【第21章】帝国軍総司令官との決戦
——帝国の本拠地「エルダリア城」前
悠月たちは、帝国の支配を終わらせるため、最後の敵が待つ「エルダリア城」へと辿り着いていた。
「……ついにここまで来たんだな」
仁典が城を見上げながら呟く。
「ここを制圧すれば、本当に"帝国の時代"は終わるのね……」
桃子が短剣を握りしめる。
「だが、"帝国軍総司令官"がまだ残っている」
賢有が警戒を強める。
悠月は拳を握りしめた。
(クロイゼンを倒し、"神託の書"の力を封じた……だけど、それでも"帝国の象徴"はまだ立っている)
「行くぞ……"最後の戦い"だ!」
悠月たちは、一斉に城の門を開け——
***
——エルダリア城・玉座の間
「待っていたぞ、"未来を選ぶ者"よ」
玉座に座していたのは、帝国軍総司令官・ヴァルゼン。
「貴様らが何をしようと、"帝国の意志"は揺るがん」
悠月は剣を構えた。
「もう終わりだ、ヴァルゼン!」
ヴァルゼンは静かに立ち上がり、悠月たちを見渡した。
「ならば、証明してみせろ……"帝国の終焉"を!」
彼が剣を抜いた瞬間、圧倒的な闘気が広がる。
「来るぞ……!!」
悠月たちは、一斉に構えを取った——
"最後の戦い"が、今始まる!!
——エルダリア城・玉座の間
悠月たちは、帝国最後の砦、ヴァルゼン総司令官と対峙していた。
「貴様らが"未来を選ぶ"と言うならば、力で証明してみせろ!」
ヴァルゼンは豪快に剣を振り上げると、その場に雷のような衝撃を走らせる。
——ズドォォン!!
「うわっ……!」
佐弥香が吹き飛ばされそうになり、仁典が咄嗟に支える。
「なんて力だ……!?」
賢有が驚愕の声を上げる。
「さすが、帝国最強の戦士ね……」
桃子が歯を食いしばりながら短剣を構える。
悠月は剣を握りしめ、一歩前へ出た。
「"力"だけで未来を決められると思うな!!」
悠月が叫びながら駆け出し、ヴァルゼンへと剣を振るう。
——ガキィィン!!
しかし、ヴァルゼンは悠然と受け止め、逆に悠月を弾き飛ばす。
「甘いな……"未来を語る者"よ」
悠月は体勢を立て直し、"伝説の剣"をしっかりと握る。
(こいつの剣は重い……普通に打ち合っても勝てない!)
「悠月、"未来の鍵"の力を使え!」
明日望が叫ぶ。
悠月はすぐに"未来の鍵"を意識し——
——カァァァァッ!!
剣が光を帯び、ヴァルゼンの一瞬先の動きが見えた。
「……見えた!」
悠月は躊躇なく踏み込み、ヴァルゼンの剣の軌道を読んで回避し——
「くらえぇぇぇ!!」
全力で剣を振るった——!!
——ズバァァァッ!!
ヴァルゼンの鎧が裂け、彼の体が後方へ弾かれる。
「なっ……!?」
悠月は剣を構えたまま、ヴァルゼンを見据えた。
「終わりにしよう……"帝国の時代"は、もう必要ない!」
ヴァルゼンは、ゆっくりと立ち上がり、最後の構えを取る。
「ならば……最後の一撃で決めるぞ!!」
悠月も、剣を強く握りしめた。
"帝国最後の戦い"、決着の瞬間が迫る!!
——エルダリア城・玉座の間
悠月とヴァルゼンは、互いに最後の一撃を放つ構えを取っていた。
「貴様の選ぶ未来……この剣で断ち切ってやる!」
ヴァルゼンの剣が漆黒の雷を纏い、空間を震わせる。
「これで決める……!」
悠月の"伝説の剣"も、"未来の鍵"の光を帯びて輝きを増す。
「悠月……やれるわよ!」
桃子が背後で叫ぶ。
「俺たちが支える!」
仁典と賢有がヴァルゼンの側面へと走る。
「この一撃にすべてを込める!」
悠月は、全力で踏み込んだ——!!
「うおおおおおお!!」
——ズバァァァァァァッ!!
悠月の剣とヴァルゼンの剣が激突し、閃光が炸裂する。
——ドガァァァァン!!
衝撃波が玉座の間を吹き飛ばし、瓦礫が舞い散る。
悠月は膝をつき、息を切らしていた。
「……終わったのか?」
佐弥香が震える声で問いかける。
すると——
「ぐっ……」
ヴァルゼンの巨体が、ゆっくりと崩れ落ちた。
「バ、バカな……」
彼は血を流しながら、剣を地面に突き刺して倒れた。
悠月は、剣を収めながらヴァルゼンを見つめる。
「……俺たちは、未来を"選ぶ"ためにここまで来た」
ヴァルゼンは静かに目を閉じ、微かに笑った。
「……見事だ。貴様らの"未来"を……認めよう」
そう言うと、ヴァルゼンの手から剣が滑り落ちた。
***
——エルダリア城・決戦後
「これで……本当に終わったんだな」
仁典が深く息をつく。
悠月は、帝国の象徴だった"エルダリア城"を見上げた。
「……ああ。帝国の時代は、ここで終わる」
桃子が微笑む。
「それなら……次は、"新しい未来"を作る番ね」
悠月は頷き、仲間たちとともに歩き出した。
"最後の戦い"が終わり、悠月たちは"未来を選ぶ"旅へと進み始める——!!