【第23章】裏切りの中の希望
——エルダリア城・城下町
帝国の支配が崩れ始め、戦の終焉が迫る中、悠月たちは城を後にし、城下町へと降りてきた。
「……戦いは終わったのに、街の人々はまだ不安そうね」
佐弥香が辺りを見渡しながら呟く。
「当然だ。"帝国の支配"が崩れた後、何が待っているのかわからないんだからな」
仁典が静かに答える。
悠月は、戦いを終えたばかりの疲労を感じつつも、次に進むべき道を模索していた。
(帝国が倒れたからといって、世界がすぐに平和になるわけじゃない……これからどうするべきか)
その時——
——ザッ……ザッ……
静かな足音が響き、一人の影が悠月たちの前に現れた。
「……お前は!?」
悠月が驚きの表情を浮かべる。
そこに立っていたのは——
かつて悠月を裏切り、帝国側についた旧友・カイルだった。
「久しぶりだな……悠月」
カイルは、かつての誇り高き姿とは違い、傷だらけの身体で立っていた。
「カイル……まだ、帝国に……?」
悠月の問いに、カイルは静かに首を振る。
「帝国はもう終わった……俺は、俺の信じたものを失っただけだ」
彼は、うつむきながら続けた。
「……でも、最後に伝えなきゃいけないことがある」
悠月は慎重にカイルを見つめる。
「……何を言いたい?」
カイルは、拳を握りしめながら告げた。
「帝国の崩壊を見越して、"黒幕"が動き出している」
「……黒幕?」
桃子が驚いた声を上げる。
「"帝国を操っていた真の支配者"がいるってことか?」
仁典が険しい表情になる。
カイルは静かに頷いた。
「俺が知る限り、そいつの名は"ラヴィス"……帝国の裏で動いていた闇商人だ」
「ラヴィス……?」
悠月は聞き覚えのある名前に眉をひそめる。
「まさか……"ベルディアの地下市場"で会った、あの男か!?」
賢有が驚く。
「そうだ。あいつは帝国を利用し、"世界の真の支配者"になろうとしている」
カイルは、悠月を真剣な眼差しで見つめた。
「……俺は、お前たちを裏切った。だから、この情報が"償い"になるとは思わない」
彼は静かに続ける。
「だが、もし"本当に未来を選ぶ"つもりなら……そいつを止めるしかない」
悠月はカイルの言葉を噛み締め、深く息を吸った。
(……帝国の戦いは終わった。だけど、本当の黒幕がまだ動いている)
「……行くぞ。"ラヴィス"を止めに!」
悠月たちは、"黒幕との最後の戦い"へ向かう決意を固めた——!!




