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はじまり①

初めての作品です。

異世界ファンタジーが大好きなので、自分の好きを詰め込んだ物語を作っていきます!

「はあ・・・どうしよう」


リリアは自室のベッドの上で大きなため息をついていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


リリアことリリア・アステルは、男爵である父エドモンド・アステルと

裕福な商家生まれの母クララ・アステルの一人娘である。


透き通るような明るい緑色の瞳に、艶やかに輝く赤褐色の髪。

まるで小動物のような可愛らしい顔立ち。


整った見た目のおかげで、町で声をかけられたのは数えきれないほどだ。

だが、16歳の貴族令嬢であるリリアには未だに婚約者はいない。


父と母が大恋愛の末に結婚した恋愛主義者だということも一因だが、

問題はリリアの性格と行動にあった。


リリアは貴族特有の言葉の駆け引きが苦手であり、

ドレスや宝石よりも森の中を走り回ることが好きだ。

森で過ごしているとドレスはすぐに汚れてしまうため

豪華絢爛なものよりも、動きやすくシンプルなものをよく着ていた。


見た目や体裁が大事な貴族にとって、

リリアのこうした服装や行動はよく思われないのだ。



つい先日参加したお茶会でも


「まあ、なんだか土臭いですわね」

「このお茶会に野ウサギが紛れ込んでいますわよ」


と、リリアにも聞こえるように陰口を言っている貴族令嬢がいた。


“陰でこそこそ言うくらいなら、直接言ってほしいわ”


陰口を言われること自体は慣れており傷ついてはいない。

だが、このようにコソコソと言われることにリリアは煩わしさ感じていた。


直接相手の令嬢に文句を言おうと考えもしたが、相手は自分より格上の伯爵令嬢。

優しい父の為にも、リリアはグッと言葉を飲み込んだ。



リリアの住む男爵領は王都から遠く離れた田舎にある。

自然豊かな森に囲まれており、動物たちを見かけることも多い。

ついこの間は、前足を怪我した小鹿を見かけ手当をしてあげた。


アステル領の特産は豊かな自然が育むはちみつである。

四季折々の花が咲き乱れる草原で、蜂たちがせわしなく甘い蜜を集めていく。

季節によって風味が変化するはちみつは、貴族を中心に大人気である。

最近では、リリアの母の実家であるアルテミス商会から他国に向けての販売もしているようだ。


領民を大事にするリリアの父はみなに慕われている。

リリア自身も家族のように接してくれる領民たちが大好きであった。


郊外にあるリリアの屋敷には、王宮にも引けをとらないほどの庭園がある。

その庭園の奥にある温室がリリアのお気に入りの場所であった。


色とりどりの花が咲き、土と木の独特な香りが鼻をくすぐる。

ガラスから差し込まれた暖かな日の光と、時が止まったような静かな空間。


まるで世界に自分しかいないようなそんな気持ちになれるのだ。

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