【第20章】最後の決戦へ
——知識の墓所・戦闘開始
悠月たちは、帝国軍の精鋭部隊が迫る中、剣を構えた。
「ついに来たな……」
仁典が深く息を吐く。
「ここで奴らを止めないと、本当に"未来"が支配されてしまう……」
賢有が剣を握りしめる。
「なら、やるしかないわね!」
桃子が短剣を構え、前へと踏み出した。
悠月は、手の中にある"神託の鍵"を強く握る。
(これが……"神託の書"の真実を開く鍵……)
その時——
「"未来を選ぶ者"……お前を消す!」
帝国軍の前線から、一人の男が進み出た。
「……クロイゼン!!」
悠月は驚愕する。
「まさか、帝国の最高評議員自らが戦いに出るとはな……」
仁典が警戒を強める。
クロイゼンは、悠月たちを冷ややかに見下ろしながら剣を抜いた。
「神託の鍵を渡せ……それは、お前たちの手に余るものだ」
悠月は、剣を握る手に力を込めた。
「そんなこと……絶対にさせるか!」
「ならば、力で証明してみせろ!」
クロイゼンが一瞬で間合いを詰め、悠月へと斬りかかる——!!
——最後の決戦が、今始まる!!
——知識の墓所・戦闘開始
——ガキィィン!!
悠月の剣が、クロイゼンの一撃を受け止めた。
「……さすが"未来を選ぶ者"、多少はやるようだな」
クロイゼンは静かに微笑む。
「だが、お前の"選択"は本当に正しいのか?」
悠月は歯を食いしばる。
「正しいかどうかなんて、戦いの中で決めるものじゃない……俺たちは、"選んだ未来"を信じて進むんだ!」
悠月は力強く踏み込み、剣を振り払った。
「うおおおおおっ!!」
クロイゼンの剣が弾かれ、彼がわずかに後退する。
「……なるほど、いい覚悟だ」
クロイゼンは静かに息を吐き、剣を掲げる。
「だが、私は"帝国の未来"を背負っている。この戦い、負けるわけにはいかないのだよ」
すると——
——ゴゴゴゴゴ……!!
クロイゼンの剣が黒く輝き、周囲の空気が震え始める。
「な、なんだ!?」
佐弥香が驚愕の声を上げる。
「この力は……"神託の書"の力!?」
賢有が息を呑む。
クロイゼンは静かに言った。
「"神託の書"には、まだ"封じられた力"がある……それを解放すれば、"完全な未来の支配"が可能となる!」
悠月の拳が震える。
(こいつ……"神託の書"を使って、未来を固定しようとしているのか!?)
「そんなことはさせない!!」
悠月は剣を強く握りしめ、前へと踏み出す。
「行くぞ、みんな!!」
仲間たちが一斉に武器を構え——
最後の決戦が、ついに本格化する!!
——知識の墓所・決戦
悠月は、黒い輝きを放つクロイゼンの剣を前に、深く息を整えた。
「"完全な未来の支配"……そんなもの、絶対に許さない!」
クロイゼンは悠然と微笑む。
「お前が許すかどうかなど、関係ない。世界は"強き者"が導くべきものだ」
——シュバッ!!
クロイゼンが一瞬で間合いを詰め、悠月へと斬りかかる。
「くっ……!!」
悠月は"伝説の剣"で受け止めるが、衝撃の余波で吹き飛ばされる。
「悠月!!」
佐弥香が駆け寄ろうとするが、クロイゼンの一閃が空を裂き、衝撃波が周囲を吹き飛ばした。
「……強すぎる」
仁典が歯を食いしばる。
悠月は剣を杖代わりに立ち上がった。
「諦めない……!」
悠月の中で、"未来の鍵"の力が微かに共鳴する。
("未来を選ぶ"……それが俺の使命なら……!)
「悠月……"神託の鍵"を使え!」
明日望が叫ぶ。
悠月はポケットの中にある"神託の鍵"を取り出し——
「……これが、"神託の書"の真の力を解放する鍵……!」
悠月が鍵をかざした瞬間——
——カァァァァァッ!!
鍵が光を放ち、"伝説の剣"と共鳴する。
クロイゼンの目がわずかに動く。
「……なるほど、"お前の未来"を示すつもりか?」
悠月は剣を構え直した。
「ああ……"俺の選ぶ未来"を!!」
悠月の剣が、"神託の鍵"の力を纏い、光を帯びる。
「行くぞ、クロイゼン!!」
クロイゼンが剣を掲げ、最後の激突が始まる——!!
