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春夏秋冬  作者: クロ&シロ
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第二話

日の光がカーテンの隙間から差し込んでその光で俺は起きた。だが、春が寝ていたのはベッドではなく床だった。

(やばいな、俺の寝相の悪さが復活してきたな)

春はゆっくり起き上がり。

「今日で、編入4日目か~」

そう、あの初日の決闘(かなり一方的だった)から2日たった。

春はあのあと御園 秋にポッキーのことを謝り許してもらった。その次に先生からの1時間の説教(1割も聞いてなかった。)その後に雨田に自分の魔法(菓子を武器に変化させる。)のことを説明した。初日に不良に絡まれ、女子に追いかけ回される。

(俺、この学校に来てよかったんだよな?)

と言いたくなるほど散々なスタートだった。


春は顔を洗い、歯を磨いたあと04号室(雨田の部屋)から音がした。

ドン!

(アイツも落ちたか!)

あのバカならあり得そうだ。自分も落ちたけど...

次は声が聞こえた。

「たーつーめーいー」

ダン!

勢いよくドアを開けてこっちに来た。

「よう!」

「ちょっと来い!」

はぁ?

春は雨田に襟を捕まれ雨田の部屋に行った。


そこで見たものは冷蔵庫の中身を食い漁っている小さな黒い生き物?だった。

「で、何でお前は俺の後ろにいる」

「いやっ!その...お前だったらどうするのか知ってそうだから...」

途中から声が小さくなった。

「つまり、動物が苦手なんだな?」

それが当たったらしく体をすくめて申し訳なさそうに。

「は、はい...そうです...」

雨田の意外な弱点を知って驚いた。

話をしてるうちに、黒い生き物?が俺に突っ込んで来たが急な出来事だったので春はバランスを崩しそのまま倒れた。

その黒い生き物?は廊下を走り抜け突き当たりの窓から飛び降りた。

「なんだったんだ?雨田はなんだと思...う」

「はははははははっ!」

何故かこいつは大爆笑していた。

「番長を倒した奴があんなのに倒されるなんてお前案外弱いな。」

「動物嫌いの人に言われたくねぇーよ」

春はこのセリフの最後の部分で雨田の鳩尾に一発、拳を打ち込んだら雨田の顔色が青くなっていき、きれいにうしろに倒れた。

「さぁ!学校に行こう」

(雨田は置いていこう。口から魂見たいなものが出てるが大丈夫だろう...たぶん)

そして、俺は学校に行った

授業の内容は魔法の歴史

ポーション(回復薬)の作り方などがあった...と思う。当然、俺は授業中に寝てるかぼーっとしているかのどっちかだから授業を聞いていない。隣も同じである、綺麗な銀色の髪を風でなびかせながら窓の向こう見ているだけだ。

こんな感じに午前の授業を受けて、やっと昼休みだ。クラスでは、走って学食かコンビニに行く奴と、

弁当を取り出す奴に分かれた。春は取り出す側である。朝買ったコンビニの弁当を出した、雨田は当然のように俺の席に来ようとしたが...

(はぁ~ またか、)

女子たちが俺の周りに集まりちょっとした結界のようになっている。

「ねぇ~ 一緒に食べよ♪」

「あぁ~ 今日は雨田と食べる約束してるんだ。悪いな」

当然、嘘だ。

「そっか~ じゃあしょうがないね。 彼女作りよりも友達作りのほうが先だもんね。みんな行こ。」

「龍名君はモテますな~」

「茶化すな。あと、俺のことは春でいいよ。」

「わかったよ。んで今朝の奴の事だが、奴を捕獲しようと思う!」

「頑張れ~」

気だるく言った。

「冷蔵庫の恨み晴らしてくれる!!」

「何かあったのか?」

「アイツ冷蔵庫の中身を空にしやがったんだ!」

「へぇ~」

「春!今日は先に帰らせてもらうぞ。」

「わかった。」

キーンコーンカーンコーン

午後のチャイムだ。


(ん? あれ?)

俺は教室を見渡したが誰一人いなかった。

「俺、爆睡してたのか。」

もう空は、オレンジ色に染まっていた。

(帰ろう)

春は、帰り用に持ってきたポテチを食べながらかえった。3~4枚食べたとき急に横から何かが飛び出してきてポテチの袋を捕られた。

(ちっ! 今朝の奴か)

春は前を走るポテチ泥棒を追い掛けた。

相手はかなりすばしっこいがこちらもしっかりうしろに着けている。

(こいつかなり早いな)

なんて、思ったらポテチ泥棒が男子寮に入った。

が、春は思い出した。

(確か雨田が罠をどうのういってような。)

男子寮の中から雨田の笑い声が聞こえた。

「捕まったか」

そう言い男子寮に入った。

案の定、ポテチ泥棒は籠に捕まっていた。

が、ポテチを持っていなかった。たぶん逃げる時に落としたのだろう。

「おっ、春どうだ捕まえてやったぜ~」

「おいっ!こいつ泥だらけじゃねーか。」

「あぁ~ホントだ。」

話しをしていると管理人さんが来た。

「あらあら、どうしたの?」

「あっ!管理人さん」

「その子泥だらけじゃないよく洗って上げなさい」

「わかりました。雨田じゃ洗えないから俺が洗うぞ。いいよな?」

「あ、あぁ~もちろんだ」

春は籠を持って自分の部屋の風呂場の中に籠を置き開けて上げた、相手は警戒しながら出てきた。

籠から完全に出たところでシャワーを持ってこいつについた泥を丁寧にとってやった。とても気持ち良かったのか、洗っているときに

「キュ~」

こんな感じの可愛いこえを出してくれた。

洗い終わるとその可愛いさに驚いた!

姿は狐に似ているがそれにしては小さいが全体的に薄い桜色の毛はとても毛並みが綺麗だった。

洗い終わって玄関ロビーに降りると管理人さんが待つていた。

「洗い終わったの?」

「はい、この通り綺麗になりました」

そう言って抱えていた狐?を降ろしたら足にすりついてきた、お礼のつもりだろうか。

「ほら、もう行った方がいいぞ」

と言って少し離れたが、また近くにきて足にすりついてきた。そうしたら管理人さんがふと思い付いたように

「龍名君のお部屋で飼っちゃば?」

「えっ?いいですけど、寮内ってペット禁止じゃないですか。」

そうしたら管理人さんがとんでもないことを言った。

「バレなければいいのです♪」

(管理人のあなたがそんなこと言っていいのか!)

と心の中で突っ込んだ。

「じゃあ 管理人さんがそう言うんだったら...」

(管理人さん目が光ってる...)

「ねぇ~ この子の名前つけていい?」

それが目的か...

「いいですよ。」

「えぇ~と じゃあ」

「コスケ! どう?」

「いいと思いますよ。 よしっ、じゃあお前の名前はコスケだ!」

コスケはそれに答えるように鳴いた。


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