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王子の誓い

扉が閉まり怒号が遠ざかっていくと、医務室の中はシンと静かになった。

残されたのは、アルフレッドとリリア、そして呆然と座り込むセシリアとアリアだけだ。


(・・・殿下、あんな嘘までついて。でも近衛騎士まで来てしまったもの。もうこの力は隠し通せないわね)

静かな学園生活が音を立てて崩れていくのを感じながら、リリアが俯く。

すると、アルフレッドが静かに振り返った。


「セシリア嬢が怪我をしたと聞いたんだが・・・リリア、君が治したんだね?」

「・・・はい」


あれほど魔法の存在を隠したがっていたはずなのに、自らその事実をさらけ出してしまった。

リリアは、何とも言えない気まずさと申し訳なさに襲われ、思わずアルフレッドから視線を逸らす。


「そうか。・・・リリア、すまない。近衛騎士が現場にいた以上、君の魔法を私の独断で伏せ続けることはもう難しいだろう。おそらく王宮にもすぐに伝わる。正式に国から呼び出しを受けることになるはずだ」

アルフレッドの声には、隠しきれない苦渋の色が混ざっていた。


「・・・っ!いいえ、私はこうなると分かっていて魔法を使ったんです!アルフレッド様が謝ることでは――」

「だとしてもだ」

リリアの言葉を遮るように、アルフレッドは一歩踏み出した。


「私は君に責任を持って守ると約束した。君が望んでいた静かな暮らしを壊してしまったことは事実だ。これは王家としての責任でもある。・・・だが、もう一度約束をさせてほしい。たとえ王宮が君を政治の道具として利用しようとしても、私が君の盾になる。・・・君の平穏は、私が必ず取り戻すよ」


リリアは驚いて顔を上げた。

アルフレッドの真っすぐに自分を射抜くまなざしとぶつかる。


「アルフレッド様・・・」


(本当に責任感の強いお方・・・。アルフレッド様なら、私の力を利用してさらに国を豊かにすることもできるでしょうに)


ふと、生徒会室での出来事が脳裏をよぎる。

『私の力だけでは越えられない困難が訪れた時は、協力してほしいんだ』

かつてそう告げられてから、彼は一度たりともリリアの力を私欲のために利用したことは無かった。

それどころか、魔法の制御方法を教え、貴重な魔導書を貸し出し、リリアの秘密を守り抜いてくれていたのだ。

「これからは君の周囲が騒がしくなるだろう。だが、心配はいらない。今日から君の身辺は、私が最も信頼する近衛に固めさせる。いいかい、リリア。何があっても、私が君を守り抜く。だから困ったことがあればすぐに私を頼ってほしい」


そう言うと、アルフレッドはリリアの手をぎゅっと握りしめた。


「っ・・・」


不意に触れられた手の温もりに、リリアの鼓動が跳ね上がる。

大きな手のひらからは、彼の誠実さと決して折れない意志が伝わってくるようだった。


あけましておめでとうございます。

最近は何かと忙しくサボり気味でした・・・

2026年は週2回以上更新できたらと思っています!

今年もどうぞよろしくお願いします。

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