B・C第1日目 夕暮れ
「ところで、何持ってきた。」
「あ、えーとねアニm…。」
まずい、女子の前では見せられない。
「あに、お前兄いたのか?」
「いや、そうじゃなくて・・・見せられない。」
守、気づけ。場が悪いと訴える僕の顔に!
「見せられないって。」
憲次、お前もか。気づかないのか?
「それじゃ、何が足らないか分からないじゃないか。」
くそっ。仕方がない。今は、非常事態なんだ。そう言ってまわりを見た。
「笑うなよ、絶対にだ!!」
「笑うなっていわれてもムズイっすよ。」
ドサー
我を忘れ、全て袋から出した。そして…みんなの目線が氷のように冷たくなった。
「なんだよ、見せろと言ったのはお前らだろー。」
「痛い。」 と守。
「それは、ちょっと~。」 と憲次。
女子の方を見た。彼女達は、懐中電灯を片手に…。
「それ、誰が着るのぉ!」 と鈴。
「信じられない。」 と原上さん。
そう、僕の持って来た物=アニメイトから持ってきた物だ。恥ずかしいが、頑張って持ってきたんだ。****型プリン、ピー饅頭、メイド服、スクール水着っぽいもの、ご主人様ハートと書かれた毛布などなど…。暗かったらなんて事ないと思っていたが、甘かった。懐中電灯があったのだ。
「原上さん、ええっとこれうわぁ・・。」
「半径5メートル侵入禁止!」
「あたしも!」
ガーン。終わりだ。気分は、空より暗い。真っ暗の中の真っ暗だ。原上さんに言われてしまった。人の噂も七十五日。長い、長すぎる。
「ま、まあこの事は後回しにしようよ。」
憲次が、この雰囲気を変えようとそういった。
「じゃぁ、女子の部屋について。」
「それなら問題ない。この上にいくつか空き部屋がある。」
「さっすが~守。」
「じゃ、みんな準備し…。」
「~~~~、・・・~。」
みんなの声が遠くなっていった。
「ぉ-ぃ。」
「おーぃ。」
「おーい。」
「何ぼさーっとしてるの。準備おわってないでしょ~。」
原上さんだ。さっきの事、もう忘れてくれたのか?いや、ちゃんと間をとっている。少しだけだが元気が出た。
三時間後、ようやく部屋の片付けって言っても僕の部屋なんですけど。暇だし、屋上にいってみよう。 立ち入り禁止の看板を踏み、外へ出た。
「だ、誰だ。」
「きれいだな~。」
何だ、原上さんか。
「何がキレイなんだ?」
「星。」
言われてみればホントだ。太陽は、消えても星はしっかり輝いている。この明るさ(まあ大人の方の手の指先ぐらいの距離までだが)は目を凝らせば見えなくない事はない。が、星はいつもよりしっかり輝いている。星の明るさをあらためて知った。
「いつもは、工場などでよどんだ空気も、もう少しくっきりとお星様みえるかなーなんて。」
危ない、危ない。太陽、消えてくれて有難うと思ってしまった。原上さんが、絶望感(二つあるが…)を幸せの感情で埋めてしまった。
「戻ろう。」
「うん。」
やっぱ、こういうのはフツーの生活で。みんなで戻ろう、明るい世界へ。




