【第26章】悠月の覚醒
——ベルディアの地下市場・戦いの終焉
悠月たちは、"神託の書"を消滅させ、ラヴィスを倒した。
「……終わったのね」
桃子が疲れた表情を浮かべながら呟く。
「けど、これで本当に"未来"は自由になったのか?」
仁典が険しい顔で問いかける。
悠月は剣を握りしめながら、広間の中央に残る"神託の書"の灰を見つめた。
(確かに、"定められた未来"は消えた……でも、それだけで本当に世界が変わるのか?)
その時——
——ゴゴゴゴゴ……!!
「な、なんだ!?」
賢有が驚愕の声を上げる。
黒い霧が再び渦を巻き、消えたはずの"神託の書"の残骸が光を放ち始める。
「嘘でしょ……!?」
佐弥香が後ずさる。
「まさか……"神託の書"が復活するのか!?」
悠月は剣を構え、霧の中心を睨みつける。
その中から、かすかな声が響いた。
「……未来は……消えない……」
「……誰の声だ?」
悠月は警戒しながら問いかける。
すると、黒い霧の中から白い光の粒子が集まり、一人の人物の形を作り始めた。
「まさか……"神託の書"そのものが……!?」
悠月たちは息を呑む。
そして、霧が晴れた瞬間——
「"未来を選ぶ者"よ……」
そこに現れたのは、悠月そっくりの姿をしたもう一人の悠月だった。
「な……!?」
悠月は思わず後ずさる。
「俺と……同じ姿……?」
「そうだ……私は、お前がもし"違う選択"をしていた場合の"もう一人の未来"だ」
白い悠月が静かに告げる。
「"未来を選ぶ"とは、すなわち"無限の可能性"を生み出すこと……」
「だが、可能性は"一つに統一される"ことで初めて、真の未来となる」
悠月は拳を握りしめた。
(つまり、こいつは……俺の"別の未来"?)
「……お前は何をしようとしている?」
悠月が問いかけると、白い悠月は静かに剣を抜いた。
「お前の"未来"が本当に正しいものか……ここで決めよう」
悠月は剣を構えた。
「……そうか。"俺自身"と戦うってことか」
「そうだ。勝った方こそが、"真の未来"を選ぶ者となる」
悠月は剣を強く握りしめた。
(俺の"選択"が、本当に正しいのか……今、試される!!)
「行くぞ、"もう一人の俺"!!」
悠月と白い悠月の最後の決闘が始まる——!!
——ベルディアの地下市場・異空間
悠月と"もう一人の悠月"が対峙していた。
——カァァァァァッ!!
二人の剣が青白い光を放ち、空間全体が揺らぐ。
「俺とお前が……戦うしかないのか?」
悠月が剣を握りしめながら問いかける。
「そうだ。お前の"未来"が本当に正しいかどうか……"選択の証明"をするためにな」
白い悠月は静かに答え、悠然と剣を構えた。
悠月は息を整えた。
(こいつは、俺が"違う選択"をしていたら生まれた"可能性の未来"……)
(つまり、これは"俺自身"との戦いだ!!)
「来い、悠月!!」
白い悠月が疾風のごとく踏み込み、剣を振るった——!!
——ズバァァァァッ!!
悠月は咄嗟に剣を合わせるが、強烈な衝撃が腕を痺れさせる。
「くっ……!!」
「迷いがあるな、悠月」
白い悠月が鋭く指摘する。
「お前はまだ"未来を選ぶ者"として、本当に覚悟があるのか?」
悠月は歯を食いしばりながら、剣を握り直す。
(……迷ってるのか? 俺は……)
「悠月、しっかりして!!」
桃子の声が響く。
「君が選んだ未来を信じて!!」
仁典、佐弥香、賢有、仲間たちの声が届く。
悠月は深く息を吸い込み、目を閉じる。
(……俺が選んだ未来……俺は、"選んだ道"を進むと決めたんだ!!)
悠月の目が鋭く開かれた瞬間——
——カァァァァァァッ!!
悠月の剣が、強烈な光を帯びる。
「……そうか。"覚悟"が決まったか」
白い悠月は僅かに微笑み、最後の構えを取る。
「ならば、決着をつけよう!!」
悠月も剣を構え、駆け出した——!!
——悠月VS悠月、最後の一撃が交錯する!!
——ベルディアの地下市場・異空間
悠月と"もう一人の悠月"が互いに剣を構え、最後の決着に向けて駆け出した。
——カァァァァァッ!!
二人の剣がぶつかり合い、眩い光が弾ける。
「未来は"決める"ものじゃない!"選ぶ"ものだ!!」
悠月が力強く叫ぶ。
「ならば、"選んだ未来"を証明してみせろ!!」
白い悠月が一瞬で距離を詰め、鋭い一閃を放つ。
——ズバァァッ!!
悠月は間一髪で回避し、即座に反撃に転じる。
「うおおおおお!!」
悠月の剣が白い悠月の剣と交差し、火花が散る。
「迷いが消えたな……」
白い悠月は微かに微笑む。
「ならば、これで終わりだ!!」
彼は全身の力を込め、最後の一撃を放った——!!
悠月は深く息を吸い、"伝説の剣"にすべての意志を込めた。
「俺が選ぶ未来は、ここにある!!」
悠月の剣が強烈な光を放ち——
——ズバァァァァァァッ!!
悠月の刃が白い悠月を貫いた。
「……これが、お前の"選んだ未来"か」
白い悠月は静かに目を閉じ、ゆっくりと消えていく。
「そうだ……俺は、自分の意志で"未来"を切り拓く!!」
悠月の剣から放たれた光が広がり、歪んでいた空間が元に戻っていく。
「悠月!!」
桃子たちの声が響く。
悠月は深く息を吐き、剣を収めた。
「……終わった」
戦いは、ついに決着した——!!




