【第18章】師匠との再会
——エルガディアの祭壇・出発前
悠月は"伝説の剣"を握りしめ、朝日を浴びながら静かに立っていた。
「……ついに手に入れたんだな」
仁典が肩を叩く。
悠月は頷き、剣の刃を見つめた。
「この剣は、俺が"自分で選ぶ未来"を切り拓くためのものだ」
「でも、それを本当に"使いこなせる"の?」
佐弥香が不安そうに言う。
悠月は、一瞬だけ息を呑んだ。
(確かに、この剣は"特別な力"を持っている……でも、今の俺では"この力のすべて"を引き出せていない気がする)
「……だからこそ、俺には"最後の教え"が必要だ」
悠月はそう言うと、桃子が察したように微笑んだ。
「"龍峰の里"ね……?」
悠月は静かに頷く。
「"龍峰の里"……剣の師匠がいる場所か」
賢有が腕を組む。
「師匠か……悠月の剣の原点だな」
仁典が感慨深そうに呟く。
悠月は、伝説の剣を鞘に収め、仲間たちを見渡した。
「俺は"未来を選ぶ"ために、最後の鍛錬を受ける」
「なら、決まりね」
桃子が微笑んだ。
「行こう!"龍峰の里"へ!!」
悠月たちは、"最後の戦い"へ向けた準備のため、師匠の待つ地へと向かった——!!
——龍峰の里・山道
悠月たちは、険しい山道を歩きながら"龍峰の里"へ向かっていた。
「ここ、本当に道合ってるの?」
佐弥香が不安げに尋ねる。
「間違いない。この先に"師匠"がいるはずだ」
悠月は険しい崖道を慎重に進みながら答えた。
「しかし、すごい場所に住んでるな……」
仁典が周囲を見渡す。
深い霧に包まれた山道。岩肌がむき出しになった険しい道が続いている。
「"龍峰の里"は、かつて剣士たちが修行のために集まった場所……"余計な者"が簡単には辿り着けないようになっている」
賢有が説明する。
「なるほどね……"試されてる"ってわけか」
桃子が軽く笑う。
悠月は、遠くに見えてきた木造の建物を見上げた。
「もうすぐだ……!」
***
——龍峰の里・道場前
悠月たちが道場の前までたどり着くと——
「待っていたぞ、悠月」
低く響く声がした。
「……っ!」
悠月はその声の主を見て、思わず息を呑んだ。
そこに立っていたのは——
悠月の剣の師匠だった。
「……師匠」
「久しいな」
師匠は腕を組み、悠月をじっと見つめた。
「お前が"伝説の剣"を手にし、この地へ戻ってくるとはな」
悠月は剣を握りしめ、一歩前に出た。
「俺は、この剣を本当に"使いこなす力"を得るために、最後の教えを受けに来ました!」
師匠は悠月の言葉を聞き、一瞬目を閉じ——
「ならば、証明してみせろ」
再び目を開いたときには、すでに腰の剣に手をかけていた。
「"龍峰の剣"を修める者として、"最後の試練"をな」
悠月は静かに剣を構えた。
(師匠との決着……これが、俺にとっての"最終の鍛錬"だ!)
「行くぞ、悠月!!」
師匠の鋭い剣が、悠月へと振り下ろされた——!!
"伝説の剣を極める試練"が、今始まる!!
——龍峰の里・道場前
悠月は師匠との最終試練に臨んでいた。
——シュバッ!!
師匠の剣が閃き、悠月の目の前を鋭く横切る。
「くっ……!」
悠月は咄嗟に身を引き、間一髪で剣をかわした。
「迷いがあるな、悠月」
師匠は静かに言い放つ。
「その剣で"未来を選ぶ"というのなら、迷いを捨てろ!」
悠月は歯を食いしばりながら、"伝説の剣"を構え直す。
(今の俺じゃ、師匠には敵わない……だけど、ここで引くわけにはいかない!)
「悠月、今の君なら"未来の鍵"の力を使えるはず!」
明日望が叫ぶ。
悠月は剣を握りしめ、"未来の鍵"の力を意識した。
(俺の"選ぶ未来"……それを、この剣に刻む!)
——カァァァァッ!!
剣が淡く光を放つ。
師匠が一瞬、目を細めた。
「なるほど……"覚悟"は決まったか」
次の瞬間、師匠が疾風のように悠月へと踏み込む。
「見極めてみろ、悠月!!」
悠月は"未来の鍵"の力で、師匠の動きを先読みし——
「今だ!!」
全力で剣を振るった——!!
——ズバァァァッ!!
悠月の剣が、師匠の一撃を受け止めた——!!
——龍峰の里・道場前
——ガキィィィン!!
悠月の剣が、師匠の一撃を正面から受け止めた。
「……ほう」
師匠が微かに目を細める。
「今の一撃……迷いがないな」
悠月は息を整え、師匠を真っ直ぐに見据えた。
「俺はもう、"自分の未来"に迷わない!」
悠月の剣が"未来の鍵"の力を帯び、淡い輝きを纏う。
「ならば、決着をつけてみせろ」
師匠が再び剣を構える。
「悠月、最後の一撃を!!」
桃子が叫ぶ。
悠月は力を込め、踏み込んだ——
「うおおおおおっ!!」
——ズバァァァァァッ!!
剣閃が閃き、悠月の一撃が師匠の剣を弾いた。
「……っ!!」
師匠の足が僅かに後退する。
そして——
「……見事だ、悠月」
師匠はゆっくりと剣を下ろし、微笑んだ。
「お前は、本当の意味で"未来を切り拓く剣"を手にした」
悠月は、深く息を吐いた。
「……ありがとうございました」
師匠は悠月の肩を叩き、静かに言った。
「行け、お前の"選んだ未来"へ」
悠月は強く頷いた。
「……行こう。"帝国の本拠地"へ!」
こうして——
悠月は"伝説の剣"を完全に使いこなし、最後の戦いへと向かった。