールドプッシュ

装備 初心者用大剣 攻20+2(10%)

    初心者用大盾 防22+2(10%)

    初心者用鎧 防16

    初心者用兜 防10

    初心者用グリーブ 防10

    敏捷の腕輪 防2 

総攻22 総防62

肉体疲労10%軽減(身体能力)

HP10%上昇(身体能力)

行動速度10%上昇(敏捷の腕輪)

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