リアル 部活の無い日常(前)
今日の夢はチーム「Minority」の4人でどこかへ行くものだった。昨日、監督が起こした騒動で部活がどうなるのか不安だったので、ラグビーに関する夢を見るのかと思っていたけど、「Minority」の方がインパクトがあったらしい。
(まあ、現実世界でいきなり「あなたゲイでしょ」と言われる事は無いだろうし、オカマ・レズ・性別違和症候群の人と知り合いになり、かつ4人で冒険するなんて事、ありえないしな。)
そう考えながら、今日は朝練が無いけどトレーニングルームで身体を動かすことにする。その後は授業に出るかトレーニングをしたらいいだろう。今日の日程を決めて、ジョギングして大学で朝食を取る。いつもは味は特に気にはしていなかったのだが、
(ママが作った焼きそばの方が美味しかったな。今までは『美味しさ』よりも『栄養が取れたらいい』だったから余計かな?ゲーム内では何を食べてもリアルには影響が無いから、ゲーム内では美味しさを優先することにしようかな。)と考えていると、
「あ、やっぱりいた。おっはー大原。」と小野君が食堂に入ってくる。
「大原のことだから、朝練が無くても身体動かすんでしょ?だったらおれも混ぜてもらっていい?おれも身体動かしたいからさぁ。」
(別に1人でも出来ると思うけど・・・、まあいいか。)ということで2人で、トレーニングルームでいつも朝練をしている時間分身体を動かした。
ひと汗かきトレーニングルームを出た後、小野君が「この後大原はどうするの?」と聞いてきた。
(僕も決めては無かったけど、昨日ママから「せめて英単語位は覚えた方がいいわよ」と言われたから、英語の講義でも受けようかな。ついていけないだろうけど。)
と考えていると学内放送が鳴り、『ラグビー部員は昼休みに進路指導室に集まって下さい』ということだった。
小野君は「やっぱり昨日の事なんだろうなあ。心臓に悪いや。」と言っている。
(まあ、そうなんだろうな。どきどきするけど今はどうしようも無いか。)と思いながら、小野君に英語の講義を受けるつもりだと伝える。
「勉強するの!?え、何で?」と言われたので、何もしないよりは良いだろうと思っている事を伝えると、
「まあ、ずっとトレーニングするのも疲れるし、ボール触れないからつまらないしね。よし、おれも出てみようかな。」ということで、2人で英語の講義を受けてみた。最初に配られたテキストはやはり英語だらけで何が書かれているのか分からない。単語さえもかなり分からない。先生はホワイトボードに英語を書きながら、ほぼ英語で喋っている為、内容も理解できない。
小野君が「なあ、大原。分かる?」と聞いてくるので分からないと伝えると、「良かったあ。おれ1つも読めなくて、大原が分かるんだったらおれヤバイって思ってたんだよね。」と言っている。
(いや、少しは分かる。CafeとかHotとかYou等の単語なら何とか・・・文章には出来ないけど。)と思いながらテキストを見ていると、Minorityの単語を見つけた。何となく小野君にこの単語の読み方を聞いてみると、「え、みのり・・・てぃーわい?」と言ったので、まだ僕は大丈夫な方かなと思うことができた。それからは僕は講義を無視して、講義場の本棚にあった辞書を使ってテキストの解読をすることにした。小野君は最初は理解しようと起きていたけど、途中からは寝てしまっていた。
講義が終わり、僕の解読は半分位の所だった。昼休みまではまだ1時間位ある。小野君を起こして、僕は昼まで図書室で解読の続きをしたい事を伝えると、「おれはもう無理。頭痛いからどっかで休むことにするわ。」との事だったので、1人で図書室に向かった。英語の辞書を探していると、「スポーツ科学」の本棚が目に入った。(これも知っておいた方がいいことだよなあ。今日はテキストの解読をするけど。)と考えながら、見つけた辞書で解読を進めていった。
昼前になり、3分の2位進んだ解読を一旦やめる。何となく単語を覚えることができた気がする。文章には出来ていないけど。辞書を戻し、そのまま少し緊張しながら進路指導室に向かった。