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国王と王子

アルフレッド視点

「言い訳があるのなら聞いてやろう」


王宮の謁見の間。

広い空間に、国王の低く、苛立ちを孕んだ声が響き渡る。

アルフレッドはその中央で、冷たい床に片膝を突いていた。

周囲の護衛はすべて退室させられ、広い部屋には父子二人きり。

しかし、そこに親子らしい和やかな空気は存在せず、ただ冷ややかな緊張感だけが残っていた。


リリアの一件はその日のうちに王宮へ伝えられ、すぐに呼び出しがかかったのだ。


「・・・。」

何も話さずいつものような完璧な笑みを張り付けているアルフレッドを見て、国王は舌打ちをした。


「女神の力が他国にでも渡っていたらどうするつもりだったのだ。発見次第すぐに報告し、王家で囲い込むのが次期国王としての正しい選択だろう。お前には失望したよ」

玉座に深く腰掛けた国王は、不快そうに顔を歪めながらそう言い放った。


「彼女の魔法が、本当に女神の力なのか確信が持てなかったのです」

さらりと返された言葉に、国王の額に青筋が浮かんだ。


「はっ、よくもそんな白々しい嘘を!あのレリーフも発動したのだろう。私が分からないとでも思って馬鹿にしているのかっ!!」

学園で管理されているレリーフは、その力が使われた際、王族にのみ感知できるよう設計されている。

だが、それには一つ例外があった。


”魔力のない者は知覚できない”


代々強大な魔力を受け継いできた王族だったが、近年はその血が薄れ、魔力を持たない者も珍しくなくなっていた。

現在の国王こそ、その筆頭である。

彼は魔力を一切持たず、そのことに強いコンプレックスを抱いていた。


それでも彼がここまで絶対的な地位を保てているのは、『真実の瞳』のおかげだろう。

王族だけが持つ他人のオーラが見える力のおかげで、王族の力を絶対的なものにしてきたのだ。


アルフレッドは静かに言葉を継いだ。


「確かにレリーフは発動しました。・・・ですが最近、ヴェーダ国の者が国内に紛れ込んでいる兆候があります。何かを企んでいるのかもしれません」


「・・・っ!ヴェーダ国だと?確かな情報なのか?」

「はい。大きな動きは見られませんが、目的を探るために今は監視を付けて泳がせています」


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