命の重さ
ジャックは謎の部屋でくつろいでいた。
特にやることもなく、部屋をうろついたり、窓から外を覗き込んだりしていた。
ジョニーは、椅子に座り腕を組み、目を閉じている。
「なぁジョニー。何かすることないのか?暇でしょうがない。」
「もうじき仲間が来る。それまで待つんだ。」
「仲間?仲間ってジョニーの仲間?」
「正式には私たちの仲間だ。死神はグループで行動する。私たち以外に3人いる。」
「へぇー。じゃあ、僕たち2人と後の仲間3人で5人のグループになるわけだね。」
ジャックは少し楽しみだった。
はじめて仲間と呼べる存在ができる。
人間だったときにはなかったことだ。
「ジョニー。どんなやつらが来るんだ?」
「じゃあ、軽く説明してあげよう。」
ジョニーは説明しようと席を立ったときだった。
「もうきてんのか?」
ドアが開き、一人の少年が入ってきた。
彼の髪は赤く、トゲのようにツンツン髪が立っていた。
「やぁ、ロイ。久し振りだな。」
「ジョニーのオッサン!相変わらず元気そうじゃねーか!」
どうやら活発な性格のようだ。
ロイは、ジャックを見て右手をさしだし、握手を求めた。
「俺の名は、ロイ。ロイ=チャーチルだ。よろしく!」
ジャックは緊張しながら握手をした。
「ジャック。ジャック=デップです。」
ロイは見た感じ、ジャックと変わらない位の年齢だった。
「まだ二人は来てねーのかよ?」
「まだ来てない。何かと忙しいんだろ。」
「まったく。俺様が一番乗りかよ。待つのは嫌いなんだよな。」
ロイは壁に手をつき、ジョニーと話をしている。
「オッサン。黒魔天団の話し聞いたか?」
「奴等の話しは聞いてるよ。ところでロイ。オッサンはやめてくれないか。」
「だってオッサンだろ。」
「…」
ロイとジョニーの話しは楽しそうだった。
あのジョニーがからかわれてると思うと、ジャックも面白く思えた。
「ジャックは黒魔天団の話しは知ってんのか?」
「いや、彼はまだ知らないはずだ。そんなことより仕事を覚えてもらう方が先だ。」
「まぁ、たしかに。」
ロイはつまらなそうに腕を組み椅子に腰かけた。
「ジャック君。さっきの続きを話そう。仲間についてだったね。」
「はい。ジョニーとロイさんは今、僕の目の前にいるのでわかりますが、残る二人は?」
「ズールとブラキのことか?あいつらは」
ロイは壁に手をつき、ジョニーと話をしている。
「ズールとブラキのことか?あいつらは仕事ばっかりだからな。そのうち来るさ。」
ロイは残る二人の事もよく知っている様だった。
「まず、ズールの事から説明しよう。彼は死神としては一流だ。技も一流の使い手だ。だか、戦闘狂でもある。つまり戦うことが好きなんだ。」
「普段は大人しいがキレると厄介なんだよな。まぁ、仲間に八つ当たりするような奴じゃないから気にすることはないけどな。」
ズールは戦いを好む性格のようだ。
ジャックは少し不安になってきていた。
「もう一人のブラキと呼ばれる人は?」
「ブラキは無口だな。あんまり喋らない。怪力の持ち主だよ。」
ジョニーは少し自慢気だった。
しばらく、3人で会話を続けていた。
ジャックは気になることがあった。
それは、黒魔天団という言葉だ。
黒魔天団とは何なのか?
死神にとって危険な存在なのか?