——知識の墓所・決戦
悠月の剣が"神託の鍵"の光を纏い、眩い輝きを放った。
「これは……!」
クロイゼンの表情が初めて動揺する。
悠月は剣を強く握りしめ、叫ぶ。
「"選ばれた未来"なんて必要ない! 俺たちが、自分の意志で未来を選ぶんだ!!」
クロイゼンは眉をひそめ、静かに剣を振りかざした。
「愚か者が……"力"を持たぬ者に未来を託して、何が生まれる?」
「未来は決められるものじゃない。みんなの意志があってこそ、進む道が決まるんだ!」
悠月の剣がさらに光を強め、"神託の鍵"と完全に共鳴する。
「……ならば、証明してみろ!!」
クロイゼンが黒い剣を振るい、巨大な闇の衝撃波を放つ。
「悠月、来るぞ!」
仁典が叫ぶ。
「避ける時間はない……!!」
悠月は咄嗟に剣を掲げ、"未来の鍵"の力を解放した。
——ズバァァァッ!!
光の剣が闇の衝撃波を切り裂く。
「なっ……!?」
クロイゼンの目が驚愕に見開かれる。
「今だ、悠月!!」
仲間たちの声が響く。
悠月は、全力でクロイゼンへと駆け出した。
「これが……俺の選ぶ未来だぁぁぁ!!」
悠月の剣がクロイゼンの胸元へと振り下ろされる——!!
——決着の瞬間が迫る!!
——知識の墓所・決戦の終焉
悠月の剣が"神託の鍵"の力を宿しながら、クロイゼンの胸元へと振り下ろされた。
——ズバァァァッ!!
「ぐっ……!」
クロイゼンの身体が強烈な衝撃を受け、黒いオーラが弾け飛ぶ。
「な……ぜだ……!」
クロイゼンは膝をつきながら、苦しげに剣を支える。
「"神託の書"の力を得た私が……"選ばれし未来"を定めるはずだった私が……!」
悠月は深く息を整え、静かに剣を構え直した。
「未来は"選ぶ"ものだ……お前が"定めよう"としても、誰かの意志がそれに抗う限り、未来は縛られない」
クロイゼンは目を見開き、静かに笑った。
「……お前が"未来を選ぶ者"か……」
「そうだ」
悠月は迷いなく答えた。
クロイゼンの黒いオーラが完全に消えていく。
「……私の負けだ」
彼は剣を地面に突き立て、ゆっくりとその場に崩れ落ちた。
***
——決戦後・知識の墓所
悠月たちは、倒れたクロイゼンを見下ろしながら、深く息をついた。
「終わった……?」
佐弥香が不安そうに呟く。
「いや、まだだ」
悠月は、手の中の"神託の鍵"を見つめた。
(この鍵が、"神託の書"の真の力を開くもの……)
「これをどうするかで、本当に"未来"が決まる……」
悠月は拳を握りしめた。
「どうする? 悠月」
桃子が問いかける。
悠月は深く考え、自分の選ぶべき未来を決断した——
"神託の書"の力を開くか、封じるか——悠月の最後の選択が迫る!!
——知識の墓所・決戦後
悠月は、手の中の"神託の鍵"を強く握りしめた。
(この鍵を使えば、"神託の書"の真の力が解放される……だけど、それが本当に正しいのか?)
「悠月……」
桃子が静かに問いかける。
「"神託の書"の力を使えば、世界の未来を変えられる。でも……その力を誰かがまた利用しようとしたら?」
悠月は拳を握りしめた。
「そうだな……この力は、誰かが使えば、また"未来を定めようとする者"が現れるかもしれない」
「なら、封じるのか?」
仁典が慎重に尋ねる。
悠月は、深く息を吸い込み——
「……俺は"未来を選ぶ"。だけど、それは"力に頼るものじゃない"」
悠月は、"神託の鍵"を地面にゆっくりと置いた。
「"神託の書"の力を封じる。それが、俺の選択だ」
佐弥香が驚いた表情を浮かべる。
「えっ……!? でも、それじゃあ未来を変える力がなくなるんじゃ……」
「違う」
悠月は、静かに首を振った。
「未来を変えるのは"力"じゃない。"俺たち自身"だ」
桃子は目を細め、微笑んだ。
「……そうね。それが、悠月らしい選択だわ」
悠月は、"神託の鍵"を床にそっと置き、剣を構えた。
「……封印する!」
悠月の剣が最後の輝きを放ち、"神託の鍵"を包み込んだ——
——カァァァァァァァッ!!
光が走り、"神託の書"の力が、永遠に封じられた。
***
——決戦後・知識の墓所
「……終わったんだな」
仁典が剣を収めながら呟く。
悠月は、静かに頷いた。
「俺たちは……"未来を自分で選ぶ"って決めた。それが、俺の答えだ」
賢有が力強く頷く。
「これで、"帝国の支配"は終わる」
悠月は、最後にクロイゼンの姿を見つめた。
彼は静かに目を閉じ、敗者としてその場に横たわっていた。
「……行こう。俺たちの"新しい未来"へ」
悠月たちは、帝国の支配が終焉を迎えた世界へと歩き出した——!!