VRMMO 海へ出発
多忙の為、更新が遅れております。
「じゃあ私は持って行く食事を作るから、ちょっと待っててちょうだい。」
ママはそう言って奥の厨房に消えていった。
(そんなに早くできるものなのかな?っていうか行けなかったらどうするんだろう?)と思っていると、
「ダチ君すごーい!適性10が2つもあるしレベルも高い!」
「身体能力適性10、近戦武器適性9かよ。マジで羨ましいぜ。」
と、両隣から声が上がる。
「え、所持スキルはともかく、何でレベルまで分かるの?」
「だってチームに入ったらステータス画面から、メンバーの職業・所持スキルとレベル・現在地が分かるようになるよ。後、チャットみたいな事も出来るらしいよ。」
なるほど。じゃあみんなのも見てみるか。そう思いステータス画面を開くと、『チームに加入しましたので、チームホームである『Bar Minority』への移動用魔方陣が使用出来るようになりました』とメッセージが出た。店内を見ると入口付近に魔方陣が現れていた。とりあえず今は使うことは無いので確認した後、まいちゃんのスキルを見てみる。
チームメイト まい
職業 ランク1 魔法使い
スキル 癒魔法 適性9 レベル10
服飾 適性8 レベル1
火魔法(攻撃) 適性7 レベル6
魔力増長 適性7 レベル8
(魔法とかいいな!しかも2つ持ち!癒魔法は回復系なんだろうな。服飾は『布や皮を使って装備品を作る・装飾品を作成できる』とのことだった。確か『狼の毛皮』持ってたから後でまいちゃんにあげようかな。魔力増長は『魔力を増やし、魔法使用時に魔法威力が増加する』だった。まいちゃんすごい魔法使いに成れるのでは?)
次に武蔵を見てみる。
チームメイト 武蔵
職業 ランク1 槍戦士
スキル 魅力 適性9 レベル10
雷魔法(補助) 適性8 レベル10
身体能力 適性7 レベル8
中距離武器(槍) 適性7 レベル8
(魅力とは『相手の心を惹きつけて行動・思考を鈍らせる。但し相手により効果は変化する』だった。これってモンスターにも効くの?補助系の魔法は『属性魔法玉を周囲に展開する。魔法を自分に掛け一時的な能力上昇や、一時的に武具に属性を付与する』だった。どの位すごいのかは見てみないと分からないなあ。身体能力と槍が7だから羨ましいって言ったんだな。その代わり時間をかけたらレベルは上がると思うけど。)
そのまま「戦闘用のスキルを持っていない」と言っていた、興味のあるママのも見ようとしていると、
「3人とも、飲み物も持って行きたいから道具袋の水筒を貸してちょうだい。」
とママが厨房から顔を出してきた。とりあえず渡してママのスキルを見る。
チームリーダー ママ
職業 ランク1 調理師
スキル 直感 適性10 レベル24
調理 適性9 レベル16
製作技術 適性8 レベル10
道具作成 適性7 レベル1
(直感10!直感とは『情報が無くても、状況の把握・最善の選択・隠蔽事・本質等を見極めること。勘とも言う』だった。もしかして直感でおれがゲイだと思ったのかな?レベルも高いし。調理は料理の事だろう。製作技術とは『物を作る際、その成功率・性能・追加効果等が上昇する』だった。調理での作成も含まれているのだろう。道具作成はそのままの意味だろうな。)
一通り見た所へ、
「あら、ダチ君の水筒の中に水滴がついているわ。洗っておこうかしら。」
とママの声が聞こえる。
(中に水滴?・・・ああっ!)
鍛冶場長との間接キス(妄想)を思い出し慌てて厨房に入ると、洗剤で泡だらけになった水筒とキャップがあった。
「どうしたの?そんなに慌てて。何かあったの?」
「・・・イエナンデモナイデス」
(楽しみにしていたのにどうしてこうなるんだ!運命に嫌われるようなことでもしたのか!?まだキスもしたことがない童貞ゲイに対するあまりにも酷い仕打ちじゃないか!!)
心の中を爆発させながら席に戻る。まいちゃんと武蔵は驚きながら此方を見てくるが今は無視する。そのまま連爆させていると、
「できたわよー。スキルって便利よね。時間短縮も出来ちゃうし。」
とママが厨房から出てきた。そしてそのまま少し重たくなった水筒が渡される。今は水筒を見たくないのですぐに道具袋にしまう。
「じゃあまず東門に行って、それから海を目指して行こー!」
とまいちゃんが張り切ってドアを開けて外に出て行く。そのまま4人で路地裏からまず西大通りに出る直前まではまいちゃんが先頭だったのだが、
「じゃあ大通りからはダチ君が先頭でお願いね。」とまいちゃんに言われる。
「え、何で?」
「だって身体大きいし、ダチ君の後ろにいた方が歩きやすそうだもん。」
「・・・。」
武蔵とママを見ると、まいちゃんの意見に賛成なのか頷いてくる。多数決って怖い。目立ちたくないがしょうがないので、嫌々先頭に立ち西大通りへと出た。そのまま広場を通り東門を目指す。その後ろを3人が付いてくる。もちろん目立たない訳が無く、他のプレイヤーは道を空けながら話しをしている。今度はその言葉に耳を傾けてみると、
「おいおい、かわいい女の子と美女を引き連れて見せつけかよ」
「ちょっと珍しい職業だからって悪乗りしすぎじゃね?」
「羨ましい・・・」
「でもあんな巨漢に「守ってもらえる」なら惹かれる子もいるかもしれないわよ」
「くっそー。こっちの世界じゃあんなのがもてるのかよ」
「それにしても女性達のランク高くね?どうやって集めたんだ?」
(誤解されてる・・・。何でそうなるんだ!見せつけじゃないし悪乗りしてないし嬉しくないし!そもそもおれと後ろ3人に恋愛感情は生まれないから!(オカマは此方から願い下げである)。集めたんじゃなくて引きずり来られたみたいなもんだし、おれは被害者だ!)
再び心の中を爆発させながら歩いていると、右の路地から物凄く強い視線を感じた。とっさに振り向いてみるが、黒い影が一瞬見えただけで誰なのかは分からなかった。
「急に振り向いてどうしたの?」と後ろから言われるが、「いえ、何でもないです」と返答しそのまま東門を目指す。(強烈な視線だったけど、誰だったんだろう?)
そして東門前まで来ると魔方陣が見えた。
(もしかしてホームから来れたんじゃ?)
といまさらな事を思っていると、
「じゃあ今度は海に行けるように頑張ろうね!」
「よし、戦ってレベル上げるぞ!」
「みんな無理せずに戦ってね。」
とみんなが言い合い、おれは外でも先頭なんだろうなと思いながら4人で東門から外に出て行った。
名前 ダチ
職業 ランク1 重戦士
スキル 盾(大盾) 適性10 レベル21
身体能力 適性10 レベル21
近戦武器(大剣) 適性9 レベル16
観察 適性8 レベル14
アクティブスキル シールドプッシュ
装備 初心者用大剣 攻20+2(10%)
初心者用大盾 防22+2(10%)
初心者用鎧 防16
初心者用兜 防10
初心者用グリーブ 防10
敏捷の腕輪 防2
総攻22 総防62
肉体疲労10%軽減(身体能力)
HP10%上昇(身体能力)
行動速度10%上昇(敏捷の腕輪)