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第1話 いきなりバトル!

超スピードで繰り出される、無数の手刀が俺を襲う!。


「うわわわわっ!」


並みの人間なら、一瞬で細切れ確定のそれをギリギリで回避。だが、そのせいでバランスを崩してしまう。そこへ間髪入れず降り注ぐ、無数の魔力弾!。


だが、こちらもそう簡単にやられはしない。瞬時に結界を展開し、防ぐ。このレベルの結界なら、既に無詠唱で展開出来る。魔力弾が結界に着弾し、爆炎、爆風が巻き起こる。


本当に結界様々だ、直撃していたら、跡形も無くなっていただろう。


「しかし、これで手加減してくれているんだから恐れ入る」


俺は相手の実力の凄さを痛感する。だからといって、やられっぱなしは嫌だ。今度はこちらの番だ。俺は無詠唱で魔法を発動させる。




「ふむ、手加減しているとはいえ、私の魔力弾、しかもあれだけの数、更にあのタイミングで撃ち込んだのに瞬時に防ぐとは。実に良いですね、彼女は」


その人物は実に楽しそうに微笑む。もっとも、その微笑みを誰かが見たら、さぞかし肝を冷やしただろう。どう見ても、それは、超ドSの微笑みだったから…。


「さて、次は何を仕掛けてっ」


その人物が言い終わる前に、爆煙の中から、彼女が飛び出してきた!。


「なるほど、速度強化で正面突破、一気にケリを付ける気ですか」


彼女の身体能力は非常に高い。それを強大な魔力に裏打ちされた、風魔法、速度強化で、更に加速。正に、疾風!。恐るべきスピードで、襲いかかる!。


だが、その人物は余裕の態度を崩さない。


「フフフ、私と正面切って、しかも速さ比べとは…。少し、本気を出しますよ」


ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!


お互いの攻撃が轟音を響かせる。かすっただけでも容易に人体を吹き飛ばし、死に至らしめる、魔力により強化された攻撃。


「なかなか、やりますね。本当に良いですよ、貴女は。久しぶりに楽しいです」


「こちらは速度強化してギリギリ。何より、俺はバトルマニアじゃなくてね」


その言葉に嘘は無かった。徐々に、彼女が押され始める。それは、お互いの実力、そして経験の差。


「そろそろ、降参しなさい。貴女は非常に優秀ですが、まだまだ未熟。現時点では、私には勝てませんよ」


穏やかな口調で彼女に話かける、その人物。事実、現時点の彼女の実力では、その人物には勝てない。それほどの実力差が有るのだ。


「そんな事は百も承知、あんたは俺より、遥かに強い。だが、これはどうだ?」


次の瞬間、彼女の姿が、複数の漆黒の鎖に変わり、その人物の身体を一瞬にして縛り上げる!。


「これはっ!封縛呪鎖!」


驚愕の声を上げる、その人物。そして、その影の中から、彼女が飛び出し、魔力を込めた拳を繰り出す。


「この勝負、頂きっ!」


超スピードの一撃が、その人物に迫る!。


が、その一撃は決まる事は無かった。なぜなら、その腕を絡め取られ、彼女は投げ飛ばされてしまったから…。




「はい、今回はここまで。また、私の勝ちでしたね。とは言え、分身から封縛呪鎖へのコンボは驚きましたよ」


「そりゃどうも。ま、あっさり、鎖を切られて投げ飛ばされてちゃ世話ないけどな」


投げ飛ばされて身体のあちこちが痛いが、今回の目的は果たせた…。


俺は現在、魔女の力をきちんと使える様になるべく、特訓中なのだ。


ちなみに、先ほどまで、俺とバトルしていたのは、教官としてハゲ神の所から派遣されてきた、天使長の暗呪アンジュさん。カタカナで呼ばないとキレるので要注意だ。


俺が今、受けているのは、暗呪アンジュ式7日間トレーニング。アンジュさん直々に命懸けの猛特訓。今まで7日間クリア出来た奴はおらず、最長記録は3日だそうだ。


で、現在、俺は5日目クリアで最長記録更新中。もっとも、油断は出来んがな。何せ、アンジュさんは戦闘狂だからな。


「後、2日。頑張って生き延びるぞ」


俺はそう呟くと、4日前の事を思い出していた。




俺はハゲ神とのやり取りの後、突然、穴に落とされて、気を失った。そして…。


「あ~よく寝た。何か変な夢見たな。俺が死んだとか、自称、神のハゲとか…。」


…………。俺は今の状況を認めたく無かった。明らかに全てが、違っていたからだ。


まず、声が違う。

天使どころか女神の声と言うべき、美声。


更に、肩からサラサラ、艶々の長い黒髪が流れ落ちる。

俺は長髪ではない。


腕と手を見る。

新雪の様な、白い肌と華奢な腕、ほっそりとした指。


ふと見れば、枕元に着替え一式と手鏡が有った。

ちなみに着替え一式には下着も含まれていた。女物の下着が。


俺は猛烈に嫌な予感に襲われながらも、手鏡で自分の顔を見た。


そこには、見知らぬ、絶世の美女が映っていた…。


そう、あのハゲ神によって、転生させられた、今の俺の顔が…。




あまりのぶっ飛んだ展開に付いて行けず、暫し茫然自失としていた俺。

しかし、いつまでもそうしている訳にも行かない。気を取り直してと思った所で、俺はある大問題に気付いた。俺が寝ていた、布団の枕元には、女物の下着を含めた着替え一式。そして俺は、この部屋で目覚めてから、一度も自分の首から下を見ていない。いや、見ようとしなかった。目覚めた時から、やけにスースーするなとは思っていたが、まさか…。


恐る恐る、自分の首から下を見る。すると、胸には立派な膨らみが2つ。更に下を見ると、男の象徴たる、アレが無かった。


そして俺は、鼻血を噴くという、お約束をかましたのだった。


要するに、俺は全裸だったのだ。自分の全裸を見て、鼻血を噴くとは。俺の黒歴史がまた増えた。(泣)


このままでは、色々とマズい(特に精神的に)ので、服を着ようとするも、また問題発生。それはブラジャー。


俺は元、男且つ、女っ気0の暮らしをしていたので、着け方が分からない。いっそのことノーブラで行くかとも考えたが、着けた方が良いと聞くし、誰かに聞こうにも、俺以外、誰もいない。聞く事自体恥ずかしい気もするが…。どうにも手詰まりで悩んでいたその時だった。


「ブラジャーの着け方が分からないなら、私が教えましょう」


突然、背後から声を掛けられ、びっくりしたの何の。転生して、すぐにまた死ぬかと思った。


振り返ると、さっきまで誰もいなかった場所に、見知らぬスーツ姿の女性がいた。


その女性は俺に向かってこう言った。


「はじめまして。私は暗黒天使長、暗呪アンジュ。我が主にして貴女を転生させた暗黒神様の命により、参りました。よろしくお願いいたします、黒百合クロユリ カオル


名前は大事だと思います。


だったら、もっと普通の名前にしろボケェェッ。(主人公)

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