B・C第1日目 朝
タタタッタタ、タ Bダッシ
「こんな遅くに電話かよ。」
着信音は、懐かしいBダッシ。いや、今はどうでもいい。
「もしもし、どちら様ですか。」
「どちら様ですか。じゃ、ねーよ、おい。お前しらねーのか。」
この声、この乱暴な物言い、間違いない斉藤 守だ。
「太陽が、太陽が無くなったんだ。」
「今日は、4月1日エイプリル・フールの日じゃないよ。」
「お前、マヤ文明知らないのか。」
「マヤぶんめい?」
「ま、いい。要件だけ言う。明日、第2せせらぎ公園にAM10時集合。」
「それから、電気、食料、その他もろもろ大切に使え。」
プツー。電話料金は、230円です。だと。
「生活費は、大丈夫だっつうのによ。」
なんか、マカ文明とかいってたけど何だっけ。歴史の授業で習ったっけ。それにしても変だな、変すぎる。守があんなにあわてるなんて。太陽が消える?消えるってどうなるの?死。死なのか?じゃ、いつだ?ああ、混乱してきた。いつもの会話なら余分な事2、3個付け加えてきあがるのに。メリクリか、真っ暗Christmas、B.C。ネーミングなんてなんでもいいのに。何十万人かのリア充(恋愛)やサンタかそのプレゼントを楽しみにしている子供たちなどがウハウハして寝ているこの時分。もしサンタが落っことした物ならば、なんてBigプレゼントなんだよ。変な胸騒ぎとともに朝日がどんどん、どんどん大きくなってきた。
なんだ、守。冗談こきあがって。くそっ、心配した俺が馬鹿だった。
「おい、誠人。泣き虫、誠人。お漏らししてるぞ・・・・」
がばぁっ。
「えぇ、どこどこどこ。」
「あははは、はhはhh。今の顔、傑作!」
マジ、漏らしてない、ないよね。ほっ。それでええっと、からかった人は守で、笑ったのは、鈴か。
「え~!!てっか、何でお前らここにいるんだよ。」
「すまん、公園に人がごった返していてよ。」
「誰か電気つけろ。暗いじゃないか。」
「はい、ご主人様♥。」
「お前、いつからそんな方向にはしった。」
鈴は、リモコンを片手の持ち、スイッチを押した。
ぴっ。ぴっ。
「あれー、電球つかないですー。」
「当たり前だ。もう電気なんて通っている訳がない。」
そう言えば、もう太陽光発電なんてできないよな。太陽消えたんだから。
「カーテンを開けてくれ。」
「はい、かしこまりました~。」
「もう、そのキャラはやめてくれ。」
開いたカーテンからは、冷たい風と人々の嘆き声が入り込んできた。そして、非常事態なのだと改めて理解した。