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太陽の夜  作者: フジシン
8/11

旅路

ハンズは小さく震えだした。


「ちょ、ちょっと!どうなってるんです?」

ハンズの目が白くなりはじめ、黒目の部分がなくなりはじめた。


「大丈夫なんですか!?」


「心配ない。それよりもハンズの言葉をよく聞くんだ。」


ハンズの震えも止まり、目も普通の目に戻っていた。


「ジャックとか言ったな?」


「私は、死神にパワーを与える能力を持っている。今、お前に少しパワーを与えた。はじめは使いづらいかもしれないが、時期に使えるようになる。用件は済んだろ?早く帰ってくれ。」

「な、何なんです?」


ジャックには何が起こったのか、見当もつかなかった。

ハンズは、積み木の所に戻り、積み木を重ね始めた。


「あの…。ありがとうございました。」


ジャックは訳もわからず、お礼を言うしかなかった。


「ところでロイ。黒魔天団の話は聞いているのか?」


ロイはジャックの方を見ると、こう答えた。


「あぁ。話では聞いてるよ。でも今はその話はやめよう。今日はジャックを色々と案内しないといけない。また来るよ。」


ロイはハンズにそう言うと、ハンズは鼻で笑い、こう言った。


「次に会うとき生きてたらな。」


ロイは部屋を出た。

ジャックもロイに続き、部屋を出ようとしていた。


「ちょっと待て!お前に話がある。少し時間はあるか?」


「えぇ。まあ少しなら。」


ジャックはハンズに呼び止められた。


「お前、子供の頃の記憶ってあるか?」


「子供の頃の記憶?」


「そうだ。例えば、母親の顔とか、父親の顔とか、とりあえず何でもいい。子供の頃の記憶だ。」


「正直何も覚えてない…。」


「やはりな…。」


「どうかしたんですか?」


「いや。こっちの話だ。気にするな。それより死神の仕事を早く覚えろよ。」

ジャックは不安になりながらも、外で待つロイの所まで急いで飛び出した。


「ジャック!何してたんだよ!今日は忙しいんだぞ!あともう一軒寄る所があるんだ。遅れるなよ。」


ロイがジャックにそう言うと、二人はまた歩き始めた。


「もう一軒は誰なんです?」


「ワイズっていう男に会いに行く。」


「ワイズ?どんな人なんです?」


「そうだなぁ。死神界のエジソンってところだな。」


ジャックとロイは、歩きながら会話を楽しんでいた。


「ロイさん、1つ聞いてもいいです?」


「なんだ?」


「黒魔天団のことなんですけど…。」


「やっぱりな。そう来ると思ったよ。」


「俺だって死神ですよ!話くらい聞かせてくれても…。」


「わかったよ。教えてやるよ。黒魔天団て言うのは、俺たち死神にとって厄介な奴らなんだよ。」


「どんなふうに厄介なんです?」


ジャックは、ロイの話に興味があった。

ジョニーに聞いても教えてもらえなかったが、ロイなら教えてくれる。

ジャックは、そう確信していた。

「黒魔天団は、理由もなく人の魂を死昇させたりしている。それだけじゃない。奴らも正真正銘の死神なんだ。」


「ただ、理由を詳しく知る者はいない。ただ、存在しているのは間違いない。」


「でも同じ死神なら何故、厄介なことを。」


「これは絶対に誰にも言うなよ!」


ロイはジャックの耳元で小声で話しはじめた。


「噂なんだけど、黒魔天団のメンバーに元ジョニーのグループに入ってた奴がいるみたいなんだ。」


「えっ!じゃあ、俺たちみたいな死神だったって言うことですよね。」

「そういうことになる。俺が死神になったときにはすでに黒魔天団の存在は噂されてた。はっきりいって俺にもどんな奴等なのか想像がつかない。」


黒魔天団の存在は明らかだった。

しかし、ロイでさえもあまりよく知らない存在だった。


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